2025年4月15日、AnthropicのAIアシスタント「Claude」に待望の新機能「Research」と「Google Workspace連携機能」が追加されました。さらに5月1日には機能強化され、最大45分かけて包括的なレポートを作成できる「Advanced Research」へと進化しています。
今までのClaudeはWeb検索ができないことが最大の弱点でしたが、この新機能によって、インターネット上の最新情報を検索するだけでなく、Googleドライブのファイルやメール、カレンダーなど社内情報とも連携して、より実用的なタスクをこなせるようになりました。
本記事では、Claude Researchの基本から使い方、活用事例までを徹底解説していきます!
- Claude Researchとは?できること
- Claude Researchの料金プラン
- Claude Researchの使い方・Google Workspaceとの連携方法
- Claude Researchを使う際の注意点
Claude Researchとは?
Claude Researchは、AnthropicのAIアシスタント「Claude」に追加された、情報検索・分析に特化した機能です。ただのWeb検索だけではなく、複数の情報源を横断的に調べ、ユーザーの質問に対して包括的な回答をしてくれます!
2025年4月の初期リリースから5月の機能強化までの間に、Researchは以下の3つの主要機能を備えるようになりました。
- Web検索機能:インターネット上の最新情報を検索し、Claudeの知識カットオフ(2024年10月)以降の情報も含めた回答が可能
- Google Workspace連携:Gmail、Googleカレンダー、Googleドライブなどと連携し、社内情報を含めた検索・分析が可能
- Advanced Research機能:最大45分かけて包括的な調査を行い、引用付きのレポートを生成
Research機能は、今までのチャットボットの枠を超えて、自律的(エージェント的)に情報検索・分析を行うAIアシスタントのような機能を持っているんです。特に重要なのは、得られた回答には検証可能な引用情報(ソース)が添えられることで、情報の信頼性を確認できる点です。
Anthropicによれば、この機能は「数時間かかる調査作業を数分で終わらせる」ことを目標としており、情報収集と分析の効率化に大きな貢献が期待されています。
Claudeのどのモデルでリサーチ機能が使える?料金プランは?
Claude Researchは現在、一部の有料プランでのみ利用可能です。2025年5月現在の提供状況は以下の通りです。
プラン名 | 月額料金(税込) | Web検索機能 | Research機能 | Advanced Research機能 |
---|---|---|---|---|
無料プラン | 0円 | × | × | × |
Proプラン | 約3,300円/月 | 〇 | ×(近日提供予定) | ×(近日提供予定) |
Maxプラン | 約16,500円/月 | 〇 | 〇 | 〇 |
Teamプラン | 約5,000円/月 | 〇 | 〇 | 〇 |
Enterpriseプラン | 要問い合わせ | 〇 | 〇 | 〇 |
Research機能は現在、アメリカ、日本、ブラジルのMax、Team、Enterpriseプランでベータ版として提供されています。Web検索機能は有料プランでは自動的に有効になっています。
そして、2025年5月2日には、AnthropicからClaudeに新機能「Integrations」と「Advanced Research」の追加が発表されました。こちらの機能は近日中に、より手頃なProプランでも利用可能になる予定です。新機能をいち早く試したい方は、Maxプランへの移行を検討してみてください!
※ClaudeのMaxプランについては、下記記事で詳しく解説しています!
Claude Research機能でできること5選!
Research機能を活用すれば、様々な情報収集や分析タスクを効率化できます!以下に、具体的な活用例を5つ紹介します。
できること①:学術論文や専門資料の検索
Research機能は、学術論文や専門的な資料を探すのに非常に便利です。大学の研究論文や学術雑誌などを効率良く見つけられ、検索結果には情報の出どころ(ソース)も表示されるため、安心して使えます。
とくに優れている点は、専門家によるチェック(査読)を受けた、信頼性の高い論文が多く見つかる点です。また、自分の作業中の情報やテキストとウェブの情報を両方検索できるので、特定のテーマについて、より広く深く調べられます。
例えば「生成AIが創造性に与える影響に関する最新研究を教えて」と質問すれば、査読済み論文から最新のニュース記事まで、幅広い情報を収集・整理してくれます。

できること②:企業の市場調査・競合分析
Reearch機能は、学術的な情報を調べるだけでなく、ビジネスの現場で非常に役立ちます。とくに、マーケティングや事業戦略を考えるときに、この機能を使えば、より深く、正確な情報をもとにした意思決定が可能になります。
たとえば、ある業界の市場動向について詳しく調べたいとき、Research機能を使えば、その業界に特化した専門的な調査レポートを作成できるのも長所です。

また、競合する企業がどのような特許を取得しているか、最近どのような技術を開発しているかなども、学術的な視点から分析できます。この情報は、今後の事業戦略を立てる上で非常に重要です。
できること③:教育コンテンツ・教材作成のサポート
Research機能はビジネスだけでなく、教育の現場でも非常に役立ちます。とくに、教師や講師が授業や講義の教材を作成する際にResearch機能を活用すればより質の高い授業づくりが実現可能です。
たとえば、どのような教え方が生徒の理解を深めるのに効果的か、最近の研究結果をもとに把握できます。これにより、自分の授業スタイルや教材を、最新の教育理論に合わせて見直せるのも利点です。
また、Research機能は、学ぶ対象となる学生の年齢やレベルに合わせて、分かりやすい説明やたとえ話を提案してくれるのも大きな特徴です。
「高校生に量子力学の基本的な考え方を教えるための授業計画を作りたい」といったリクエストを出せば、Research機能は、高校生にも理解しやすい形での教材や指導案を提案してくれます。

できること④:Google Workspaceと連携した業務効率化

Google Workspace連携機能を活用すれば、日常業務を大幅に効率化できます。例えば、以下のようなケースで活用できます。
- 会議議事録の要約と関連タスクの抽出
- メールの内容を分析して優先度の高いものを特定
- 過去のドキュメントから特定の情報を検索して新しい企画書作成に活用
- カレンダーとメールを連携して最適な会議日程を提案
これにより、部署をまたぐプロジェクトでは、メンバーのメールやドキュメントから関係する情報をまとめたり、業務報告メールからやるべきアクションを整理したりして、タスク処理効率化を実現可能です。
できること⑤:最新情報を含む包括的レポート作成
Advanced Research機能を使えば、最大45分かけて、より包括的なレポートを生成できます。その情報源はユーザー自身のドキュメントや連携したアプリなどの内部データ、またはインターネット上のデータの場合もあります。モデルはリクエストを小さなタスクに分割して個別に処理し、最終的にレポートをまとめます。
例えば「2025年のAI市場の動向と投資戦略について調査して」といった複雑なリクエストでも、業界レポート、企業分析、市場予測などを組み合わせた包括的な分析レポートを作成できます。通常なら数時間かかる調査も、最大45分で完了するため、意思決定のスピードが劇的に向上しますよ!

Claudeの検索機能「Research」の使い方
では、実際にClaude Researchを使うための設定方法と基本的な使い方を解説します!
まず、有料プランには自動的にResearch機能が適用されるので、特別な設定は不要です。
Google Workspace連携の設定方法
続いてClaudeとGoogle Workspaceを連携するには、操作はとてもシンプルで、たったの3ステップです。
STEP 1:設定の画面に移動する
チャット画面の左側メニューから、2つ目のアイコン(設定)をクリックします。
「設定」メニュー内の「Drive」欄にある[連携/連携させる]ボタンをクリックしましょう。

STEP 2:連携したいGoogleアカウントを選ぶ
新しいウィンドウでGoogleアカウントの選択画面が表示されます。
複数のGoogleアカウントを持っている場合は、Claudeと連携させたいアカウントを選択してください。

企業や学校などのGoogleアカウントを使う場合、管理者による事前承認が必要な場合があるので注意しましょう。
STEP 3:ログインし、アクセスを許可する
選択したアカウントでログインすると、Claudeがアカウントの情報へアクセスしてよいかの確認画面が表示されます。
「許可」ボタンをクリックしてアクセスを許可すれば、連携は完了です!
Googleドライブだけでなく、GmailやGoogleカレンダーとの連携も同様の手順で設定可能です。

一度アクセス許可を出せば、複数のGoogleサービス(Drive・Gmail・Calendar)にまとめて連携されます。
Research機能の使い方
Research機能は以下の2つのステップで利用できます。
1:「リサーチ」モードを選択する
Claudeのプロンプト入力欄にあるメニューから「ウェブ検索」がオンになっているか確認します。

2:リサーチしたいプロンプトを入力する
リサーチしたい内容をプロンプト入力欄に記入します。例えば、以下のようなプロンプトを入力できます。
「生成AIの活用が企業の生産性に与える影響について、2023年以降の事例付きで調べてください」

このように質問を入力するだけで、Claudeが自動的にWeb検索を実行し、必要な情報を集めて回答を生成します。情報源も明記されるので、信頼性の確認も簡単です!

Advanced Researchの使い方
Advanced Research機能も基本的な使い方は同じですが、より複雑なリクエストや詳細な調査が必要な場合に活用します。入力したプロンプトの複雑さによって、Claudeは適切な調査時間(5〜45分)を自動的に判断します。
例えば次のようなより複雑なプロンプトを入力してみましょう。
「2025年のグローバルサプライチェーン動向について、特に半導体産業に焦点を当てて調査してください。地政学的リスク、主要企業の戦略、技術革新の影響について詳細に分析し、日本企業への示唆も含めたレポートを作成してください。」
このような複雑なリクエストでは、Claudeは最大45分かけて調査を行い、引用付きの包括的なレポートを作成します。調査中は「調査を進めています…」といった表示が出るので、完了するまで待ちましょう。

ClaudeとGoogleアプリとの連携でできること3選!
Google Workspace連携機能を活用した具体的な業務効率化の実例を3つ紹介します。
できること①:Googleドライブにある議事録からタスク整理&カレンダー登録
Googleドキュメントで作成した議事録をClaudeに読み込ませれば、内容をもとに会議参加者のタスクを自動的に整理できます。

なんと各参加者ごとの次回会議までのタスクスケジュールの図解化も可能です!
チーム全体の進捗管理も簡単です。また、議事録から抽出されたタスクは関連する会議資料へのリンクも含まれるため、必要な情報にすぐアクセスできるのも大きな利点です。
例えば「先週の企画会議の議事録から各メンバーのタスクを抽出し、優先度と期限付きでリスト化してください」といった指示が可能です。
できること②:Googleカレンダーを使った逆算的スケジュール作成
Claudeの新機能を活用して、Googleカレンダーの登録情報をもとに個人の学習計画も効率化できます。
GoogleカレンダーをClaudeに読み込ませ、仕事やプライベートが入っている日時を避けながら、1日1〜4時間の適切な勉強スケジュールを作成させることなどが簡単にできます!
例えば「資格試験まで3ヶ月あるので、Googleカレンダーの予定を確認しながら、週20時間の学習計画を立ててください。仕事の予定が入っている日は夜の学習時間を短くし、休日は集中的に学習できるようにしてください」といった指示が可能です。

できること③:Gmail×Googleカレンダーで打ち合わせ日程調整の返信文を作成
ビジネスマンにとって打ち合わせの日程調整は日常的な業務の一つですが、これもClaude連携機能で効率化可能です。
Gmailから受信した打ち合わせ依頼のメールをClaudeに読み込ませ、同時にGoogleカレンダーの予定も確認してもらえば、提案された日時の中から対応可能な候補を自動的に抽出できます!さらに、Claudeは先方に返信するための文章も作成してくれるため、丁寧かつ効率的な返信が可能です。
この方法を使えば、スケジュール調整の時間を大幅に短縮できるだけでなく、カレンダーを見ながら空き時間を探す手間も省けます。とくに予定が詰まっている忙しい時期には大きな助けとなりますね!
Claude Research機能を使う際の注意点

Claude Research機能を効果的に使うための注意点と対策を紹介します。
注意点①:応答に時間がかかることがある
Google Workspaceとの連携機能やWeb検索を使うと、通常の会話より応答に時間がかかる場合があります。とくに、複雑な内容を検索したときや、利用者が多い時間帯には、普段の会話より応答が遅く感じる可能性があります。
これは、Claudeが外部の情報にアクセスし、必要なデータを収集・整理しているためです。
急いでいるときは、以下の工夫をすると検索対象が絞られて、応答スピードが早くなる可能性があります。
- 具体的で明確な言葉を使う(「最近の気候変動対策」より「2025年日本の気候変動対策」)
- 検索したい内容を絞り込むキーワードを入れる
- 複雑な質問は単純なパーツに分解する
注意点②:トークン消費について
質問や検索内容があいまいだったり、テーマが広すぎたりすると、Claudeはできる限り多くの情報を集めようとします。
その結果、処理に時間がかかるだけでなく、使用されるトークン量(=AIが使う処理単位)も増えてしまう可能性があります。
質問や指示をできるだけ具体的にすることが大切です。
たとえば「マーケティングについて教えて」のようなような広い質問ではなく、「2025年に成功したDTC(Direct to Consumer)ブランドの事例を3つ教えて」のように、テーマや条件をはっきりさせると、効率良く必要な情報だけを得られやすくなります。
調べたい内容の期間や対象をあらかじめ指定しておけば、トークンの無駄な消費を減らした上で、よりスムーズに結果を取得可能です!
注意点③:Google Workspace連携について
Google WorkspaceとClaudeを連携すると、検索結果の取得やファイルの読み込みにトークンが使用されるため、消費量が増えるケースがあります。
とくに、大きなファイルや多くのファイルを扱うとトークンの使用量も増えるので注意が必要です。
検索クエリを具体的に絞るほど、無駄な検索を減らしたり、必要なファイルだけを選んで読み込んだりすれば、トークンを節約できます。
一度に大量のファイルを扱わず、段階的に情報を取得する方法も効果的です。
【FAQ】Claude Research機能に関するよくある質問
最後に、Claude Research機能に関してよくある質問に回答します!
- QResearch機能が表示されない/使えない場合の原因は?
- A
Research機能が使えない、または表示されない場合には、以下のような理由が考えられます。
- 対象プランでない場合:現在は有料プラン(Pro/Max/Team/Enterprise)のユーザーのみが利用できます。無料プランでは利用できません。(※2025年5月時点)
- 対象地域外で使用している:現在は日本、アメリカ、ブラジルのユーザーを対象にβ版として提供されています。その他の地域では利用できない場合があります。
- Web検索が無効になっている:Research機能を利用するには、Web検索機能をオンにしておく必要があります。設定画面でWeb検索が有効になっているかを確認してください。
上記の条件をすべて満たしているのに機能が表示されない場合は、Anthropicの公式ヘルプセンターを確認するか、サポート窓口に問い合わせることをおすすめします。
- QResearch機能は無料で使えますか?
- A
ClaudeのResearch機能は、2025年5月現在は無料で利用できません。
Anthropicの公式発表によると、Research機能は段階的に展開されており、まずは有料ユーザー向けにテスト提供されているとのことです。
今後、機能の安定性や性能が高まれば、より多くのユーザーにも開放される可能性はありますが、現時点では無料プランでは利用できません。
- Q日本語での使用感や精度はどうですか?
- A
Claudeは日本語にも対応しており、Web検索やResearch機能も日本語で利用可能です。
実際に使ったユーザーからは「日本語の画面でも問題なく使えた」「日本語で質問しても検索結果を引用して回答してくれた」といった声が寄せられています。
英語に比べると検索精度や情報量ではやや劣る部分もあるものの、日常的な質問や一般的な調査には十分対応できる性能があります。日本国内の情報も適切に取得できるケースが多く、安心して使えるレベルです!
まとめ
いかがでしたでしょうか?
Claude Researchは、ただのWeb検索機能にとどまらず、Google Workspaceとの連携や最大45分かけた詳細調査が可能な新しい機能でしたね!
本記事で紹介した内容をまとめると次のようになります。
- Claude Research機能は、Web検索と内部データを横断的に検索・分析できる強力な機能
- 現在はPro/Max/Team/Enterpriseプランのみで利用可能(日本・米国・ブラジル)
- Google Workspace連携により、Gmail、Googleドライブ、Googleカレンダーの情報を検索に活用可能
- 使用時は応答速度の遅延やトークン消費に注意し、具体的な指示をすることが重要
新機能をいち早く使いたい方は、Proプランより上の有料プランへの移行を検討してみてください。Claude Researchを活用して、情報収集の効率を高め、より質の高い意思決定や業務改善を実現していきましょう!