AIイラスト判定サイト3選！自力で見分ける4つのコツも解説

Web記事に使うイラストがAI生成か分からず、手が止まってしまうことはありませんか。特に業務では、権利トラブルを避けるためにも、その見極めは重要ですよね。

もし、信頼できる判定サイトと、あなた自身の目でAIイラストを見抜く「鑑定眼」の両方を手に入れられるとしたら、どうでしょうか。

この記事では、AIイラスト判定サイトを3つ紹介します。ツールを使う注意点や、自力でAIイラストを見抜くポイントについても解説するので、ぜひ参考にしてください。

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監修者プロフィール

森下浩志

日本最大級のAI情報プラットフォーム「romptn ai」編集長。著書に「0からはじめるStable Diffusion」「0からはじめるStable Diffusion モデル・拡張機能集編」など、AmazonベストセラーのAI関連書籍を多数執筆。AIにおける情報の非対称性を解消するための社内研修や出張講義も行う。

AIイラストの判定サイト3選

AIか人間が描いたものかを手軽に判断したい場合、専用の判定サイトが役立ちます。ここでは、個人でも気軽に無料で利用できる、おすすめのAIイラスト判定サイトを3つ紹介します。

AI イラストチェッカー

「AI イラストチェッカー」は、日本の個人開発者が制作した、イラスト判定に特化したツールです。特に、アニメ風のイラスト生成で人気の「NovelAI Diffusion」で生成された画像の検出精度が高いという特徴を持っています。

サイトは完全に日本語に対応しており、アカウント登録も必要ありません。判定したい画像をアップロードするだけで、誰でも手軽に無料で利用できます。Webサイト版のみでアプリはありませんが、シンプルな操作で扱いやすい点が魅力と言えるでしょう。

このような手軽さから、特に個人で活動するイラストレーターや同人作家の方、またNovelAIで生成されるようなアニメ風イラストの判定をしたい場合に適しています。

生成AI画像チェッカー

「生成AI画像チェッカー」は、東証プライム上場の株式会社ユーザーローカルが開発した判定ツールです。C2PAデータやSynthIDといったメタデータを解析することで、画像の真贋を判定します。

このツールの強みは、AI生成である可能性に加えて、どのAIモデルで生成されたかまで特定できる点です。サイトは完全に日本語対応で、無料で利用可能です。

高い信頼性と詳細な分析機能から、コンテンツの権利関係に厳格なメディア・出版関係者や、企業の法務・知的財産担当者など、ビジネスシーンでの利用に適しています。

Hive Moderation AI-Generated Content Detection

「Hive Moderation AI-Generated Content Detection」は、アメリカのHive社が開発した包括的なAI判定ツールです。イラストや写真だけでなく、テキスト、動画、音声といった多様なコンテンツのAI生成判定に対応しています。

機械学習モデルにより、人間が作成したコンテンツとAI生成コンテンツの微細な差異を検出します。 Webサイト版のほかにChromeの拡張機能版もあり、Web上の画像を右クリックするだけで即座に判定できる手軽さが魅力です。

イラストだけでなく動画やテキストなど幅広いコンテンツを扱うグローバルメディア企業や、SNS運営者、様々なフォーマットでコンテンツを制作するクリエイターにとって心強いツールとなるでしょう。

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判定サイトを使う前に知っておきたい3つの注意点

AIイラスト判定サイトは便利ですが、その結果を鵜呑みにするのは危険です。ツールを使う上で、事前に理解しておくべき注意点を3つ解説します。

これらのポイントを押さえることで、より的確に判断できるようになります。

①判定精度は100%ではないことを理解する

最も重要な注意点は、判定サイトの精度が100%ではない点です。サイトの結果は、あくまでアルゴリズムによる確率的な推測であり、確定的な証拠にはなりません。

最新の高度なAI技術で生成されたイラストは、ツールが対応できずに「人間が作成した」と誤判定する可能性があります。逆に、人間のイラストが「AI生成の可能性が高い」と判定されるケース（偽陽性）も存在します。

②未公開の作品や機密情報を含む画像はアップしない

無料のオンラインツールに画像をアップロードする際は、データの取り扱いに注意が必要です。 サイトの利用規約によっては、アップロードした画像がAIの学習データとして再利用される可能性もゼロではありません。

業務で扱うクライアントの未公開イラストや、社外秘の情報が写り込んだ画像を安易にアップロードすると、情報漏洩のリスクがあります。また、コンテスト応募前の個人的な作品なども、公開前にアップするのは慎重になるべきです。

安心して利用するために、ツールの利用前にはプライバシーポリシーや利用規約に目を通す習慣をつけましょう。

③最終的な判断は人の目で行う

判定サイトは補助的なツールと位置づけ、最終的な判断は必ず自分自身の目で行いましょう。 ツールによる機械的な判定結果と、後述する「自力で見分ける方法」を組み合わせることで、総合的に判断するのが基本です。

もし一人での判断に迷う場合は、同僚や上司など第三者の意見を求めることも有効なリスク回避策です。ツールの判定結果がどうであれ、そのイラストを使用すると決定した責任は、最終的に使用者自身にあることを忘れないでください。

ツール不要でAIイラストを見分ける4つの方法

判定サイトの結果だけに頼らず、自分自身の「鑑定眼」を養うのも重要です。ここでは、ツールを使わずにAIイラストを見分けるための、実践的な4つのチェックポイントを紹介します。

①「手」や「指」の構造的な違和感を見る

AIは人体の複雑な構造の理解が苦手です。特に「手」や「指」の描写に不自然な点が出やすい傾向があります。

例えば、以下の画像のように、一見すると自然に見えても指の数が多かったり、関節の構造がおかしかったりすることがあります。

他にも、以下のような物理的にありえない描写がないかを確認しましょう。

一見して違和感がなくても、これらのポイントを意識してじっくり観察するのが重要です。

②細部の整合性が取れているかチェックする

イラスト全体を引いてみるだけでなく、アクセサリーや服の柄、小物といったディテールに注目してみましょう。一見すると高品質なイラストでも、細部に論理的な破綻が見つかることは少なくありません。

以下のイラスト例では、人物の服の一部がもう一人の人物と不自然に融合してしまっています。

このように、左右でイヤリングのデザインが違う、ネックレスのチェーンが途中で消えている、といった矛盾点を探すのが有効です。こうした細部のチェックは、SNSなどで見かけた「本当にこの人が描いたのかな？」と疑問に思ったイラストを判断する際にも役立ちます。

③文字が意味不明な記号でないか判別する

イラストに含まれる「文字」に注目するのも、分かりやすい見分け方です。AIは文字の「形」を模倣するのは得意ですが、その「意味」までは理解していません。

例えば、こちらのイラストをご覧ください。背景の看板やTシャツの文字が、読めそうで読めない、意味不明な記号になっているのがわかります。

このような「偽テキスト」は、AI生成である有力な証拠になります。本の表紙や商品のパッケージ、街の風景など、文字情報が含まれやすいイラストは特に注意深くチェックしてみましょう。

④光と影の方向が統一されているか確かめる

少し上級者向けかもしれませんが、光と影の付き方に矛盾がないかを確認する方法も効果的です。まず、イラスト全体の光源（太陽や照明など）がどこにあるかを意識します。

このイラストのように、窓からの光が当たっているにもかかわらず、人物の影の方向が光源と一致していないケースは、AI生成を疑うポイントになります。

他にも、1つの物体なのに複数の光源があるかのように影が不自然に多かったり、瞳に映る光（キャッチライト）が光源の位置と合っていなかったりする点も要チェックです。物理法則を無視した光と影の表現は、AI生成物によく見られる特徴の一つです。

AIかどうかを見極めて使いこなすには無料セミナーがおすすめ

この記事で解説したAIイラストの見分け方は、いわばAIに対する「守りのスキル」です。しかし、これからのビジネスでは、AIをただ警戒するだけでなく、積極的に使いこなす「攻めのスキル」を持つ人材が求められます。

例えば、Webメディア編集者であれば、以下のような日常業務をAIで大幅に効率化できます。

とはいえ、多忙な中で独学でAIスキルを学ぶのは難しいと感じるかもしれません。そこでおすすめなのが、AI活用のプロが実務で使えるノウハウを解説するSHIFT AIの無料セミナーです。

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AIイラストと賢く付き合ってコンテンツの質を高めよう

AIイラストを手軽に判定できるサイトから、自力で見分ける具体的なコツ、そしてツールを利用する上での注意点まで詳しく解説しました。

この記事の内容をまとめると次のようになります。

AIをただ怖がるのではなく、その特性を正しく理解し、賢く付き合っていく心がまえが重要です。この記事を参考に、日々の素材選びにおける時間短縮とリスク回避を実現し、より質の高いコンテンツ制作につなげていきましょう。