【GPT-3の親戚】GPT-Jとは?概要・使い方や活用方法を徹底解説! | romptn Magazine

【GPT-3の親戚】GPT-Jとは?概要・使い方や活用方法を徹底解説!

ChatGPT

近年、自然言語処理の分野で大きな注目を集めているGPTシリーズ。その中でも、OpenAIが開発したGPT-3は、その驚異的な性能から世界中で話題となりました。しかし、GPT-3にはあまり知られていない「親戚」が存在するのをご存知でしょうか?

その名も「GPT-J」。GPT-3と同じく、大規模な言語モデルの一つですが、GPT-3とは異なる特徴を持っています。GPT-Jは、OpenAIではなく、EleutherAIという非営利団体によって開発されました。そして何より、GPT-Jはオープンソースで公開されているのです。

つまり、GPT-Jは誰でも自由に利用することができる、いわばGPT-3の「オープンソース版」とも言えるでしょう。この記事では、GPT-Jの概要や特徴、そして実際の使い方や活用方法について詳しく解説していきます。

※ChatGPTの使い方については、以下の記事で解説しています。

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GPT-Jとは?

本記事では、GPT-Jと呼ばれる自然言語モデルについて紹介していきます。

GPT-Jの基本概念

GPT-Jは、オープンソースの自然言語処理モデルで2021年にEleutherAIの研究者によって開発されました。

GPT-Jは60億のパラメータを持ち、事前学習された膨大なデータをもとに、人間の言語を理解し、テキスト生成等の自然言語処理の用途に使用することができます。

日本語の各種自然言語生成も可能です。

また、GPT-の特徴として、文脈を深く捉え、より人間らしい応答をGPT-3モデルより高く生成することができるとされています。

GPT-Jの機能

GPT-Jの機能として、質問応答や要約、テキスト生成等があります。

また、GPT-Jは、様々な分野の情報を活用して、高度な分析や問題解決を行うことができます。

具体的には、文章作成・要約、コードの生成、チャットボットの開発等に活用できます。

現在オープンソースで公開されている

GPT-Jは、現在GitHubでオープンソースとして公開されています。

また、EleutherAIのWebサイトに、テキスト生成機能のデモが適用されています。

本背景として、EleutherAIは、非営利団体であり、人工知能技術の発展を促進し、その恩恵を広く社会に還元することを目的としているためです。

オープンソース化されているため、研究者やエンジニアが、GPT-Jのモデル構造や学習過程を分析することができたり、独自のアプリケーションを構築することができます。

また、パフォーマンスを改善したり、特定の課題に最適化したバージョンを開発することも可能です。

参考記事:https://www.infoq.com/jp/news/2021/08/eleutherai-gpt-j/

GPT-Jはどんな技術が使われている?

GPT-Jのアーキテクチャと技術的背景

GPT-Jのアーキテクチャは、トランスフォーマーと呼ばれる深層学習モデルが活用されています。

トランスフォーマーは、複数の問題を同時に処理する能力に優れた性能を発揮する機械学習モデルです。

GPT-Jでは、このトランスフォーマーの設計を改良し、さらに高度な言語理解と生成能力が活用できるようになっています。

具体的には、GPT-Jのトランスフォーマーは、通常の自然言語処理モデルより多くのアテンションを持ち、長い文章間の関係を的確に捉えることができます。

上記のような技術により、GPT-Jは高いパフォーマンスを発揮できる言語モデルとなっています。

GPT-Jがどのように学習するか:トレーニングプロセスの概要

GPT-Jは、大量のテキストデータを用いて、モデルが学習されています。

具体的には、膨大な量の web ページやブック、論文などのテキストデータを基に、Mesh-Transformer-JAXと呼ばれるライブラリを使用して、トレーニングされています。

上記データにより、GPT-Jは基本的な文法や語彙、意味的な関係性などを学習しています。

また、GPT-Jは特定の課題に合わせてファインチューニング(fine-tuning)と呼ばれる手法でモデルを構築することも可能です。

このように、GPT-Jは大量のデータによる事前トレーニングと、状況に応じたファインチューニングにより微調整をすることが可能になっています。

ソースコードと開発者リソース(GitHub、API利用方法)

GPT-Jには、専用のAPI(Application Programming Interface)が用意されています。

専用のAPIを使い、プログラムから簡単にGPT-Jの機能を呼び出すことができます。

API利用に関する各種情報もGitHub上に公開されているので、開発者は当該情報を有効活用しながら開発を進めることができます。

GitHub内では、GPT-Jの活用事例やモデルの改良方法等の技術的な議論やノウハウの共有も行われています。

GPT-Jと他のAIモデルとの比較

特にGPT-3, GPT-4, LLaMAとの比較

ここでは、GPT-JとGPT-3, GPT-4, LLaMAのモデルとの比較について説明いたします。

  1. GPT-3との比較

    GPT-JとGPT-3と比較して、優れた言語理解と生成能力を持ちます

    GPT-3も汎用的な大規模言語モデルですが、GPT-Jはアーキテクチャの進化や学習データの更新がしやすい特性により、より深い文脈理解と自然な応答を実現できます
  2. GPT-4との比較

    GPT-4はGPTの最新モデルで、総合的にはGPT-Jの性能を上回りますが、オープンソースかつ無料であるため広い意味での拡張性、コストパフォーマンスという観点では、GPT-Jの方が優れていると言えます。

    GPT-4は画像、音声などの多様なデータ形式への対応もでき、パラメータがGPT-Jより大きいためより高度な推論能力を特徴としています。

    また、現状GPT-4の利用は有料です。

    しかし、GPT-Jは無料でオープンソース化されているという特徴があり、GPT-4との違いがあります。
  3. LLaMAとの比較

    LLaMAは2022年に登場したFacebookのオープンソース大規模言語モデルです。

    LLaMAはGPT-Jほど大規模ではありませんが、軽量で高速な実行が可能という特徴があります。

    一方で、GPT-Jの方が言語理解と生成の質では優れているとされています。

用途と活用シーンの違い

GPT-3, GPT-4, LLaMAは以下のような用途と活用シーンの違いがあります。

  1. GPT-3

    GPT3は、汎用的な自然言語処理タスクに幅広く使用することができます。

    特に、文章生成、質問応答、要約、翻訳などの基本的な言語処理に使用します。
  2. GPT-4

    GPT-4はGPT-3,GPT-Jより高い能力があるため、画像生成、音声生成、医療や法務文書の作成、研究論文の自動生成などの専門性の高い文章生成での活用がされています。
  3. LLaMA

    LLaMAは、リソース制約の厳しい環境でも高速に動作するため、エッジデバイスや組み込みシステムでの利用が想定されます。

    軽量なモデルを必要とするアプリケーションに適しています。
  4. GPT-J

    オープンソースによる汎用性の高さとコストパフォーマンスの良さから社内教育等、自由に拡張ができるメリットを活かしたコンテンツでの活用が期待できます。

GPT-Jの利用方法

GPT-Jを利用する際の方法として以下4つがあります。

  1. API の利用

    GPT-Jには、前述のようにAPIが用意されており、プログラミングから簡単に機能を呼び出せます。

    API仕様書に従ってリクエスト文章を送信すると、要望に応じた文章を生成できます。
  2. ライブラリの活用

    GPT-J用のオープンソースのライブラリも公開されています。

    Python向けのライブラリなどを利用すれば、APIの使用をより容易に行えます。

    高度な前処理や後処理も実装済みのため、素早いシステム構築が可能です。
  3. コマンドラインツールの使用

    GPT-Jのソースコードには、コマンドラインから簡単に利用できるツールも用意されています。

    テキストファイルを入力すれば、GPT-Jによって生成された文章を出力することができます。
  4. ファインチューニング

    GPT-Jのソースコードにアクセスできるため、特定の目的に合わせてモデルの微調整を行うことも可能です。

    独自のデータを使ってファインチューニングすれば、特定の分野に特化したカスタマイズモデルを構築できます。


上記4つの方法を使い分けることで、GPT-Jを利用することができます。

GPT-Jの活用方法

ここでは、GPT-Jの具体的な活用方法について説明していきます。

①コード生成

GPT-Jは、プログラミングコードの生成に活用できます。

具体的な活用例として、以下のような活用方法が考えられます。

  • 与えられた問題文から、最適なアルゴリズムとコードを生成
  • 新しいアプリケーションを立ち上げる際の定型コードを自動生成
  • ライブラリやフレームワークの使用例の提示
  • バグレポートから、修正に必要なコードを生成

前述のように、GPT-Jはプログラミングコードの生成に活用することで、エンジニアの負担を軽減し、生産性向上に活用することができます。

②小説など創作物の作成

GPT-Jは、小説やシナリオ、詩歌など創作物の生成にも活用できます。

例えば、小説の生成において、以下のような活用ができます。

  • 物語の作成とキャラクター設定の考案
  • 詳細な章立ての生成
  • 登場人物のセリフの生成

GPT-Jは感情表現を扱うことができる特徴もあるため、上記のような小説等の登場人物の心理や行動等の生成に役立てることができます。

③チャットボットの開発

GPT-Jは、チャットボットの開発にも活用できます。

チャットボットは、GPT-Jの特徴を活かし以下のような機能を持った形で作成できます。

  • 文脈を理解した適切な返答生成
  • 多様な話題への返答
  • 感情表現を含んだ会話
  • ユーザーの意図を汲み取った上での返答

上記機能により、チャットボットをコールセンターや社内教育等の分野で活用することもできます。

まとめ

本記事では、自然言語処理モデルの1つであるGPT-Jについて紹介してきました。

GPT-Jは、他のGPTモデルやLLaMA等の大規模言語モデルと違いがあり、オープンソースでの自然言語処理モデルとしては、高い性能を持つという特徴がありました。

この特徴から、チャットボット等の対話システム、文章作成支援、コード生成等がオープンソースで実現できます。

オープンソース化された言語モデルという特徴を活かし、研究者、エンジニアにより今後も活用されていくでしょう。

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