ChatGPT o3-miniをわかりやすく解説!制限されて使えなくなった?

ChatGPT

「ChatGPT o3-mini」って結局何なの?

AI技術の進化が加速する中で、OpenAIが発表した「ChatGPT o3-mini」は注目を集めています(正確には OpenAI o3-miniといいます)。

しかし、機能が複雑で結局何がスゴいのかがわかりにくい…

そんな方のために、専門家でなくてもわかりやすいように解説します。

数学、コーディング、化学の分野に強い

先行モデルよりも24%早い応答率

推論に特化している

・実質$5で使用可能。

本記事では、o3-miniの基本的な機能や活用方法、他モデルとの違いをわかりやすく解説します。初めて聞いた方にも理解できるように、実例や比較データを交えて紹介していきます。

監修者プロフィール
森下浩志
日本最大級のAI情報プラットフォーム「romptn ai」編集長。著書に「0からはじめるStable Diffusion」「0からはじめるStable Diffusion モデル・拡張機能集編」など、AmazonベストセラーのAI関連書籍を多数執筆。AIにおける情報の非対称性を解消するための社内研修や出張講義も行う。

生成AIの進化は速く、日々新しいAIツールが登場しています。「ツールが多すぎて、どれを使えばいいか、わからない」といった悩みもあるでしょう。

romptn aiが提携する「SHIFT AI」では、ChatGPTなどのAIツール活用法を紹介するセミナーを定期的に開催しています。

無料で参加できますので「最新のAIツールを知りたい」方は、ぜひ下記よりお気軽に申し込んでみてください!

\累計受講者10万人突破/

ChatGPT o3-miniとは?

ChatGPT o3-miniは、「OpenAI o3-mini」が正式名称です。

OpenAIが2025年1月31日に一般公開したAIモデルです。特に「推論」に特化しています。

OpenAIのサイトで有料で使うことができる

2025年6月現在、このモデルは無料版では使えません。

OpenAIの「APIプラットフォーム」といった有料プランの中で提供されています。

また、ChatGPTでは有料プランに入っていても、意図的にo3-miniを指定することはできません。

ChatGPT o3-miniの特徴

ChatGPT o3-miniは開発者や研究者に向いており、特にSTEM(科学・技術・工学・数学)分野での処理に強みがあります。

・数学:東大の数学問題でも解ける

・コーディング:コードの最適化やデバッグ作業が可能


OpenAIのベンチマークテストによると、従来のGPT-3.5と比べて最大24%速く応答する設計になっているということです。

ざっくり言うと、前のモデル(o1)よりも「高速で高度な推論ができるようになった」ということです。

また、3つの「推論レベル」(Low・Medium・High)を選択でき、用途に応じて精度とスピードを使い分けることができます。

ChatGPT o3-miniの性能の詳細

STEM分野におけるベンチマーク結果

STEM(科学・技術・工学・数学)分野でのベンチマークでは、o3-miniはGPT-3.5よりも安定した正解率を出しています。

STEM…Science, Technology, Engineering and Mathematicsの頭文字

出典:『OpenAI o3-mini』OpenAI, 2025年1月

たとえば、MATH(数学の難問セット)やHumanEval(コーディングの課題セット)では、GPT-3.5に対して+5〜10%の改善が見られたといいます。

人間による評価結果

人間による評価(Human Ratings)でも、特にSTEM分野で高評価を得ています。

ただ、日常会話のような自然な文章は『GPT-4o』に軍配が上がるようです。

また、o3-miniは音声・画像・テキスト・感情認識には対応していません。学術に特化したモデルと言えるでしょう。

レイテンシとパフォーマンス

レイテンシ(応答速度)も短く、APIでの利用時は1.2秒〜1.5秒程度で応答が返るため、業務利用でもストレスが少なく使えます。

レイテンシ: o3‑mini は、o1‑mini よりも最初のトークンまでの時間が平均2500ミリ秒高速です。

『OpenAI o3-mini』OpenAI、2025年1月 ※日本語訳済み

o3-miniの活用方法(実例付き)

ChatGPT o3-miniは、日常的なAIチャットというよりも「正解を導き出す」ことに特化しています。

使用方法(2025年6月現在)

ChatGPT o3-miniは、2025年現在はOpenAIのAPIプラットフォーでのみ使用できます。

まずは右上の「Sign up」をクリックします。Googleアカウントで簡単にログインできます。

ログインすると、プラットフォームのトップ画面が表示されます。

続いて、左側サイドバーの「Models」をクリック。すると、o3-miniが表示されるのでクリックします。

次に、支払情報入力の画面が出ますので入力します。

o3-miniは一定の使用量まで無料で使えますが、最初だけ$5の入金が必要になります!

OpenAIに対して情報共有することを承認すれば、1日250万トークンまで無料で使えます。

支払情報の入力が済みましたら、実際に使ってみましょう。

o3-miniの画面の右上「Try Playground」をクリックすると、会話画面が表示されます。

プログラミングのサポート

たとえば、Pythonでコードの出力をo3-miniに依頼すると、数行で即座に生成してくれます。

命令文:Pythonで「特定のCSVファイルからデータを抽出してグラフにする」ようなコードを出力してください。

以下は、pandasとmatplotlibを利用してCSVファイルからデータを抽出し、グラフを描画するサンプルコードです。

なお、CSVファイルには例として「Date」(日付)と「Value」という列があるものとし、適宜ファイル名や列名を変更してください。


#!/usr/bin/env python3

– coding: utf-8 –

import pandas as pd import matplotlib.pyplot as plt

def main(): # CSVファイルのパスを指定(例:data.csv) csv_file = “data.csv”

# CSVファイルを読み込み
try:
    data = pd.read_csv(csv_file)
except Exception as e:
    print(f"CSVファイルの読み込みに失敗しました: {e}")
    return

# 読み込んだデータの先頭5行を表示(デバッグ用)
print(data.head())

# データ内に必要なカラム(例:'Date'と'Value')が存在するか確認
if not set(["Date", "Value"]).issubset(data.columns):
    print("CSVファイルに必要なカラムが存在しません。")
    return

# Date列を日付型に変換(必要な場合)
data["Date"] = pd.to_datetime(data["Date"], errors="coerce")

# 日付の昇順にソート(任意)
data = data.sort_values("Date")

# グラフの作成
plt.figure(figsize=(10, 6))
plt.plot(data["Date"], data["Value"], marker="o", linestyle="-", label="Value")
plt.xlabel("Date")
plt.ylabel("Value")
plt.title("日付と値の推移")
plt.legend()

バグが発生した際にもエラーメッセージを入力すれば、その原因を論理的に推定し、修正方法まで提示します。

調査・リサーチ業務の効率化

o3-miniには検索機能も付いているので、リサーチ用途でも活躍します。

たとえば「生成AIの2024年時点での法規制と各国の対応策を要約して」と入力すれば、ソース付きで整理された情報を出力します。

2024年時点では、生成AIの法規制は国ごとに異なる対応が進められています。

EUはAI法案によりリスク評価や透明性を強化、米国は包括連邦規制はなく州や業界の自主規制・監視で対応、中国は国家安全や情報統制の観点から厳しい管理体制を敷いています。

日本は著作権やプライバシー保護に注視し、産業界と連携したガイドライン策定を進めています。 【

参考】欧州委員会公式サイト/FTC報告書/中国政府発表/経済産業省資料

※各出典は最新情報に基づく一般的な文献・公式発表を参考としています。

STEM分野の問題解決

たとえば「物理の電磁誘導の問題」や「大学数学の微積分」など、専門性の高い課題に対しても的確な解説が可能です。

下記は2024年の東大理系数学入試問題の一つです。

次の関数 f(x)f(x) を考える。f(x)=∫01∣t−x∣1+t2dt(0≦t≦1)f(x)=∫01​1+t2∣tx∣​dt(0≦t≦1)

  1. 0<α<π40<α<4π​ を満たす実数 αα で,f′(tan⁡α)=0f′(tanα)=0 となるものを求めよ。

――解説がかなり長いので中略――

【結論】 条件 f′(tan α)= 0 となる、0 < α < π/4 の実数 α は π/8 である。

【答え】   α = π/8.

この回答はわずか30秒ほどで出てきました。

こうした用途では、教育機関や技術職のリサーチ業務にとって有力なツールとなっています。

他のモデルとの比較

GPT-4oとの違い

ChatGPT o3-miniとGPT-4oは、どちらもOpenAIが開発したAIモデルですが、性能・目的・使用場面に明確な違いがあります。

項目GPT-4o(4o)o3-mini
開発目的高性能な万能AI軽量で高速なAI
賢さ(性能)非常に高い(GPT-4並)やや低め(GPT-3.5以下)
マルチモーダル対応(画像・音声)あり(画像・音声・動画OK)なし(テキストのみ)
処理スピードやや遅いが正確とても速いが簡易的
使用用途複雑な作業、文章生成、翻訳などシンプルな応答、組み込み用途
利用可能な場所ChatGPT(無料&有料)、APIAPI(組み込み用途がメイン)
モデルの大きさ大規模(高精度)小規模(低負荷)

翻訳、文章作成のような、文章に自然さが要求される分野ではGPT-4oの方が有利なようです。

一方で、学術(STEM)分野ではo3-miniの方が優れていると言えます。

GPT-4oは自然で流れるような文章生成に優れており、o3-miniは論理性や構造を重視する分野に強いです。


Claude・Geminiとの比較

Claude(Anthropic)との比較

Claude 3シリーズは長文読解に強く、10万字以上の文書も扱える点が特長です。

たとえば顧客データや行動履歴データ、販売データなどを分析して、売れ筋商品を分析することも可能です。

一方で、o3-miniは長文処理ではやや劣ります。

Gemini(Google)との比較

GeminiはGoogleの強みである検索連携が特長です。リアルタイム性や多言語情報へのアクセスに優れています。

一方、o3-miniはWeb検索機能もありますが、バージョンが古く最新のGeminiと比べ様々な機能で劣ります。

まとめ:o3-miniはOpenAIのサイトで使える

ChatGPT o3-miniは、OpenAIの公式サイトでに登録することで利用できます。

最初の登録時に$5(約700円)の入金が必要ですが、OpenAIに対して情報を共有することに同意すれば、1日250万トークンまで無料で使用可能です。

「最近使えなくなった?」という声もありますが、これはChatGPTでの利用が制限されているだけで、有料プランでは引き続き利用可能です。

romptn aiが提携する「SHIFT AI」では、AIの勉強法に不安を感じている方に向けて無料オンラインセミナーを開催しています。

AIを使った副業の始め方や、収入を得るまでのロードマップについて解説しているほか、受講者の方には、ここでしか手に入らないおすすめのプロンプト集などの特典もプレゼント中です。

AIについて効率的に学ぶ方法や、業務での活用に関心がある方は、ぜひご参加ください。

\累計受講者10万人突破/