最近、オープンソース界の新星として注目を集めるLLM『Command R+』をご存知でしょうか?その驚異の性能と使い勝手の良さは、AI業界に革新をもたらすと期待されています。
本記事では、『Command R+』の基本的な使い方から料金体系、商用利用の可否まで徹底的に解説しますので、ぜひご自身のプロジェクトに活用してください!
Command R+とは?
2024年4月4日に、CohereForAIというAIスタートアップ会社から超高性能LLM(大規模言語モデル)『Command R+』が公開されました!
そして、Command R+はオープンソースでありながらも、プロプライエタリなモデルに引けを取らない精度と効率性を誇っています。これによって自然言語処理や文書生成、質問応答など、幅広いタスクで優れた結果を出すことができるのです。この驚異的な性能は、膨大なデータと最先端の深層学習技術の結晶と言われているんです!
さらに、Command R+は多言語対応にも優れています。日本語をはじめとする10カ国語をサポートしているため、グローバルなビジネス環境でも幅広く活用できます。ローカライゼーションや多言語コンテンツ生成など、言語の垣根を越えたAI活用が可能になるのです。
Command R+の主な特徴
Command R+には、以下の4つの特徴があります。
- 幻覚の減少に寄与する引用を組み込んだ高度な取得拡張生成 (RAG) 技術:Command R+は、高度な取得拡張生成(RAG)技術を採用しています。この技術は、モデルが生成する出力に引用を組み込むことで、幻覚(モデルが事実と異なる情報を生成すること)を減少させます。RAGは、関連する情報を外部ソースから取得し、それを生成プロセスに統合することで、より正確で信頼性の高い出力を可能にします。これによって、ビジネスシーンでの意思決定や情報共有の質が向上するのです。
- 世界的なビジネス運営をサポートするための10の主要言語に対応した多言語機能:Command R+は、グローバルなビジネス環境でのシームレスな活用を目指し、10の主要言語に対応しています。英語、日本語、中国語、スペイン語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語、アラビア語をカバーしており、世界の主要なビジネス言語をサポートします。この多言語機能により、国際的な企業や組織は、Command R+を用いて現地語でのコミュニケーションや文書作成を効率化できます。
- 高度なビジネスプロセスを効率化するツールの活用:Command R+は、高度なビジネスプロセスの効率化を促進するための様々なツールを提供しています。これらのツールは、Command R+の高い言語処理能力と統合されており、ユーザーは簡単な操作で複雑なタスクを簡単に実行できます。これにより、企業や組織はリソースを最適化し、生産性を向上させることができるのです。
- 128,000トークンの広範なコンテキストウィンドウを有する技術:Command R+は、128,000トークンという広範なコンテキストウィンドウを持つ技術を採用しています。これは、モデルが参照できる文脈情報の量が非常に大きいということです。広いコンテキストウィンドウにより、Command R+は長文や複雑な文書でも高い精度で理解し、適切な処理を行うことができます。この機能は、契約書の分析や学術的な研究報告書の要約など、大量の情報を扱うビジネスシーンで特に威力を発揮します。
そして、ビジネスの利用を促進するために、公開と同時にMicrosoft Azureでの使用が可能になっています。気になる方は、以下のサイトを参考にしてみてください!
Command R+の性能
Command R+の性能は、同じオープンソースモデルであるMistral-Largeを凌駕し、プロプライエタリなGPT-4 Turboに匹敵するレベルに達しているそうです。そして上記画像のように、多言語翻訳、RAG(取得拡張生成)、ツールの活用といった主要機能において、Command R+は際立った結果を示しているのです。
さらに、Command R+は優れたコストパフォーマンスも実現しています。Mistral-LargeやGPT-4 Turboと比べて、入力・出力トークンあたりのコストが格段に低く抑えられているため、ユーザーは経済的な負担を最小限に抑えつつ、高度な言語処理能力を活用できます。
結論としてCommand R+の真価は、高度なRAG技術に最適化されていることにあります。この技術により、エンタープライズレベルの信頼性と検証可能性を備えたソリューションを提供できるのです。ビジネスシーンで求められる精度の高い情報処理を、Command R+はしっかりと実現してくれます!
また上記画像のように、人間による総合的な評価においても、Command R+はClaude3 SonnetやGPT-4 Turboを上回る結果を示しています。テキストの流暢さ、引用の質、全体的な有用性といった観点で、Command R+の生成物は高く評価されています。
ウィキペディアやインターネットからの情報取得においても、Command R+は他のモデルを凌ぐ精度を誇っているそうです。HotpotQA、Bamboogle、StrategyQAといった検索ツールを用いた回答の正確さは、Command R+の優位性を明確に示しているのです!
Command R+の言語能力の高さ
上記画像のように、Command R+はそれぞれの言語において、GPT-4 TurboやClaude 3 Sonnetといった一流の似通ったモデルに匹敵する高い能力を発揮するのです。
英語、日本語、中国語、スペイン語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語、アラビア語など、これらの主要言語すべてにおいて流暢でニュアンスを捉えた自然な表現を生成できます。言語の壁を越えて、グローバルなコミュニケーションと知識共有を促進する力を持っているのです。
この驚異的な多言語対応能力は、国際的なビジネス展開を視野に入れる企業や組織にとって、大きな魅力となるでしょう。現地語でのマーケティングや顧客サポート、多言語コンテンツの制作など、Command R+はあらゆるシーンでその真価を発揮します。まさに、グローバルビジネスを席巻するAIの雄と言えますね!
Command R+の料金
結論として、Command R+を無料で利用することは可能です!
ただし、Command R+の高い能力を手に入れるためには、下記表のように一定のコストが発生します。前バージョンのCommand Rと比べ、APIの使用料金は高くなってしまっているのが現状です。
1個当たりの入力トークン | 1個当たりの出力トークン | |
---|---|---|
Command R | 0.5ドル(約77円) | 1.5ドル(約231円) |
Command R+ | 3ドル(約462円) | 15ドル(約2300円) |
Command R+では、表のようにAPIの利用量に応じて金額が発生するという形式になっています。
高性能なAPIを利用する場合は有料化しなければなりませんが、その卓越した性能と多言語対応力を考慮すれば、投資に見合う価値があると言えるでしょう!
Command R+の登録方法
では、Command R+に登録する手順から解説していきます!
①こちらの公式サイトにアクセスして右上の「TRY NOW」をクリックする
②アカウントを作成する
通常のメールアドレスだけでなく、Googleアカウント・GitHubアカウントでも登録可能です!
③質問に答える
表示する名前・職業・利用用途に関する質問の回答を入力しましょう。
そして、下記画面になれば登録完了です。
Command R+の使い方
続いては実践的な部分に入っていきます!まずは、以下の操作を行って下さい。
・トップ画面の中央下部にある「Try Command R+」をクリックする
・操作画面を確認する
赤枠の部分でチャットが表示され、青枠の部分ではチャットを入力できます。
ここからは、
- Command R+と基本的なチャットをする方法
- Command R+で「Coralチャット」を利用する方法
- Command R+でAPIを利用する方法
この3つの使い方について1つずつ丁寧に解説していきます!
Command R+と基本的なチャットをする方法
先ほどご紹介した画面が、基本的なチャットができるところとなっています!
ChatGPTなどと同じように、気になる質問を投げかけるだけでOKです。
短文の質問にもかなり詳細に返してくれるところが高ポイントですね!内容も正確かつ日本語も自然で素晴らしいです。
Command R+で「Coralチャット」を利用する方法
Coralチャットは、Command R+独自の機能になっています。この機能では、ユーザーの質問に応じて適切なWebページを検索し、引用を交えて回答を提供できるのが特徴です。ChatGPTでいう、WEBブラウジング機能と同じような機能ですね。
また、ファイルをアップロードして情報を供給することができ、これには高度な取得拡張生成(RAG)技術が利用されています。
ファイルをアップロードする場合は、画面右上の「GROUNDING」からできます。
RAG技術が使われているだけあって、かなり精度が高い回答が得られるみたいです!
Command R+ではAPIを利用することも可能
最後に、Command R+でAPIを利用して自社サービス・サイトに入れ込む方法をご紹介します!
①チャット画面右上の「DASHBOARD」をクリックする
②「API Keys」をクリックする
③「Get your production kry」をクリックする
質問・同意事項を入力したら作成完了です!
以上が、Command R+の使い方の解説になります!
Command R+の商用利用の可否
結論として、Command R+は非営利目的での使用を前提に、モデルの変更や配布を許可しています。
つまり、研究機関やNPO、教育機関などは、Command R+を自由にカスタマイズし、自らのニーズに合わせて最適化することができるのです。この柔軟性は、多様な分野でのAI活用を促進し、イノベーションの可能性を広げるでしょう。
一方で、CC-BY-NCライセンスは商用利用を禁止しています。これは、企業がCommand R+を直接ダウンロードして社内で使用する場合、営利目的での活用は認められないということです。ビジネスシーンでCommand R+の力を借りるためには、提供元が用意する有償のAPIサービスを利用する必要があるのです。
分かりやすく表にまとめましたので、以下をご覧ください!
用途 | 可否 |
---|---|
商用利用 | × |
モデルの改変 | 〇 |
モデルの配布 | 〇 |
特許利用 | × |
私的な利用 | 〇 |
私的な利用は問題ありませんが、特許・ビジネス利用では商用利用が認められていませんので注意が必要です!
まとめ
いかがでしたでしょうか?
驚異の性能を誇るLLM『Command R+』の使い方について解説してきました。
今回のポイントをまとめると、以下のようになります。
- 「Command R+」とは、CohereForAIから公開された超高性能LLM(大規模言語モデル)のこと。
- Command R+の特徴
- 幻覚の減少に寄与する引用を組み込んだ高度な取得拡張生成 (RAG) 技術
- 世界的なビジネス運営をサポートするための10の主要言語に対応した多言語機能
- 高度なビジネスプロセスを効率化するツールの活用
- 128,000トークンの広範なコンテキストウィンドウを有する技術
- 結論として、Command R+を無料で利用することは可能であるが、高性能な機能を利用するためにはAPIの利用料金が必要
- Command R+は非営利目的での使用を前提に、モデルの変更や配布を許可している
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