「社労士はオワコン」「食えない資格」といった言葉を目にして、社労士資格の取得に不安を感じていませんか?
結論から言えば、社労士はオワコンではありません。むしろAI時代だからこそ、人にしかできない業務が重要視されているのです。
この記事では、「社労士はオワコン」と言われる理由を探りつつ、AIの進化が社労士の仕事にどのような変化をもたらすのかを解説します。
さらに、AI時代に選ばれる社労士になるための戦略も徹底的に紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください!
- 社労士がオワコンと言われる理由
- AIで変わる社労士の仕事
- 社労士を活かせる働き方
- AI時代において選ばれる社労士になるために必要なこと
「社労士はオワコン」と言われる3つの理由
「社労士はオワコン」という声が聞かれる背景には、3つの理由が挙げられます。
- 求人に比べて資格取得者が多い
- 開業しても稼げないというイメージがある
- AIやクラウドの普及で業務の自動化が進んでいる
1つずつ見ていきましょう。
求人に比べて資格取得者が多い
近年、社労士の資格取得者は増加傾向にあります。厚生労働省によると、令和6年度の社会保険労務士試験合格者は2,974名でした。これは、士業の中でも比較的合格者数が多い部類です。
【令和6年度における主な士業の合格者数】
資格名 | 合格者数 |
行政書士 | 6,165人 |
税理士 | 5,762人 |
社会保険労務士 | 2,974人 |
公認会計士 | 1,603人 |
司法試験 | 1,592人 |
中小企業診断士 | 1,516人 |
司法書士 | 737人 |
弁理士 | 191人 |
一方で、求人の数は資格取得者の増加に追いついているとは言えません。特に未経験者向けの求人は限られており、狭き門となっています。
こうした状況から、「資格を取ったものの仕事が見つからない」という人が増え、「社労士はオワコン」というイメージにつながっているのです。
開業しても稼げないというイメージがある
「食えない士業」という言葉を耳にしたことがある人もいるかもしれません。社労士も「開業しても稼げないのでは?」と思われる傾向です。
開業した場合の厳しさがクローズアップされ、ネガティブな印象が一人歩きしている可能性もあるでしょう。
社労士全体で見ると、年収の全国平均は903万円と決して低くありません。
どの士業にも共通する点ですが、開業するにしろしないにしろ、成功するには専門性を磨き、顧客を獲得するための営業努力やブランディングが必要です。
AIやクラウドの普及で業務の自動化が進んでいる
社労士がオワコンと言われる大きな要因が、AIやクラウドシステムの普及です。
勤怠管理システムや給与計算ソフトなど、便利なツールが次々と登場し、手作業だった業務の多くが、自動化されつつあります。
例えば、入退社の手続きや社会保険の申請書類作成といった定型的な業務は、クラウドサービス上で処理できるようになっています。こうした利便性の向上が「社労士の仕事がAIに奪われるかも」という懸念を生んでいるのです。
しかし、これは社労士の仕事がなくなるという意味ではありません。むしろ、定型業務から解放され、より高度で専門的な業務に集中できるチャンスと考えるべきでしょう。
AIの進化によって社労士の仕事はどう変わるのか
AIの進化で、以下の業務に変化が生まれています。
- 入退社手続き
- 勤怠管理
- 労務データの集計と分析
詳しく見ていきましょう。
入退社手続き
社会保険の申請、36協定などの書類作成を含む入社・退社手続きは、多くの時間を要する定型業務です。しかし、クラウドソフトやRPAの導入で劇的に効率化が進んでいます。
技術の進化によって、社労士は煩雑な書類作成業務から解放され、より複雑なケースの対応に時間を割けるようになります。
単なる事務作業の代行ではなく「スムーズな入退社のサポートで従業員のエンゲージメントを高める」といった、戦略的な役割を担えるようになるのです。
勤怠管理
勤怠管理も、AIやクラウドシステムによって効率化できています。
従業員の出退勤時刻の記録はもちろんのこと、残業時間や有給休暇の取得状況も自動集計が可能です。年末調整の業務も一括処理が可能となり、社労士の負担軽減につながっています。
社労士は、システムから正確な勤怠データを迅速に入手し、以下の施策提案に注力できます。
- 労働時間の管理
- 過重労働の抑制
- 有給消化の促進
社労士には「データを活用して健全な職場環境を構築する」という建設的な役割が今後強く求められるでしょう。
労務データの集計と分析
企業が持つ膨大な労務データ集計や分析も、AIの普及により短時間でできるようになりました。大量のデータを多角的に分析するのはAIの得意分野です。
AIを使って、離職率が高い部署や体調を崩しやすい従業員の傾向を洗い出せば、社労士はその結果をもとにスピーディーに改善策を提案できます。
AI技術によって、社労士は企業の経営戦略に深く関わる「人事・労務のコンサルタント」となるのです。
データに基づいた客観的な分析と、長年の経験から培った知見を組み合わせれば、より説得力のある提案ができます。企業からの信頼度も高まるでしょう。
しかし、AIがどれだけ進化しても、労務相談やハラスメント問題への対応など、個々の状況に応じたコミュニケーションは難しいものです。
社労士は、人間にしかできない仕事を通して、企業の健全性を高めていく担い手として期待されています。
社労士資格の費用対効果は人によって変わる
社労士資格の取得には、時間と費用が必要です。その投資に見合うリターンが得られるかどうかは、人によって違います。努力の量はもちろんですが、選んだ働き方によっても変わります。
試験の合格に必要な時間と費用
社労士試験の合格に必要な勉強時間は1,000時間程度と言われており、合格率は例年6%〜7%台と、かなり低いです。受験費用は15,000円で、他にテキストや問題集などの教材費、試験地までの交通費などもかかります。
時間的・金銭的な負担は決して軽くありません。しかし、この難易度の高さが、資格の希少性と価値を高めているとも言えます。
社労士の取得後に得られる収入とキャリア
社労士資格取得後の収入とキャリアパスは、働き方によって異なります。
働き方 | 説明 |
企業の人事・労務部門 | 資格手当が支給される昇進・昇給のチャンスが多い |
社労士事務所 | 社労士としての現場経験を積める開業を目指すためのステップとして有効 |
独立開業 | 個人の営業力・専門性・顧客数によって収入が変動する 開業当初は不安定な状態が続く可能性がある |
社労士資格は、転職や昇進のカードとなるだけではなく、キャリアの選択肢を広げ、多様な働き方を実現するためのものでもあります。ここからさらに詳しく見ていきましょう。
社労士資格を活かせる働き方のパターン
社労士は、取得後のキャリアパスが多様な資格です。ライフスタイルや目指す働き方に応じて、最適な道を選べます。
企業の人事・労務部門でスキルを活かす
社労士資格は、企業の人事・労務部門において高く評価されます。
企業内社労士として、自社の労務管理や社会保険の手続き、就業規則の策定・改定、人事制度設計など、幅広い業務に関われるでしょう。
特に、従業員数が多い大手企業、働き方が多様なIT企業、法務体制の構築が急務なベンチャー企業などで社労士のニーズが高まっています。安定した収入を得ながら、自社の成長に貢献するやりがいが感じられる働き方です。
社労士事務所で実務経験を積む
「まずは実務経験を積みたい」「独立開業の前にノウハウを学びたい」という人には、社労士事務所への勤務がおすすめです。
社労士事務所では、複数の顧問先企業の労務管理や手続き代行、労務相談など、実践的な業務を経験できます。
法律知識だけでなく、顧客対応、営業、事務所運営のノウハウなど、独立開業に役立つさまざまなスキルの習得が可能です。
独立や副業で自分らしい働き方をつくる
社労士資格は、独立開業や副業といった自由な働き方を実現できます。独立を選んだ場合、自分の事務所を構え、営業活動を通して顧客を獲得し、サービスを提供します。
専門分野を特化させたり、地域密着型で事業を展開したりと、自分の得意分野や興味関心に合わせてビジネスの構築が可能です。
オンラインでの顧問契約や、Web会議を活用した遠隔サポートも一般化しており、場所にとらわれずに全国の企業をクライアントにできます。
また、社労士として副業する道もあります。
休日を利用して特定の企業の顧問業務に従事したり、スポットで労務相談を受けたりと、柔軟な働き方が叶います。SNSでの情報発信を通じて、見込み顧客との接点づくりも可能です。
独立や副業は、収入の不安定さや自己責任といった側面もあります。しかし、自分の裁量で仕事を進められる自由さ、お客様から直接感謝される喜びは大きな魅力です。
AI時代に選ばれる社労士になるために必要なこと
AIが進化する現代において、社労士として長く活躍するためには、以下のポイントを押さえておく必要があります。
- 業務効率化のためにデジタルツールを使いこなす
- 他の分野と掛け合わせて専門性を高める
- 情報発信やセルフブランディングで信頼を得る
1つずつ見ていきましょう。
業務効率化のためにデジタルツールを使いこなす
社労士に求められるのは、労務の知識だけではありません。デジタルツールを積極的に活用し、業務を効率化できる能力が必須です。
自動化の手段 | 自動化される業務の例 |
クラウドシステム | 入退社の手続きや社会保険の申請がネット上でできる出勤・退勤・残業の記録を自動で集計する |
RPA | 定型書類の作成をロボットが代行する給与計算やExcelへの入力などの繰り返し作業を実行する |
生成AI | 労務相談の文案や制度の説明文を下書きする就業規則の見直し案をまとめる |
デジタルツールを使いこなせれば、社労士は今よりもさらにスピーディーかつ正確に業務を進めて、サービスの品質を向上させられるでしょう。
他の分野と掛け合わせて専門性を高める
AIが定型業務を代替する時代だからこそ、他の分野との掛け合わせで独自の価値提供が必要です。特定の分野に関する深い知識と経験を武器に、他の社労士との差別化を図らなければなりません。
分野の例 | 特徴・メリット |
IT | クラウド労務・RPA・AIなどの導入支援ができるスタートアップやIT企業からのニーズが高い |
人材育成・キャリア支援 | 社員研修や定着支援までカバーできる |
メンタルヘルス | 休職・復職支援やハラスメント対応における専門性が高まる |
ライティング | 法改正や助成金の情報をわかりやすく発信するブログ・SNS・YouTubeで集客や信頼構築が可能 |
外国人雇用・語学スキル | 外国人労働者の雇用手続き・労務対応に強くなるグローバル企業や製造業からの依頼増加が期待できる |
経理・会計・税務知識 | 経理上のルール整備や助成金の申請がスムーズに進められる |
興味がある、または得意な分野と社労士の専門知識を掛け合わせれば、自分だけの強みを生み出し、優位性も確立できます。
情報発信やセルフブランディングで信頼を得る
情報があふれる時代の中で、顧客に選ばれる社労士になるためには、積極的な情報発信が欠かせません。専門性や人間性をアピールし、信頼を築くことが大切です。
以下の方法で、労務に関する解説や法改正に関する情報を発信すると良いでしょう。
- SNS
- YouTube
- 個人ブログ
- 自社のWebサイト
情報発信を通してどのように価値を提供できるのかを伝え、セルフブランディングを確立すれば、選ばれる社労士に近付けます。
「AIに仕事を奪われる」という話を聞いたことはありませんか?
実際に、多くの職種でAIによる自動化が進んでいます。
でも安心してください。AIを「敵」ではなく「味方」にする方法があります。
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まとめ
いかがでしたでしょうか?
社労士がオワコンと言われる理由や、AI時代に生き残るための方法について解説しました。
この記事のまとめは以下のとおりです。
- 「社労士はオワコン」と言われる背景にはAIの進化や開業・就職の厳しさがある
- AIによって社労士の定型業務が時短できるため人間独自の業務に集中できる
- AI時代に選ばれる社労士になるためにはAIスキルや他分野との掛け合わせが必要
社労士の仕事は決してオワコンとは言えません。AIで業務効率化できる今だからこそ、ヒューマンスキルの重要性が見直されています。
賢くAIを使って、これからの時代に対応できる社労士を目指していきましょう。
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