米ネットメディア「ジ・インフォメーション」は9月30日、ソフトバンクグループ(SBG)が傘下の「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」を通じて、対話型生成AI「ChatGPT」で知られる米新興企業オープンAIに5億ドル(約720億円)を出資することで合意したと報じました。この投資が実現すれば、SBGにとってオープンAIへの初の出資となります。
大規模資金調達の一環
オープンAIは現在、AI開発に必要な巨額の資金を確保するため、総額65億ドル(約9400億円)規模の新たな資金調達を進めています。この資金調達には、すでにオープンAIに出資している米マイクロソフトや、米半導体大手エヌビディアなども参加を検討しているとされています。
オープンAIの企業価値は1500億ドル(約22兆円)と評価されており、出資交渉は今週中にも完了する見通しです。
ソフトバンクグループのAI戦略
SBGの孫正義会長兼社長は、AI分野を投資戦略の中核に位置付けています。今年6月の定時株主総会では、「人類の1万倍の英知であるASI(人工超知能)が10年以内に生まれる。私はASIを実現するために生まれてきた」と述べ、AI技術への強い関心を示しています。
業界の動向
一方で、米IT大手アップルはオープンAIへの出資交渉から撤退したと報じられています。アップルは自社の生成AI開発を進めており、オープンAIとの提携関係も注目されていましたが、今回の投資には参加しない方針のようです。
今後の展望
オープンAIへの大規模投資は、AI業界における競争の激化を示唆しています。ソフトバンクグループの参入により、日本企業の存在感が増す可能性もあります。今後、AI技術の発展とそれに伴う投資動向に注目が集まることは間違いありません。