Midjourneyの危険性について著作権や商用利用の観点から徹底解説! | romptn Magazine

Midjourneyの危険性について著作権や商用利用の観点から徹底解説!

Midjourney

毎日話題が多い生成AIですが、様々なサービスが出てきております。

しかしながら、利便性が高まる反面、活用の仕方次第でリスクを伴う場面も増えています。

その中でも画像生成AIを活用されている方は多いと思いますが、危険性について気になった方も同時に多いのではないでしょうか?

特に今回紹介する画像生成AIのMidjourneyが孕んでいる危険性を著作権や利用規約から解説していきたいと思います。

この記事では、Midjourneyについて以下の6点で解説しております。

  • Midjourneyの概要
  • Midjourneyでできること
  • Midjourneyの料金について
  • Midjourneyと他サービスの違いについて
  • Midjourneyの危険性について
  • Midjourneyの使い方について

AI初心者の方でもMidjourneyについてわかるようになりますので、是非最後までご覧ください。

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Midjourneyとは

Midjourneyは、ジェスチャー入力技術を開発した米リープ・モーション(Leap Motion)の創業者であるデビッド・ホルツ氏が共同創設した企業が運営する画像生成AIサービスです。

このサービスは、Discord(ディスコード)と呼ばれるチャットサービス内で利用できます。

以下が実際の画面になります。

また、Discordにキーワードを入力することで、そのキーワードに適した画像を自動生成してくれるので、絵を上手くかけなくても簡単に作品を作成可能です。

Midjourneyでできること

この章では、Midjourneyでどんなことができるのか?を以下の3点で詳しく解説します。

・画像生成について

・画像編集機能について

・画像の高画質化について

それでは見ていきましょう。

画像生成について

Midjourneyは、画像生成が簡単にできます。Discord内のチャットにて任意のキーワードを入れることで、自動的に画像が生成されます。

画像生成までの手順を以下の通り簡単に解説します。

  1. Discordメニューの「NEWCOMMER ROOMS」タブのNewbies-49などの数字が書いてある部屋を選択します。
  2. 後は、中央画面の下部にあるチャット入力欄にプロンプトと呼ばれる生成したいイメージを言葉にした単語を入力し送信します。(入力の方法は、「/imagine プロンプト」という形になります。)
  3. しばらくすると4枚の画像が完成します。

以上の手順で簡単に画像生成が可能です。

ちなみに、プロンプトは英語でのみ入力が可能となっているので、翻訳ツールを活用して作成すると簡単にできます。

画像編集機能について

新しく追加されたインペインティング機能というものがあります。これは、「Region」と呼ばれているもので、生成した画像で納得のいかない部分などをピンポイントで加工編集ができる機能です。

加工編集を可能にする手順は以下の通りです。

  1. Remix modeをONにする(プロンプト入力画面に「/setting」と入力し、設定画面を開いて「Remix mode」を有効にします)
  2. 画像生成し、Region機能を選択する
  3. 編集したい部分を選択し、プロンプトを入力
  4. 編集後の生成された画像を確認する

画像の高画質化について

画像を高画質化して画像生成する方法があります。

その方法は以下の4つになります。

  • 「Upscale」ボタンを押す
  • 高画質キーワードをプロンプトに含ませる
  • 高画質パラメーターをプロンプトに含ませる
  • 設定変更をする

この中で一番簡単にできるのが、「Upscale」ボタンを押すことです。

その次に便利なのが、「高画質キーワード」をプロンプトに含ませることです。

どのようなことかと言いますと、以下のような高画質キーワードをプロンプトに含ませることで高画質の画像が出力できるようになります。

  • high quality(高品質に)
  • realistic(リアルに)
  • photorealistic(写真的に)
  • 4k,8k,16k(4K画質で、8K画質で、16K画質で)

このような形で簡単に生成画像を高画質化することが可能です。

Midjourneyの料金は?無料で使える?

Midjourneyですが、以前までは無料(回数制限あり)で使用できましたが、2023年3月28日から無料版は提供が停止されています。そのため、有料版でのみ使用可能です。

有料版の料金については下記の通りとなります。

ベーシックスタンダードプロメガ
月額10ドル
(約1,500円)
30ドル
(約4,500円)
60ドル
(約9,000円)
120ドル
(約18,000円)
年間96ドル
(約14,400円)
288ドル
(約43,200円)
576ドル
(約86,400円)
1152ドル
(約172,800円)

月額で支払うよりも年間で支払った方がかなり安くなるのでお得です。

さらに詳しく知りたい方は下記の記事にて解説しておりますので、参考にしてください。

MidjourneyとStable Diffusionの違いは?

画像生成AIはさまざまなサービスがありますが、その中でも有名な「Stable Diffusio」というサービスがあります。このサービスもMidjourneyと同じ画像生成AIなのですが、どのような点が違うのでしょうか?

以下の3点で詳しく解説します。

  • Stable Diffusionとは?
  • MidjourneyとStable Diffusionの料金について
  • MidjourneyとStable Diffusionのメリットとデメリットについて

Stable Diffusionとは?

Stable Diffusionは、Midjourneyと同様の画像生成AIサービスです。プロンプトと呼ばれる英単語を並べて入力することで、画像を生成します。

MidjourneyはDiscord上で動作しますが、Stable Diffusionはパソコン上に環境設定が必要なため、PCスペックが要求されます。

また、Stable Diffusionは「学習済みAI」を活用した画像生成AIのため、Midjourneyと比較するとプロンプトにかなり忠実な画像を生成します。

MidjourneyとStable Diffusionの料金について

MidjourneyとStable Diffusionの料金については以下の通りです。

ベーシックスタンダードプロメガ
Midjourney10ドル
(約1,500円)
30ドル
(約4,500円)
60ドル
(約9,000円)
120ドル
(約18,000円)
Stable Diffusion無料

Stable Diffusionは完全無料で枚数制限もなく利用可能なので環境構築さえできればMidjourneyよりもお得に利用することができますね。

MidjourneyとStable Diffusionのメリットとデメリットについて

MidjourneyとStable Diffusionのメリットとデメリットについて解説します。

この2つの大きな違いは、動作環境です。

MidjourneyはDiscord上で動作するのに対し、Stable Diffusionはパソコン上に環境を構築して動作します。

具体的には以下の通りとなっています。

メリットについて

【Midjourney】

Discord上で動作するため、パソコンなどの動作環境に左右されないことから、ハイスペックなPCなどが必要ない。

【Stable Diffusion】

パソコンなどに環境構築さえすれば、無料で制限なく利用可能。また、オープンソース化されているので追加機能などが頻繁に更新されており、それも無料で利用可能。

デメリットについて

【Midjourney】

無料版がないため、お試しで利用することができない。また、利用するためには最低でも月額10ドルの費用がかかってしまう。

【Stable Diffusion】

環境構築するまでに、GitHubでのダウンロードやPythonのインストール作業などが必要となり、専門的な知識が必要となるためハードルが高い。また、使用環境に依存するため、高スペックなパソコンが必須になる。

以上のようにそれぞれのメリット・デメリットがありますのでご自身の利用環境などに合わせて選択するといいでしょう。

また、両者の違いについてもっと詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。

【結論】Midjourneyの使用において考えられる危険性

この章では、Midjourneyを利用する上で注意しておくべき内容について以下のポイントで解説します。

  • 著作権・著作権侵害について
  • 商用利用について
  • 学習データのセキュリティ
  • プライバシーの保護
  • 誤った情報の拡散リスク

それでは一つずつ確認して行きましょう。

【重要】著作権・著作権侵害について

Midjourneyを利用する上で注意すべき点の一つが、著作権についてです。画像生成AIはプロンプトさえ入力してしまえばなんでも出力可能です。

しかしながら、好きなアニメのキャラクターなどをベースとした作品を生成したり、著名人を利用した作品を生成した場合に著作権侵害に繋がる恐れがあります。

【重要】商用利用について

Midjourneyの商用利用についてですが、結論としては「有料版を利用している間は利用可能」です。

ただし、無料版で生成した画像は商用利用禁止となっていますので、無料版が利用できていた期間に生成された画像を利用する場合は、注意が必要です。

商用利用について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

学習データのセキュリティ

Midjourneyの学習データについてですが、利用規約にはこのように記載があります。

適用範囲:本ポリシーは、Midjourneyが収集、使用、開示する個人データに適用され、これには以下のものが含まれます。(i) サービスを通じて収集されたデータ、 (ii) Midjourneyの機械学習アルゴリズムの学習プロセスを通じて収集されたデータ、 (iii) Midjourneyのウェブサイトを通じて収集されたデータ、 (iv) 第三者の情報源から収集されたデータ がこれにあたります。第三者のソースには、公共のデータベース、商業的なデータソース、公共のインターネットが含まれますが、これらに限定されるものではありません。お客様が購入を行う場合、弊社は第三者の支払処理業者を利用して、クレジットカードやその他の財務情報を収集します。ミッドジャーニーはお客様から提供されたクレジットカードや支払い情報を保存せず、支払いが行われたことを確認するのみです。https://midjourney.gitbook.io/docs/privacy-policy

要するに、学習データは全てMidjourney側にあるということですので、個人情報などをプロンプトに含めるのはあまりオススメしません。

また、個人のデータについてもMidjourney側が自由に利用可能と規約に記載されているので、むやみに個人データを提供するのはやめた方が良いでしょう。

プライバシーの保護

Midjourneyを利用する上でプライバシーの保護についてはどのようになっているのでしょうか?

結論としては、「個人データについては、Midjourney側に自由に利用する権利がある」ため、保護されないといっても過言ではないかと思います。

ただし、金銭的な情報については、支払い確認のみに使用されると規約に記載があるため大丈夫でしょう。

誤った情報の拡散リスク

Midjourneyでは、さまざまな画像を生成することができるため、誤った情報を拡散する恐れがあります。

例えば、有名人のプロンプトを使用して絶対にあり得ないような画像を生成し拡散することで、世間が本物と誤解してしまうなどです。

日本でもフェイク画像が問題となった時期がありましたので、誤った情報を拡散することは避けた方がいいでしょう。

Midjourneyの危険性:著作権について訴訟事例も交えて解説

Midjourneyには、生成した画像がアーティストの作品と類似するため、著作権侵害になると集団訴訟を起こされたことがあります。詳しい内容は以下の通りです。

Karla Ortiz、Kelly Mckernan、そしてSarah Andersenの3名のアーティストによる集団訴訟は、法律事務所のJoseph Saveri Law Firmを通じて起こされた。3者は自分たちの作品が画像生成AIの学習に使われ、そこから派生的画像が生み出されていることが、著作物に関する排他的権利を定めた法律を侵害し、デジタルミレニアム著作権法や不正競争防止法違反だと主張している。

訴状には、「Stability AIの画像生成AI、Stable Diffusionの急速な成功の背景にはコンピュータサイエンスの飛躍的進歩があるが、問題は、インターネット上の無数の画像を作者に無断で盗用したことだ」と書かれている。

引用:artnewsjapan

ネット上の画像を作者に無断で盗用したことが問題だとなっておりますが、著作権違反になるかどうかはまだ結論が出ていないようです。

しかしながら、このような事例が発生しているのは事実ですので、画像生成をする際は「著名なキャラクターや有名人」を模したものを生成することは避けた方がよさそうです。

Midjourneyの危険性:作品の著作権侵害が見つかった際の対処法

Midjourney上で自分の作品と同様のものがあり、著作権侵害が疑われるようなものを発見した場合はどのように対処するべきでしょうか?

それは、まず初めに侵害者へ連絡をして、作品の削除や訂正を依頼することが必要です。

それでもダメな場合は、Midjourney内で通報し対応を委ねる必要があります。

また、自分自身が著作権侵害に該当するような行為をしてしまった場合は、速やかに作品の削除や訂正を行うことをオススメします。

Midjourneyの使い方を簡単に解説

この章では、Midjourneyの使い方について以下のポイントで解説します。

  • Discordを登録する
  • MidjourneyのDiscordグループへ参加する
  • Discordメニューの「NEWCOMMER ROOMS」タブを選択
  • チャット入力欄にプロンプトを入力し送信
  • 4枚の画像が完成

それでは1つずつ見て行きましょう。

Discordへ登録する

公式サイトへ行き、ダウンロードまたは、ブラウザで開くを選択しDiscord登録します。

MidjourneyのDiscordグループへ参加する

Midjourneyの公式サイトへ行きます。右下にある「Join tha Beta」を選択します。

グループ招待が来ますので、「招待を受ける」を選択し、参加完了となります。

Discordメニューの「NEWCOMMER ROOMS」タブを選択

Discordの左のメニューから「NEW COMMER ROOMS」を探し、newbies-49などの数字が書いてある欄を選択します。(newbiesであれば、どのチャンネルでも大丈夫です。)

チャット入力欄にプロンプトを入力し送信

下部にあるメッセージ入力欄に作りたい画像のプロンプトを入力して送信します。

4枚の画像が完成

しばらくすると、このように画像が生成されます。

ここまでが一連の流れとなります。

Midjourneyの危険性のまとめ

Midjourneyの危険性などについて紹介させていただきましたがいかがでしたでしょうか?

今回お伝えしたことをまとめますと、

  • Midjourneyの概要
  • Midjourneyでできること
  • Midjourneyの料金について
  • Midjourneyと他サービスの違いについて
  • Midjourneyの危険性について
  • Midjourneyの使い方について

以上の内容でした。

Midjourneyは非常に便利でクリエイティブな画像生成AIサービスなので、アーティストではない人で簡単に作品を作ることが可能です。

しかしながら、著作権侵害やプライバシー保護などの問題もあり、利用する上では気をつけるべき点も多くあります。

これらを踏まえて日々進化する画像生成AIサービスを活用していければいいのではないでしょうか?

ここまでご覧いただきありがとうございました。

Midjourney
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