指定した色と生成された画像の色が一致しない、そんな経験はありませんか?
赤や黄色を指定しても、意図とは異なる色の画像が生成されることが…。
しかし、その問題を一気に解消する魔法のような拡張機能をご紹介しましょう!
その名も色を指定する『CutOff』機能です。
今回の記事は『CutOff』について詳しく解説しています。ぜひとも参考にしてください!!
Stable Diffusionで色指定する方法:『CutOff』とは
Stable Diffusionは、AI技術を活用して画像を生成するツールとして非常に人気があります。
このツールを使用すると、ユーザーは簡単な指示を与えるだけで、高品質なイラストや画像を生成することができます。
しかし、多くのユーザーが直面している問題の一つは、指定した色と生成された画像の色が一致しないことです。
例えば、赤い髪や黄色い服を指定しても、生成された画像の色が異なる場合があります。
この問題を解決するための拡張機能が『CutOff』です。
『Cutoff』は、色指定の精度がUPするAUTOMATIC1111版web UIのエクステンションとして提供されています。
このエクステンションの主な機能は、「Cutting Off Prompt Effect」を行うことです。
これにより、指定した色が正確に反映されるようになります。
具体的には、『Cutoff』はStable Diffusionの「Extensions」メニューから利用できる拡張機能の一つです。
この拡張機能を使用すると、イラストの色移りを防止することができます。
普通にイラストを生成すると、思いどおりの配色にならないことが多いですが、『Cutoff』を使用することで、プロンプトの指示がより正確に反映される可能性が高まります。
Cutoffの主な機能
- 色の指定: Cutoffを使用すると、生成する画像の特定の部分の色を指定することができます。これにより、Stable Diffusionがランダムに色を選択するのを防ぐことができます。
- Target tokens: この機能を使用して、色を指定したい部分のキーワードを入力します。例えば、”blue hair”や”yellow shirt”などのキーワードを指定することができます。
- 強度の調整: Cutoffの影響の強さを調整することができます。一般的には0.5から0.7の範囲で設定することが推奨されています。
『CutOff』のリポジトリについて
『CutOff』は以下の「Github」に格納されています。
Stable Diffusionで色指定する方法:『CutOff』の導入方法
ここからは画像を参照しながら、『CutOff』の導入方法を解説します。
①「Extensions」タブを開く。
②「Install from URL」を選ぶ。
③「URL for extension’s git repository」に以下のURLを入力し、「Install」をクリック。
https://github.com/hnmr293/sd-webui-cutoff.git
④インストール後、WebUIをリロードしてTxt2imgタブ画面の下部に『Cutoff』があれば導入完了。
- Stable Diffusionのプロンプトの見本が知りたい
- 画像生成が思ったようにできない
- 色々なプロンプトを探したい
Stable Diffusionで色指定する方法:『CutOff』の使い方
①『CutOff』機能を有効化する
「txt2img」タブ画面の下部にある「Cutoff」の「◀︎」をクリックして、「Enabled」というチェックボックスがあるので、そこチェックをすれば「Cutoff」が有効になります。
『Cutoff』有効化
②ターゲットトークンを入力する
ターゲットトークンに指定したい色の単語をを入力します。
通常はプロンプト内に使用した色の呪文(プロンプト)をカンマ区切りで指定します。
たとえば、以下の呪文(プロンプト)を使用したとしましょう。
プロンプト
masterpiece, beautiful, a woman, curly black short hair, white t-shirt, red eyes, on the green background
次に、色に関する呪文(プロンプト)だけを抜き出し、ターゲットトークンに入力します。
black , white, red , green
色の呪文(プロンプト)だけが入力された「Target tokens (comma separated)」画面
③『CutOff』の設定を行う
ここでは詳細な設定を行うための項目を確認をしましょう。
「Details」タブがあるのでそこにある「◀︎」をクリックするとより詳細な設定ができます。
設定項目の一覧は以下の通りです。
- Enabled:Cutoffを有効化する
- Target tokens (comma separated):影響範囲を限定したい単語を羅列。多くの場合色名になるようです。(例:black , white, red , green )
- Weight:Cutoffの強度を調整できます。-1〜2の範囲で設定可能です。デフォルトでは0.5に設定されています。
- Disable for Negative prompt:ネガティブプロンプトにCutOffを適用するか決めます。デフォルトではONに設定されています。
- Cutoff strongly:Cutoffの作用が強力に働きます。デフォルトはOFFです。
- Padding token (ID or single token):targetトークンの代わりにどのトークンを使うか指定します。デフォルトは空欄です。
- Interpolation method:「Lerp/SLerp」の2択です。デフォルとは「Lerp」。「Lerp」では「Cutoff」の働きが悪いときに「SLerp」を試しましょう。
- Debug log:デバッグ用ログをコマンドプロンプトに出力するかを設定します。「Cutoff」の働きが悪いときにオンにすると効果が変わることがあります。
必要に応じて項目を使い分けましょう。
④呪文(プロンプト)を入力する
『Cutoff』の設定をしたら、通常通りプロンプトとネガティブプロンプトを入力して画像を生成しましょう。
最後に、『Cutoff』を使用していない画像と使用したときの画像を比較してみましょう。
プロンプト
masterpiece, beautiful, a woman, curly black short hair, white t-shirt, red eyes, on the green background
ネガティブプロンプト
(worst quality:2), (bad anatomy:2), bad face,(moles:2), out of focus, blurry, nsfw, nipples
『Cutoff』を使用していない画像
『Cutoff』を使用した画像
『Cutoff』を使用したほうが、背景のグリーンが正確に反映されています。
これだけでも充分に導入する価値があります。
『CutOff』を使いこなすコツ!
とても使い勝手のよい『CutOff』ですが、まったく注意事項がないわけではありません。
ここからは、『CutOff』を上手に使うために、2つのコツをご紹介します。
①過去の設定情報は「PNG Info」で確認できる
「PNG Info(ピングインフォ)」とは、生成した画像から、そのとき使用した呪文(プロンプトや)や設定を確認できる機能です。
「PNG Info(ピングインフォ)」の使い方については、こちらのページを参照してください。
確認できる項目は以下になります。
- プロンプト
- ネガティブプロンプト
- ステップ数
- サンプラー
- CFGスケール
- シード値
- Width
- Height
- モデル名
残念ながら、「Cutoff」の設定を確認することができませんでした。
ただし、他の設定は確認できるため、覚えておけば今後の画像生成の役に立ちます。
②短い呪文(プロンプト)を入力するほど効果が高い
これまで使用していた呪文(プロンプト)を以下のプロンプトに変更してみました。
masterpiece, beautiful, a woman, curly black short hair, white t-shirt, red eyes, on the green background, black skinny, full body
生成された画像がこちらです。
少し呪文(プロンプト)を増やしただけで、画像に大きな乱れが生じてました。
その後も何度か呪文(プロンプト)を変えて生成してみましたが、うまくいきません。
結論として、「Cutoff」使用時に呪文(プロンプト)が長いと画像が上手に生成されないめ、呪文(プロンプト)は短く設定することをおすすめします。
『CutOff』が上手く使えない場合の対処法
時折、『Cutoff』が期待通りに動作しない場合があります。
そのような場合以下は、そのような場合の対処法を行いましょう。
- 生成画像の問題: 生成された画像が破損している場合や、期待した結果と異なる場合があります。このような場合、『Weight』の値を変更するか、補間方法をSLerpに変更してみてください。詳細は、Stable DiffusionのUI内の「Details」セクションで確認できます。
- 特定のトークンの影響: 『Cutoff』は、指定したトークンの影響範囲を制限するためのものです。しかし、特定のトークンの影響が意図しない部分に及んでしまうことがあります。この問題を解決するために、指定したトークンをpadding tokenに書き換えることで、その影響を取り除くことができます。
- プロンプトの影響範囲: あるトークンが特定の部分だけに影響を及ぼすようにしたい場合、『Cutoff』の「Cutoff strongly」オプションを利用することで、その影響範囲を制限することができます。このオプションは、デフォルトではオフになっていますが、元の画像に近い結果を得たい場合はオンにすることをおすすめします。
- カラーコードの指定: Stable Diffusionで色を指定する際、色の名前だけでなく、カラーコード(hexやrgb)を使用することが考えられます。しかし、一部のユーザーはカラーコードを使っても期待した結果が得られないと報告されています。このような場合、色の名前を使用して指定するか、異なるカラーコードを試してみることをおすすめします。
参考:https://github.com/hnmr293/sd-webui-cutoff
まとめ
いかがでしたでしょうか?
Stable Diffusionで色指定する方法:『CutOff』について解説してきました。
今回のポイントをまとめると、以下のようになります。
- 『Cutoff』は画像に色の効果を指定する拡張機能。
- 一度導入すれば、後の使用はとても簡単。
- 『Cutoff』の働きが悪いときは、『Cutoff』の詳細な変更を試みる。
『CutOff』は、Stable Diffusionの持つ色の問題を解消するための素晴らしい拡張機能として、多くのクリエイターにとって必須のツールとなるでしょう。
色の一致に関する悩みを持つ方々には、この拡張機能がまさに救世主となることでしょう。
今回の記事がクリエイティブな活動のより色鮮やかで正確に表現につながれば幸いです!
- Stable Diffusionのプロンプトの見本が知りたい
- 画像生成が思ったようにできない
- 色々なプロンプトを探したい