「ChatGPTに匹敵する性能なのに、なぜこんなに安いの?」
「使い方は難しくないの?」
「個人情報を入力しても大丈夫?」
最近、SNSやニュースで話題になっているDeepSeek R1。高性能なAIを安く使えるということで注目を集めていますが、まだ分からないことが多くて不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、DeepSeek R1とは何か、どんな特徴があるのか、どうやって使うのか、そして安全性について、誰でも分かるように解説していきます。スマートフォンやパソコンでの具体的な使い方も、画面の画像付きでご紹介しますので、初めての方でも安心してご覧ください!
※前モデルの「Deepseek V3」については、以下の記事で詳しく解説しています。
DeepSeek R1とは?
AIの世界に新たな革新をもたらしたDeepSeek R1は、まるで優秀な学習パートナーのような存在です。2025年1月、中国のDeepSeek社から公開された最新のAIで、特に「考えながら答える力」に優れています。
たとえば、数学の問題を解く時、私たち人間は「まずこの公式を使って…」「次にここを計算して…」と順序立てて考えますよね。DeepSeek R1も同じように、問題を解く過程で「どうしてその答えになったのか」を丁寧に説明してくれます。
Deepseek R1の得意分野と特徴
DeepSeek R1が特に力を発揮するのは以下の「論理的な思考が必要な問題解決」に関する3つの分野です。
- 数学の問題を解く
- 複雑な質問に対して段階的に回答
- プログラミングのコード作成
この中でも特筆すべきは、人間のように「考える過程」を見せてくれる点です。例えば、数学の問題を解く際に
「この問題を解くためには… →まず公式Aを使って計算します →次に、得られた結果をBに代入します →最後に…」
というように、どのように考えて答えにたどり着いたのかが分かりやすく表示されます。
これは、単に答えを出すだけでなく、その過程を理解したい学習者や、AIの判断根拠を確認したいビジネス利用者にとって、とても有益な機能となっています。
DeepSeek R1の特徴と性能
ここでは、先ほどご説明したDeepseek R1の特徴や性能を、さらに詳しく分かりやすく紹介していきます!
①人間のように考えて答える力
先ほどから何度かご説明していますが、DeepSeek R1の最大の特徴は、単に答えを返すだけでなく、考える過程を見せてくれることです。
このように、人間の教師のように、考え方を順序立てて説明してくれます。
②世界最高レベルの問題解決能力
数学やプログラミングの分野では、ChatGPTと同等以上の性能を持っています。
数学オリンピック予選問題の正答率は、以下の通りでした。
DeepSeek R1 | ChatGPT |
---|---|
79.8% | 79.2% |
プログラミングコンテストでの成績は、上位3.7%(人間のプログラマーの中で)という優秀な成績を収めています。
③驚きの費用対効果
オープンソース(プログラムの設計図が公開されている)なので、
- 個人利用:無料
- 商用利用:無料
- 改変・再配布:自由
ただし、大量に利用する場合のAPI料金は有料です(ChatGPTの約10分の1の料金)。
このように、DeepSeek R1は「考えるプロセスの可視化」「高い問題解決能力」「低コスト」という3つの強みを持ち、学習やビジネスの様々な場面で活用できる実用的なAIツールとなっています。
Deepseek R1の使い方
DeepSeek R1は、様々な方法で利用することができ、用途や目的に応じて最適な利用方法を選択できます。ここでは、主な4つの利用方法について詳しく解説します。
使い方①:Web版の利用方法
DeepSeek R1のWeb版は、最も手軽に利用できる方法です。以下の手順で簡単に開始できます。
- STEP1DeepSeek R1へのアクセスとログイン
①公式サイト(chat.deepseek.com)にアクセス
②Googleアカウントまたはメールアドレスで登録・ログイン
これで登録は完了です!
DeepSeekのWebインターフェースは、以下の機能を備えています。
- 直感的なチャットUI
- DeepThinkモード搭載(より詳細な分析が可能)
- 日本語を含む多言語対応
- 履歴保存機能
- STEP2チャットを始める
ChatGPTなどと同様質問したいことを入力することができます。
生成速度や回答精度も他ツールとそん色なく利用することが出来ました!
使い方②: APIを使った利用方法
APIを使用することで、独自のアプリケーションにDeepSeek R1を統合できます。
- APIキーの取得と設定
①Billing → API keysを選択
②「Create new API key」でキーを生成
③環境変数に設定
export DEEPSEEK_API_KEY=your_api_key_here
④下記コードでリクエストを送信する
import requests headers = { "Content-Type": "application/json", "Authorization": f"Bearer {DEEPSEEK_API_KEY}" } data = { "model": "deepseek-chat", "messages": [{"role": "user", "content": "こんにちは"}] } response = requests.post( "https://api.deepseek.com/v1/chat/completions", json=data, headers=headers )
使い方③:VSCode拡張機能での活用方法
VSCode拡張機能「Cline」を使用することで、開発環境内でDeepSeek R1を直接利用できます。
- STEP1VSCodeの拡張機能マーケットプレイスから「Cline」をインストール
- STEP2設定画面でDeepSeekをプロバイダーとして選択
- STEP3APIキーを入力
- STEP4必要に応じてショートカットキーを設定
完了したら、通常通りプロンプトで質問を入力することで利用できます。
VScodeを使ったDeepSeek R1では、以下のような機能を利用できます。
機能 | 概要 |
---|---|
コード補完 | リアルタイムでのコード提案 |
エラー解析 | コードの問題点を指摘 |
ドキュメント生成 | 自動的にドキュメントを作成 |
リファクタリング支援 | コードの最適化を提案 |
使い方④:ローカル環境での実行方法
ローカル環境でDeepSeek R1を実行する場合、Ollamaを使用する方法が推奨されています。
- STEP1Ollamaのインストール
# Ollamaをインストール(公式サイトからダウンロード) brew install ollama # macOSの場合
- STEP2モデルのダウンロードと設定
# DeepSeek R1モデルの取得 ollama create deepseek-33b -f ./modelfile
- STEP3モデルの起動と実行
# モデルの起動 ollama run deepseek-33b
必要システム要件を確認しておきましょう。
- ・RAM:最低32GB(推奨64GB以上)
- ・ストレージ:100GB以上の空き容量
- ・GPU:NVIDIA GPU(VRAM 24GB以上推奨)
使い方⑤:スマホアプリでの実行方法
Deepseek R1は、PCやブラウザ上だけでなくスマホアプリでも使用することができます!
- STEP1App StoreまたはGoogle Playで「DeepSeek」アプリをダウンロード
- STEP2アカウントを作成してログイン
- STEP3「DeepThink(深く考える)」モードを選択
Deepseek R1の料金プラン
DeepSeek R1は、高性能な大規模言語モデルでありながら、比較的リーズナブルな価格設定で提供されています。1日の利用回数に制限はありますが、基本的に無料で利用することが可能です!
特に2025年2月8日までは割引価格が適用され、より手頃な料金で利用できます。
DeepSeek R1のAPIの価格設定
DeepSeek R1のAPI利用料金は、入力と出力で異なる料金体系を採用しています。
利用区分 | 通常価格 (100万トークンあたり) | 割引価格 (100万トークンあたり) |
---|---|---|
入力(キャッシュヒット時) | $0.07 | $0.014 |
入力(キャッシュミス時) | $0.27 | $0.14 |
出力 | $1.10 | $0.28 |
コンテキスト設定は、以下の通りです。
- 最大コンテキスト長:64,000トークン
- 最大出力トークン:8,000トークン
DeepSeek R1と他社サービスとの価格比較
主要な競合サービスとの価格比較をしてみました。
サービス名 | 入力価格 (100万トークン) | 出力価格 (100万トークン) |
---|---|---|
DeepSeek R1 | $0.14 – $0.27 | $0.28 – $1.1 |
GPT-4 | $30 | $60 |
Claude 3.5 Sonnet | $15 | $75 |
Anthropic Claude 2 | $11.02 | $32.68 |
このように、DeepSeek R1は競合サービスと比較して大幅に低い価格設定となっています。特に注目すべき点は、同等の性能を持つGPT-4やClaude 3.5 Sonnetと比較して、約10分の1から100分の1程度の価格で利用できることです。
DeepSeek R1の安全性と注意点
では最後に、DeepSeek R1の安全性について解説しますので、利用前にチェックしましょう!
DeepSeek R1を利用する上での注意点
DeepSeek R1は中国のDeepSeek社が提供するサービスのため、利用規約は中国の法律に基づいています。これは以下のような影響があります。
・紛争解決:問題が発生した場合、中国の裁判所での解決となります
・個人情報保護:日本の個人情報保護法ではなく、中国の法律が適用されます
また、入力したデータはすべて中国のサーバーに保存されます。そのため、以下の情報は入力を控えることをお勧めします。
安全な使い方のポイント
- 機密性の低い情報での利用に限定する
- 出力内容は必ず人間が確認する
- 重要な意思決定には補助的に活用する
- 個人や企業の重要情報は入力しない
このように、便利なツールである一方で、適切な使用範囲を理解し、安全に活用することが重要です。特に企業での利用時は、情報セキュリティポリシーとの整合性を確認してから導入を検討しましょう。
まとめ
DeepSeek R1は、ChatGPTと同等の性能を持ちながら、圧倒的な低価格で利用できる次世代のAIです。特に数学やプログラミングの分野で高い能力を発揮し、考える過程を見える化できる点が特徴です。
基本的なWeb版やスマートフォンアプリは無料で利用できるため、まずはこれらから試してみることをおすすめします。ただし、中国のサーバーにデータが保存されることから、個人情報や機密情報の入力は避け、適切な使用範囲を守ることが重要です。
学習支援やビジネス活用など、用途に合わせて賢く活用することで、AIの力を最大限に引き出すことができるでしょう!
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