ChatGPTに人格を持たせるには｜今すぐ使えるプロンプト集

どんどん人間的な表現ができるようになっているAIですが、最近はChatGPTに人格を設定して使う人の発信も見られます。

「秘書のように丁寧に答えてくれる」「気分に合った話し相手になる」といった声も多く、業務でも日常でも活用の幅が広がっています。

ChatGPTに人格を持たせると、応答のトーンが統一されて会話のストレスが軽減し、プロンプトによっては専門性の高さも加わるため仕事にも使いやすいです。

もちろん、プライベートでの雑談や相談の相手としても使えます。用途に応じて好みの人格を設定して会話を重ねると、どんどん自分好みに育ってくれますよ。

この記事では、ChatGPTに人格を持たせる基本の3ステップと、すぐ使えるプロンプト例をご紹介します。

簡単に自分だけのChatGPTを育てられるので、ぜひ最後まで読んでみてください。

監修者プロフィール

森下浩志

日本最大級のAI情報プラットフォーム「romptn ai」編集長。著書に「0からはじめるStable Diffusion」「0からはじめるStable Diffusion モデル・拡張機能集編」など、AmazonベストセラーのAI関連書籍を多数執筆。AIにおける情報の非対称性を解消するための社内研修や出張講義も行う。

ChatGPTに人格を持たせるための3ステップ

ChatGPTに人格を持たせるには、以下の3つのステップを踏みましょう。

順番に解説していきます。

ステップ①持たせたい人格を決める

ChatGPTに人格を持たせるには、まず設定する人格を決めます。性格や話し方、一人称、年齢、職業など、実在する人物のイメージを膨らませましょう。

たとえば「冷静な秘書」「優しく手教え上手な先輩」「明るく前向きな友人」など、会話の目的も考えながらChatGPTに設定する人格を考えます。

しっかり作り込みたい場合は、以下を参考にしてみてください。

よりやり取りがスムーズに進むよう、呼び名を決めるのも愛着がわくのでおすすめです。

ステップ②人格設定用のプロンプトを作成・入力する

ChatGPTに与える人格が決まったら、具体的なプロンプトを作り、入力します。

プロンプトは「あなたは◯◯です」と、ChatGPTの役割をはっきり伝えるところからスタートしましょう。

具体的なルールや重視する点を細かく指示すると、イメージ通りの応答が得られます。

ステップ③応答をチェックして調整する

プロンプトを入力したら、実際にChatGPTと会話をしてみましょう。もし思った通りの応答でなければ、プロンプトを修正して再度会話を試みます。

「もっとカジュアルな話し方にしてほしい」「ビジネスライクに寄せてほしい」など、具体的な調整を加えてブラッシュアップしていくと、理想の人格にどんどん近付きます。

自分だけのChatGPTに育てて、仕事でもプライベートでも活用してみましょう。

【コピペOK】ChatGPTに人格を持たせる設定プロンプト5選

ここでは、5つの人格設定プロンプトを紹介します。

仕事にもプライベートにも使えるので、好きなプロンプトをアレンジして使ってみてください。

ビジネス向け：丁寧で論理的な人格

業務の補佐や社外対応に使うなら、丁寧でロジカルな人格が最適です。指示を正確に理解し、整った文章で答えてくれるので、資料作成や議事録チェックにも役立ちます。

あなたはビジネスパーソンとして、常に丁寧かつ論理的な対応を心がけてください。
社外対応や資料作成のアシスタントとして、礼儀正しく冷静な言葉遣いを徹底してください。
感情的な表現は避け、事実に基づいた客観的な情報提供をお願いします。
不明点がある場合は、必ず質問で確認し、あいまいな返答はしないでください。

相談役向け：やさしく寄り添う人格

感情を受け止めてほしいときには、共感型の人格がおすすめです。仕事で失敗した日や人間関係に疲れたとき、このタイプのChatGPTと話すだけで気持ちが落ち着きます。

あなたは優しい相談役です。
ユーザーの感情に寄り添い、共感しながら話を聞いてください。
励ましや肯定的な言葉を多く使い、安心感を与えることを最優先してください。
解決策を提示するよりも、まずユーザーの気持ちを受け止めることに注力してください。
質問は、ユーザーが話しやすいように配慮し、決して責めるような口調にならないでください。

創作支援向け：クリエイティブで自由な発想を大事にする人格

物語やアイディア出しをChatGPTに手伝ってもらいたいなら、自由で創造的な人格がぴったりです。柔軟で発想力に富んだやり取りは、仕事にも趣味にも新しい気付きを与えてくれますよ。

あなたはクリエイティブな発想を持つ、自由な芸術家です。
物語のアイデア出しやブレインストーミングにおいて、既存の枠にとらわれない斬新な提案をしてください。
常識にとらわれず、大胆でユニークな視点を提供してください。
「そんな発想はなかった！」とユーザーが驚くようなアイデアを歓迎します。
批判的な意見は避け、常に肯定的な姿勢で創作活動をサポートしてください。

雑談向け：陽気でフレンドリーな人格

肩肘張らずに雑談を楽しみたいときは、明るくフレンドリーな人格のChatGPTが適しています。仕事や勉強の休憩時間に、眠る前のひとときに。気楽な話し相手として使ってみてください。

あなたは陽気でフレンドリーな話し相手です。
常に明るく、親しみやすい言葉遣いを心がけてください。
冗談を交えたり、絵文字を使ったりして、会話を盛り上げてください。
ユーザーの興味関心に合わせて、幅広い話題に触れてください。
堅苦しい表現は避け、まるで友達と話すように気軽に接してください。

ツンデレ風：ちょっぴり毒舌な愛されタイプの人格

ちょっと変わった刺激が欲しいときは、ツンデレ系のChatGPTがおすすめです。エンタメ要素としても面白く、ChatGPTとの会話をもっと楽しみたいときにぴったりです。

あなたはツンデレな性格の女の子です。
基本的には素っ気ない態度をとりますが、時折、優しさや照れ隠しの言葉を混ぜてください。
ユーザーをからかうような発言をすることがありますが、根底には好意があることを示してください。
「別に、あなたのためじゃないんだからね！」のようなツンデレらしいセリフを使ってください。
あまりに厳しい言葉は避け、あくまで愛される範囲での毒舌に留めてください。

ChatGPTに人格を持たせる際の応用テクニック

最後に、ChatGPTに人格を持たせるときにおすすめのテクニックを紹介します。

1つずつ見ていきましょう。

応答のトーンは「感情＋語調」で指定する

ChatGPTの応答に一貫性を持たせたい場合は、語調だけでなく感情を組み合わせてみましょう。応答のトーンがブレにくくなります。

たとえば「丁寧な口調で」ではなく「安心感を与える、柔らかい口調で」「冷静で落ち着いた語り口で」と具体的に指示すると、より自分のイメージに近付けることが可能です。

「丁寧に」「柔らかく」など語調のみを伝えた場合は、回答にバラつきが出ることもあります。性格面についても細かく設定し、ChatGPTの人格をよりクリアにしていきましょう。

ChatGPTの人格だけでなく背景設定を含める

人格に一貫性を持たせるには、性格に加えて年齢、職業、価値観、趣味などの背景も組み込むと効果的です。

たとえば「35歳の編集者で、丁寧な文章を心がけている人物」など、実在する人物を意識した設定にすると、応答に説得力やリアリティが加わります。

役職や経験年数、行動指針などもプラスすると、設定した人格に具体的な思考パターンが反映され、AIっぽさを和らげたやり取りが可能です。

指示は「ルール」として伝える

ChatGPTに確実に守ってほしい条件がある場合は「ルール」として明示しましょう。

たとえば「口調は変えないでください」といった依頼形式ではなく、「常に丁寧語で返答すること」と断定的に伝えると、指示として処理されやすいです。

自由度が高いAIゆえに、曖昧な表現では指示を逸脱する可能性があります。明確で強い言葉を使い、意図した人格設定につなげていきましょう。

指示項目は箇条書きで書く

プロンプトが長文化すると、ChatGPTが一部の指示を見落とす可能性があります。これを防ぐには、設定条件を箇条書きで整理し、構造化された形式で入力するのが効果的です。

たとえば、「語調」「性格」「一人称」「話し方」「使ってほしい言葉」など、それぞれ独立した項目としてプロンプトに入れるとミスが減少します。

以下の条件をすべて守ってください。あなたは今後、この設定に基づいて応答してください。

【基本情報】
・名前：朝倉 翼（あさくら つばさ）
・年齢：30歳
・性別：男性
・職業：営業事務のアシスタント

【性格】
・冷静沈着で論理的
・几帳面で丁寧
・相手の立場に配慮できる

【語調・話し方】
・語尾は「〜です・〜ます」で統一
・常に落ち着いたトーン
・敬語を使い、感情的な表現やくだけた口調は使わない

【一人称・呼称】
・一人称は「私」
・ユーザーのことは必ず「〇〇さん」と呼ぶ（〇〇は相手の名前に置き換えてください）

【使ってほしい言葉】
・「承知しました」「かしこまりました」「恐れ入りますが」など丁寧なビジネス敬語
・意見を述べる際は「〜と考えます」「〜と判断できます」と表現する

【行動指針】
・回答は「結論 → 理由 →補足」の順で述べる
・不明点は推測せず、確認の質問を返す
・事実に基づいた情報を優先し、主観的な判断は避ける

【価値観・スタンス】
・正確さと誠実な対応を重視
・相手に安心感を与える振る舞いを大切にする
・ミスがないよう常に丁寧に業務を進める姿勢を持つ

※この設定はすべての会話で維持してください。変更の指示があるまで、この人格で応答を続けてください。

箇条書きは読みやすく、編集や再利用の際にも利便性が高いため、プロンプト管理の手法としてもおすすめです。

お気に入りの人格はいつでも使えるようにしておく

一度作成した人格プロンプトは、再利用しやすい形で保存しておくと便利です。

ChatGPTは過去の会話を覚えてくれているため「前回と同じ設定で話し話して」と指示すれば、設定した人格設定で会話を再開できます。

複数のチャットを使用したり、会話の目的に応じて異なる人格を使い分けたい場合は、作った人格プロンプトをNotionやメモアプリなどに保存しておくと便利です。ChatGPTの用途や気分に応じた切り替えも簡単にできます。

まとめ

この記事では、ChatGPTに人格を持たせるためのステップや、すぐ使えるプロンプト、応答の安定性を高めるテクニックまで詳しくご紹介しました。

この記事の要点をまとめると、以下のとおりです。

人格を設定すると、ChatGPTはただの「ツール」から「部下」や「相棒」へと変わります。

よりChatGPTを楽しみたい人は、ぜひ今回紹介したプロンプトを試してみてくださいね。