最近、アリババグループが開発した「Qwen Chat(クウェンチャット)」が注目を集めていますね。
「どんな機能があるの?」「無料で本当に使えるの?」「DeepSeekやChatGPTとどう違うの?」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
Qwen Chatは、Web検索はもちろん、画像生成、動画生成、コード生成など多彩な機能を備えたAIチャットボットです。すごいのは、これらの機能がすべて無料で利用できる点!
本記事では、Qwen Chatの基本的な使い方から応用テクニックまで、実際の画面や使用例を交えて分かりやすく解説します。
- Qwen Chatとは?
- Qwen Chatの使い方
- Qwen Chatの活用例
- Qwen ChatとChatGPTの比較
- Qwen Chatの料金プランや商用利用
Qwen Chatとは?

Qwen Chat(クウェン チャット)は、中国の大手IT企業アリババグループが開発した高性能AIチャットボットサービスです。2025年1月29日に最新モデル「Qwen 2.5-Max」がリリースされ、性能面でGPT-4oやDeepSeek V3を上回ると話題になっています。
日本語を含むさまざまな言語に対応しており、無料で高度な機能を利用できることが最大の魅力です。特に画像生成や動画生成の機能は、有料のサービスが多い中、完全無料で提供されている点が注目されています!
Qwen Chatの特徴
Qwen Chatには、他のAIチャットボットと比較しても充実した機能が揃っているんです!
①マルチモーダル対応:Qwen Chatは、テキストだけでなく画像や動画も理解・生成できるマルチモーダルAIです。ユーザーが画像をアップロードすれば内容を理解し、テキスト指示に従って新たな画像や動画を生成することも可能です。
②Web検索機能でリアルタイム情報を取得:最新のニュースや情報を反映した回答が欲しい場合は、Web検索機能を活用できます。「検索」ボタンをクリックするだけで、インターネット上の最新情報を含めた回答を得られます。
③画像・動画生成機能:テキストの指示から画像や動画を生成する機能も搭載されています。他のサービスでは有料のことが多いですが、Qwen Chatでは無料で利用できます。特に動画生成機能はQwen Chatの大きな特徴で、短い動画ながらもクオリティの高い映像を生成できます。
④アーティファクト機能でコード生成とプレビュー:プログラミングコードを生成し、その場で実行結果を確認できる「アーティファクト機能」も便利です。Webアプリやゲームなどを開発する際に、コードの動作確認をリアルタイムで行えます。
④複数モデルの組み合わせ:Qwen Chatでは、異なる特性を持つ複数のAIモデルを組み合わせて使用できます。例えば、長文処理に強いモデルとコーディングに特化したモデルを同時に活用することで、より高度なタスク処理が可能になります。
Qwen Chatの始め方
それでは早速、Qwen Chatの始め方を説明します!
- STEP1公式サイトにアクセス
まずはQwen Chatの公式サイト「https://chat.qwen.ai」にアクセスします。
- STEP2アカウント登録
初めて利用する場合は、アカウント登録(サインアップ)が必要です。
①トップページの「サインアップ」をクリック
②Googleアカウント、GitHubアカウント、またはメールアドレスでの登録を選択
③Googleアカウントを選ぶ場合は、使用するアカウントを選択し、アクセス許可を確認
④スライドバーを動かして「ロボットではない」ことを証明する認証を行う
- STEP3言語設定と表示モードの変更
登録が完了したら、快適に使用するために言語設定を日本語に変更しましょう。
①画面右上のアカウントアイコンをクリック
②「設定」を選択
③言語設定で「日本語」を選択
④お好みで「ダークモード」に切り替えることも可能
これで基本的な設定は完了です!とてもシンプルで、簡単に操作できるようになっています。
Qwen Chatの基本的な使い方
Qwen Chatの基本的な使い方について、7つの機能を解説します!
まずは通常のチャット方法です。

まずは基本的なチャット機能から。画面下部のテキストボックスに質問や指示を入力するだけで、AIが回答を生成します。日本語での入力にも問題なく対応しており、自然な会話が可能です!
例えば「明治時代の発明についてまとめてください。」と入力すると、関連する情報を整理して回答してくれます。
Web検索機能
Web検索機能を使えば、最新の情報を反映した回答を得られます。
①テキストボックス下部の「検索」ボタンをクリック

②検索したい内容を入力(例:「2025年の東京オリンピック招致の最新状況を教えてください」)

③青い送信ボタンをクリック

回答と共に、情報ソースも画面右側に表示されるので、情報の信頼性も確認できます。
画像生成機能
テキストから画像を生成する方法も簡単です。
①テキストボックス下部の「画像生成」ボタンをクリック

②生成したい画像の詳細を入力(例:「雨の日に傘を持って歩く女性のシルエット、バックに霧のかかった街並み」)

サイズも選ぶことができます!

③青い送信ボタンをクリック

画像が気に入らない場合は、さらに詳しい指示を追加して再生成することもできます!

動画生成機能
動画生成は、まずモデルを変更する必要があります。
①画面左上のモデル名をクリックし、「Qwen2.5-Omni-7B」を選択

②テキストボックス下部の「動画生成」ボタンをクリック

③生成したい動画の内容を入力(例:「海辺で波打ち際を走る白い馬、夕日の光が反射している」)

④青い送信ボタンをクリック
動画生成には時間がかかる場合があるので、少し待つ必要があります。生成される動画は短いものの、クオリティは比較的高いです!
アーティファクト機能の使い方
Qwen Chatの特徴的な機能の一つが「アーティファクト機能」です。この機能を使えば、コードを生成しながら同時にその実行結果を確認できます!
使い方は、以下の通りです。
①テキストボックス下部の「コード」ボタンをクリック

②作成したいプログラムの内容を入力(例:「シンプルな家計簿アプリを作成してください。収入と支出を入力して、月間の残高を計算できるものを作成して下さい」)

③青い送信ボタンをクリック


するとコードとそのコードを実行した結果が表示されます。ウェブアプリやゲームなどをその場で動かして確認できるため、プログラミング学習やプロトタイプ開発に最適です!
ファイルのアップロードと画像解析機能の使い方
Qwen Chatでは、PDFやWord、Excelなどのファイルをアップロードして内容を分析したり、画像をアップロードして解析したりすることもできます。
ファイルのアップロード方法
①テキストボックスの左にあるクリップアイコンをクリック

②アップロードしたいファイルを選択

③ファイルの内容について質問や指示を入力(例:「このマーケティングレポートの主要なトレンドと成長率を分析してください」)

このように、詳しい分析が出来るのでとても優秀です!

画像解析の方法
画像解析を行う場合は、ビジュアル対応モデルへの切り替えが必要です。
①画面左上のモデル名をクリックし、「Qwen2.5-Omni-7B」を選択

②テキストボックスの左にある「+」→「画像をアップロードする」をクリック

③解析したい画像を選択し、画像について質問や指示を入力(例:「この画像に何が写っていますか?」)

④青い送信ボタンをクリック

このようにかなり詳しく解析してくれます!
新機能「QwQモード」の使い方
2025年3月にリリースされた「QwQ-32B」モデルは、より深い思考能力を持ち、複雑な問題の解決性能が向上しています。このモデルは、ChatGPTのO1やDeepSeekのように思考してから回答する「思考モード」を備えています。
QwQモードを使用するには、左上のモデル選択から「QwQ-32B-Preview」を選択するだけです!複雑な推論や論理的な思考が必要な問題に対して、より精度の高い回答を得ることができます。

どの程度深い思考が出来るのか、以下のプロンプトで試してみました。
自動運転車が事故を避けられない状況で、車の乗客を救うか、歩行者を救うかを選択しなければならない場合、どのような倫理的判断基準を設けるべきでしょうか?異なる文化的背景や法的枠組みを考慮し、複数の視点から分析してください。

2000文字以上の詳しい回答を分かりやすく出してくれました!通常のモデルで試すと、1700文字だったのでより深い思考が出来ていると言えそうです。
複数モデルを組み合わせて使う高度な使い方
Qwen Chatの便利な機能の一つに、複数のモデルを組み合わせて使用できる点があります。これにより、より精度の高い回答や多様なタスク処理が可能になります!
複数モデルの選択方法は、以下の通りです。
画面左上のモデル名の隣のボタンクリック

利用可能なモデル一覧から、目的に合ったモデルを選択(同時に最大3つまでの選択可能)
おすすめのモデル組み合わせ例もありますので、ぜひ参考にしてください!
- Qwen2.5-Max + Qwen2.5-VL-72B-Instruct:言語処理と視覚情報解析を組み合わせて、画像の説明や内容の要約を生成
- Qwen2.5-14B-Instruct-1M + Qwen2.5-Plus:長文処理と高度なタスク処理を統合し、より論理的な文章を生成
- Qwen2.5-Max + Qwen2.5-Coder-32B-Instruct:一般的な質問への回答とコーディングタスクを同時に処理
【5分でできる!】Qwen Chatの活用例
ご紹介してきた通りQwen Chatは高度な機能がたくさんありますが、実際にどのような場面で活用できるのでしょうか?具体的な活用例を5つほどご紹介します。
①レポート・記事の要約作成

長い記事やレポートをアップロードして「3行で要約してください」と指示するだけで、ポイントを押さえた簡潔な要約が得られます。会議の準備や情報整理に最適です。
②画像からレシピの提案

料理の写真をアップロードして「この料理の作り方を教えてください」と尋ねれば、材料や手順を提案してくれます。冷蔵庫の残り物の写真から新しいレシピを考えてもらうことも可能です。
③プレゼン資料の作成アシスト

「SDGsの取り組みについての5枚のプレゼン資料の内容を考えて」と指示すれば、見出しや要点、データポイントなどを提案してくれます。スライド作成の下準備を効率化できます。
④コードのデバッグと修正

エラーが出ているコードをコピーして「このコードのバグを見つけて修正してください」と依頼すれば、問題点を指摘し修正案を提示。アーティファクト機能を使えば実行結果もすぐに確認できます。
⑤商品アイデアの視覚化

「環境に優しいウォーターボトルのデザイン案を3つ生成してください」というプロンプトで、異なるコンセプトの画像をすぐに生成。製品開発の初期アイデア出しに役立ちます。
Qwen ChatとChatGPTで無料の利用範囲を比較してみた!
多くのAIチャットボットが登場している中、Qwen Chatと1番使われているであろうChatGPTはどのように違うのでしょうか?
特に無料プランで利用できる機能に注目して比較してみました!
①テキスト生成機能の比較

機能 | Qwen Chat | ChatGPT(無料版) |
---|---|---|
長文テキスト生成 | 最大13万トークン | 最大4,000トークン |
応答速度 | 非常に速い | 速い |
コンテキスト理解 | 高い | 高い |
数学・推論能力 | 非常に高い | 普通〜高い |
Qwen ChatはQwen2.5-Maxモデルを利用することで、無料ながらChatGPTの有料版に匹敵するテキスト生成能力を発揮してくれます。特に数学的問題や論理的推論が必要な場面では、ChatGPTの無料版を上回るパフォーマンスを示していることが分かっています!
②マルチモーダル機能の比較
機能 | Qwen Chat | ChatGPT(無料版) |
---|---|---|
画像生成 | 〇 | 〇 (回数制限あり) |
動画生成 | 〇 | × |
画像理解 | 〇 | 〇 |
コード生成と実行 | 〇 | 生成のみ |
最も大きな違いは動画生成機能です。ChatGPTの無料版では動画生成機能が利用できませんが、Qwen Chatでは無料で高品質な短い動画を生成できます。
また、Qwen Chatはアーティファクト機能もあるため、コードの生成だけでなく実行結果の確認も行えるのは大きなメリットです。
③利用制限の比較
項目 | Qwen Chat | ChatGPT(無料版) |
---|---|---|
アクセス制限 | なし | 混雑時にアクセス制限あり |
リクエスト制限 | あり (上限不明確) | 一定時間内のメッセージ数に制限 |
最新情報へのアクセス | Web検索可能 | 2023年10月まで(GPT-4o) Web検索も可能 |
利用制限については、かなり混雑することがない限りは両者とも似たような比較結果となりました。
比較してみた結果、Qwen Chatは無料サービスでありながらも、ChatGPTの有料プランに匹敵する機能を提供している点が最大の魅力です。特に画像・動画生成機能は、いろいろな作業をまとめてしたいユーザーにとって大きなメリットとなりそうですね!
※ChatGPTの無料版については、下記記事で解説しています!
Qwen Chat対応アプリやスマートフォン版について
2025年4月現在現在、Qwen Chatは主にWeb上で利用するサービスですが、将来的にはスマートフォンアプリの提供も予定されています。モバイル上のブラウザからもアクセス可能ですが、専用アプリが登場すればさらに使いやすくなりますね!

なお、Webブラウザではモバイルで使うこともしっかり考慮されており、スマートフォンやタブレットでも快適に操作できるようになっていますよ。
Qwen Chatの料金プラン
Qwen Chatの最大の魅力は、何と言ってもすべての機能が無料で利用できる点です!2025年4月現在では料金プランは存在せず、登録するだけですぐに全機能を使うことができます。
他のAIサービスでは有料となっている画像生成や動画生成も無料で利用できるため、AIツールを幅広く試してみたい方にとってとても魅力的です。
ただし、将来的にはサービス利用者の増加や状況の変化によって有料プランが設定される可能性もあるため、無料で利用できる今のうちに試してみることをおすすめします。
Qwen Chatの商用利用について
Qwen Chatの商用利用については、基本的に許可されています。利用規約には、ユーザーがプロンプトに対して生成されたアウトプットの権利を所有するとされています。

ただし、モデルによってはライセンスが異なる場合があり、商用利用に際しては申請が必要なケースもあります。そのため、ビジネスでの利用を検討している場合は、提供元であるアリババクラウドへの確認をおすすめします。
Qwen Chatを使用する際の注意点
Qwen Chatを使用する際には、いくつかの注意点がありますので必ず確認しましょう!
①利用するモデルによって機能が異なる:すべてのモデルがすべての機能に対応しているわけではありません。例えば、動画生成は「Qwen2.5-Omni-7B」モデルでのみ利用可能です。使用前に各モデルの特徴や強みを把握しておくと良いでしょう。
②情報漏洩のリスク:Qwen ChatはWEB上で利用するサービスのため、入力した情報が外部に漏れる可能性があります。個人情報や機密情報などの取り扱いには注意が必要です。特に企業での業務利用を検討する場合は、この点に留意しましょう。
③ハルシネーションの可能性:Qwenのベンチマークスコアは非常に高いものの、生成される回答が必ずしも正確であるとは限りません。特に専門的な内容や重要な決断に関わる情報については、複数の情報源で確認することをおすすめします。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
アリババグループが開発したAIチャットボット「Qwen Chat」の特徴や基本的な使い方から応用テクニック、注意点まで詳しくご紹介しました!
この記事で紹介したことをまとめると次のようになります。
- Web検索や画像・動画生成、コード生成などさまざまな機能を無料で利用できる
- アカウント登録は簡単で、日本語にも対応している
- 目的に応じて最適なモデルを選択することで効果的に活用できる
- アーティファクト機能を使えば、コード生成とプレビューを同時に行える
- QwQモードを活用すれば、より深い思考を要する複雑な問題にも対応できる
Qwen Chatは無料でAIチャットツールを試してみたい方や、画像・動画制作、プログラミング学習など幅広い用途に活用したいという方にぴったりなツールです。
そして、フラッグシップAIモデル「Qwen 3」を早ければ2025年4月中にもリリースする計画を発表しています。このモデルはかなりの性能向上が期待されており、現在のQwen 2.5-Maxを超える能力を備える可能性があるそうなので楽しみに待ちましょう!