Grokで小説を執筆！AIと紡ぐ「あなたらしい」物語の書き方やコツ・注意点を徹底解説

「AIを使用して小説を書いてみたいけど難しいだろうな」「さまざまなAIで小説が書けるようになってきたらしいけど、Grokはどうなんだろう？」

小説を執筆するには多くの時間がかかるため、AIを活用できれば便利だろうと思ったことはありませんか？

しかし、不自然な言い回しで展開も違和感を感じる文章になるだろうと、手を伸ばせない方もいるでしょう。もしも、AIで人間らしい文章で物語を作成する方法がわかり、その方法が難しくなければやってみようと思えませんか？

本記事では、下記内容を解説します。

ここで解説した内容をもとに、表現豊かで魅力的な小説を効率よく執筆しましょう。

監修者プロフィール

森下浩志

日本最大級のAI情報プラットフォーム「romptn ai」編集長。著書に「0からはじめるStable Diffusion」「0からはじめるStable Diffusion モデル・拡張機能集編」など、AmazonベストセラーのAI関連書籍を多数執筆。AIにおける情報の非対称性を解消するための社内研修や出張講義も行う。

Grokで小説を書くことは可能

「AIで小説を書くのは難しいのでは？」と思っている方も少なくないでしょう。しかし、Grokを使用すれば、AIに関する深い知識がなくても簡単に小説を作成できます。適切な指示を出すことで、読者の心に響く、人間らしい文章が生成されます。

Grokに限らず、生成AIは小説執筆や画像・イラスト作成、動画作成などの創作活動を手助けしてくれる便利なツールです。使い方のコツを知り、より質の高い作品をAIと共に生み出しましょう。

Grokで小説を書く3つのメリット

Grokは質問に回答したり、アイデアを出したりするだけでなく、表現豊かな小説を書くこともできます。Grokで小説を書くメリットは下記の3点です。

これらのメリットに関して、詳しく見ていきましょう。

メリット①執筆時間の短縮

Grokで小説を書くメリットの1つが、執筆時間の短縮です。人が1から小説を執筆すると、特に長編の物語を書く場合には膨大な時間がかかります。しかし、AIを活用することで時間を劇的に短縮させられます。

アイデアが思い浮かばず書き始められないときは、アイデアの提案から任せることも可能です。例えばストーリーが決まらないときや、続きの展開に悩んだときに相談してみると、すぐに複数の案を提示してくれます。Grokを上手く利用することで執筆が止まる時間を短くできます。

また、Grokに作成してもらった文章の内容に矛盾がないか、確認も可能です。人の目では見落としてしまう間違いもAIは見落とさないため、効率よく短時間で推敲作業が行えます。

メリット②多様な切り口のアイデア

Grokを使用することで、自分では思い浮かばないようなユニークなストーリーや展開の作品が生まれます。長時間考えているのに一向にアイデアが浮かばないときもあるでしょう。そんなときの救世主となるのがAIです。

「ミステリー系」「恋愛もの」「すっきりしない終わり方」など、曖昧なイメージを伝えるだけで複数のアイデアを提案してくれます。ジャンルを指定しなければ、それぞれ異なるジャンルでのアイデアが提示されます。話の展開が予想外の方向に進んだり、意外な設定案が出されることもあるでしょう。1人でずっと考えても思いつかない奇抜な展開や斬新なアイデアで、ワクワクする小説ができあがります。

メリット③表現の幅が広がる

Grokを使用することで、「表現が単調すぎる」「他の言い回しにしたい」と悩んだときに、より表情豊かな表現が可能です。小説を書いていて悩むであろう表現や言い回しも、AIの力を借りることで解決します。

Grokは指示に応じて多様な言い回しの文章を生成可能です。「言い方を変えて」「別の表現を提示して」「もっと叙情的な文体で」などと指示してみてください。具体的にどのような雰囲気にしたいか提示することで、多様な表現が提案されます。この提案によって、感情表現や情景描写が洗練され、魅力的な文章にすることができます。

また、本文全体の雰囲気を最初に指定しておくことで、Grokはそのトーンに合わせた文章を一貫して生成します。その結果、統一感ある小説が作成されます。

Grokで小説を書く前に行う準備

Grokは非常に高性能なAIですが、単に「小説を書いて」と指示するだけでは高品質な小説は書かれません。AIに最大限の力を発揮してもらうためには、いくつかの準備が必要です。

その①：ジャンルや世界観を決める

まず重要なことは、小説のジャンルと世界観を明確に決めることです。どのような物語を紡いでいくか、話の舞台を設定します。ここが決まらないと、具体的なストーリーやキャラクター設定は作成できません。

上記のようなジャンル・物語の舞台などをまずは大雑把に決めていきます。ご自身で決められない、または思い浮かばない場合は、思い浮かんだキーワードを入力してみてください。

すると、AIがいくつかの面白そうな案を提案してくれます。

その②：あらすじや流れを組み立てる

ジャンルと世界観が決まったら、次はあらすじやおおまかな話の流れを組み立ててください。物語が始まるきっかけや展開、特に目立たせたい一番盛り上がるシーン、最終的な結末など、話の進み方を整理しましょう。ここで決める内容が、物語の軸となっていきます。

具体的には、下記のような内容です。

話の流れを整理しておくと、この後Grokに出す指示が明確になり、書きたい話に沿った物語が生成されやすくなります。

その③：登場するキャラクターの詳細を設定する

物語の流れが決まった後は、登場する主要キャラクターたちの設定を考えていきます。キャラクターが魅力的でないと、展開が面白くても物語は単調になりがちです。

まずは、名前や年齢・性別・性格・見た目など基本的なプロフィールを決めます。見た目に関しては、身長や体格・髪の色・瞳の色などできるだけ詳細に考えましょう。それから、一人称や口調・思考の癖・他キャラクターとの関係性・背景なども決めておくといいでしょう。

ここまで詳細に決めることでキャラクターの言動に説得力が生まれます。この後AIに指示を出すことを考えて、簡潔な言葉でわかりやすいようにまとめることが重要です。

その④：設定した内容を基にプロンプトを作成する

①〜③で物語の基盤が作成されました。いよいよ、決めた内容をプロンプトに起こしていきます。プロンプトとは、AIに出す指示のことです。

プロンプトには、ここまで決めてきたジャンルや舞台、あらすじ、キャラクター設定の全てを記載します。簡潔でわかりやすいプロンプトを作成することで、その内容に適した物語を生成します。曖昧な表現があると、キャラクターに違和感を感じたり、話の展開がずれることもあるため注意してください。構成に沿った物語を作成するためにも、プロンプト作成は丁寧に行いましょう。

プロンプト作成のポイント

GrokにAIっぽくない、人間らしい文章を作成してもらうためのプロンプトを作成するには、いくつかのポイントがあります。それが下記の3点です。

それぞれのポイントを、具体的に解説していきます。

設定と内容を詳細に書く

Grokに考えた物語を正確に生成してもらうためには、事前に決めた内容を詳細に記載することが不可欠です。

例えばこのように記載していきます。

世界観： 舞台は22世紀の日本。環境汚染により都市は腐食したため、人々は地下にて生活している。そこで人々はAIによる厳格な管理下におかれている。しかし、一部のレジスタンスは地上への回帰を目指している。

ストーリー：主人公はスーパーで働いているカイ。ある日、彼は古いデータチップを発見した。そこには地上に残された人類の希望に関する情報が隠されていた。カイはその情報を巡って政府から追われる身となったが、レジスタンスと接触して協力し合いながら真実を追い始める。

登場人物：
カイ（21歳、男性、物怖じしない性格、正義感強め、口癖は『やってやる』）
政府の監視官セロ（30歳、男性、論理的で冷酷、カイの行動を徹底的に監視する）
レジスタンスのリーダー・リン（28歳、女性、情熱的で行動力がある、元研究者）

このように詳細に書くことで、Grokは書くべき内容を明確に理解します。そして、この記載通りに物語が展開していき、一貫性のあるストーリーを生成してくれます。

形式や構成を忘れずに提示する

Grokに出す指示は、物語の詳細だけでなく、文字数や構成・形式なども重要です。何文字程度の作品にしたいか、ストーリーをどのように分割して章分けするか具体的に記載しましょう。イメージしている通りに話を展開していくためには、細かく丁寧な条件提示が必要不可欠です。

このように各項目を詳細に提示することで、Grokは想定通りの文章を作成してくれます。

具体的かつ簡潔な文章を意識する

プロンプトを作成するコツは具体的に書くことですが、1文が長すぎたり複雑だと、AIが正確に処理できないことがあります。ポイントとしては、具体性と簡潔性を両立させることです。

このように一文を短くし、必要事項のみに絞って記載することで、Grokが指示を正確に把握して文章作成に反映させます。

実際にGrokで小説を書いてみた

ここで、実際に私がGrokを使用して作成した小説を紹介します。プロンプトと、実際に生成された文章を提示するので参考にしてみてください。

作成したプロンプト

こちらが、実際に作成したプロンプトです。

下記設定をもとに、小説いて。
ジャンル：日常ほのぼの
舞台：現代日本の都会

文字数3000字程度の短編小説。
※章分けは無し。
夕花の一人称視点で文章執筆。
ありふれた日常の一幕を描写する、自然な文章で。
感情を丁寧に描写して。

登場人物：
湖白夕花（22歳、女性。身長155cm。小柄。ミディアムロングの黒髪をお団子結びしている。どこにでもいるようなごく普通の女性。内向的で自分の意見を伝えることが苦手。周囲に流されやすい。控えめで少しおどおどした話し方。）
小坂（27歳、男性。身長178cm。筋肉がついてるけどぱっと見ではわからない、すらっとしてる。静かで冷静。見た目はどこにでもいそうな、感じの良い好青年。ちょっとぶっきらぼうな話し方だけどその裏に優しさや思いやりがある。）

あらすじ：
その日、夕花は夜遅くまで残業をし液労困憊。
帰宅してから夕食を作る気力なんてないが、お腹は空腹を訴えている。
どこかで軽く食べられないだろうかと、駅前周辺をうろうろ歩く。
そこで見つけた、昔ながらのご飯屋さんを思い出させる店に惹かれて、夕花は店に入った。
こじんまりしたお店で、男性（小坂）が一人で回している。
夕花は、久しぶりに食べた誰かの手作りご飯のぬくもりとホッとする優しい味に疲れを癒される。
すると、小坂が夕花のテーブルに小鉢を一つおく。
夕花はそのおかずを注文していない。
そこで行われる、困している夕花とぶっきらぼうな小坂のやりとり。
小坂は口下手だけどお客のことをよく見ていることがわかった夕花。
居心地の良さとホッとする味付けのご飯、小坂の優しさに、夕花はまた来ようと決める。
美味しいごはんで疲労回復した夕花は、入店して来た時とは異なる、軽い足取りで店を出
る。
これで明日からの仕事も頑張れると思いながら、帰宅するために駅へ向かう。

印象付ける場面：
注文して出てきた定食を見たときの夕花の驚きと、実際に口に入れたときの感動。
ぶっきらぼうな小坂との、思いやりや優しさが透けて見える会話

実際の文章

上記プロンプトをもとに、実際に作成された文章がこちらです。冒頭部分のみ掲載します。

夜の都会は、昼の題が感のように静かだ。ビルの灯りがちらちらと願き、駅前の通りを歩く私の足音だけが、コンクリートに小さくきく。残業でくたくたになった体は、まるで重い荷物を
背負っているみたい。頭の中は霧がかかったようにほんやりして、帰宅してから夕食を作る気力なんて、どこにも残っていない。それでも、お腹は正直にぐうぐうと鳴り続けている。

「どこかで、軽く何か食べられないかな.......」

駅前をうろうろしながら、コンビニの明かりやチェーン店の看板を眺めるけど、どれもピンとこない。もう少し、温かいものが食べたい。誰かが作ってくれた、ほっとするようなご飯。そんなことを考えながら歩いていると、路地の奥に小さな明かりが見えた。古びた木の看板に、シンプルに「ごはんや」と書かれている。ガラス戸越しに覗く店内は、こじんまりとしていて、どこか懐かしい雰囲気。実家で母が夕飯を用意してくれていた頃の記憶が、ふっと頭をよぎる。

「.....ここ、いいかも」

私は少し迷ったけど、意を決してガラス戸を引いた。チリン、と小さな鈴が鳴る。店内はカウンターが五席と、二人掛けのテーブルが二つ。壁には手番きのメニューが貼られ、カウンターの奥では男性が一人、然々と何か作業をしている。白いシャツに黒いエプロン、すらっとした背中。
たぶん、この人が店を切り盛りしているんだろう。

「いらっしゃい」と、男性が振り返る。声は低めで、ちょっとぶっきらほう。日が合うと、私は反射的におどおどしてしまう。

「あ、えっと、こんばんは......あの、一人、です」

「どうぞ、好きな席に」彼はそう言うと、すぐに背を向けて調理を再開した。感じのいい、でもどこかクールな印象。見た日は普通の好青年って感じなのに、口調に少しトグがあるような気がして、私はちょっと緊張してしまう。

カウンター席に座り、壁のメニューを眺める。焼き魚定食、親子丼、肉じゃが......どれもシンプルで、家庭的な料理ばかりだ。どれにしようか迷っていると、お腹がまた小さくった。恥ずかしくて、思わず周りをキョロキョロ。男性は気づいていないみたいで、ほっとする。

「えっと......焼き魚定食、お願いします。サバで」

「了解。ちょっと待ってて」彼はそう言うと、慣れた手つきで魚を焼き始めた。ジュウジュウという音と、ほのかに漂う醤油の香りに、疲れた体が少しずつほぐれていく気がする。

待っている間、店内をそっと見回す。木のテーブルは少しがついていて、でもそれが妙に落ち若く。カウンターには小さな植木が置かれ、緑の葉が揺れている。テレビもBGMもない、静かな空間。聞こえるのは、キッチンから°く包丁の音や、魚を焼く音だけ。都会の真ん中なの
に、ここだけ時間がゆっくり流れているみたいだ。

しばらくして、男性がトレーを持ってやってきた。
「はい、焼き魚定食」そう言って、テーブル
に定食を置く。ご飯、味噌汁、サバの塩焼き、小鉢にひじきの煮物と漬物。シンプルだけど、丁車に並べられた料理は、まるで絵本の中の定食みたいだ。

「わ........、すごい

プロンプトで指定したあらすじに沿って、主人公の一人称視点で彼女の性格も反映した文章が生成されました。情景描写も丁寧にされており、指示通りの文体で表現されています。

Grok以外の小説執筆ができるおすすめ生成AI４選

ここでは、Grok以外で小説の執筆ができる生成AIの紹介です。それぞれが異なる特徴や強みを持っているため、書きたい小説のスタイルや目的に合わせて選びましょう。以下にいくつかの例を挙げておきます。

ここで挙げたものはあくまでも一部であり、他にも小説執筆が可能な生成AIが多数あります。実際に使用してみて、使いやすいものを見つけてください。

Grokで小説を書く上での3つの注意点

Grokなどの生成AIを使用した小説執筆はメリットが多く非常に便利ですが、注意すべき点がいくつかあります。それが下記の3点です。

注意点①無料版の回数制限

Grokはいくつかのバージョンがありますが、無料版では利用回数に制限があります。現在の最新版はGrok4ですがこれは有料プランのみ量可能です。無料版はGrok3で、Grok3では2時間に20回程度まで利用可能です。

アイデアを考えたり、小説の一部を作成する場合はこの制限内でも概ね十分です。しかし、長編小説を書く際には足らなくることもあります。時間が経てば制限はリセットされますが、その間は作業が進まず時間がもったいなく感じることもあるでしょう。

無料版でも基本的な小説執筆における作業は行えるため、まずは無料版を試してみてください。使用しているうちに回数制限をなくしたいと思ったら、有料版への移行を検討しましょう。

注意点②データの保存

Grokは生成した文章を一時的に保存しますが、永続的ではありません。ブラウザを閉じたり、再起動をかけた後に消えてしまっている可能性があることに注意が必要です。

システム上自動保存にはなっていますが、過信しすぎないようにしましょう。文章が消えたら困る場合は、WordやGoogle ドキュメントなどの外部ファイルにコピーして保存することがおすすめです。

注意点③著作権問題

Grokに限らず、AIで作成した物には著作権問題が絡んできます。AIは多数のデータを読み込んで学習しているツールです。そのため、意図しないところで既存の作品と同様のものができあがってしまう可能性があります。

現在の日本の法律では、生成AIの作成物に対する著作権は明確に定められておらず、その時々によって判断が異なります。もし著作権を侵害してしまった場合は、損害賠償請求や差止請求を受けることがあると知っておいてください。このような事態に陥らないよう、事前に利用規約には目を通しておきましょう。作成した生成物も自身の目で確かめ、既存のものと酷似していないかしっかり確認が必要です。とくに、SNSや小説投稿サイトへの投稿を考えている人は、著作権侵害に当たらないように細心の注意を払いましょう。

まとめ：今日からGrokで表現豊かな小説執筆

本記事では、Grokで小説を執筆するコツを解説しました。

内容をまとめると下記の通りです。

Grokを使用することで、誰でも簡単に表情豊かな描写の小説を執筆できます。ぜひこの記事を参考に、魅力的な小説を執筆して創作活動に励んでください。