今回の記事では、金融からヘルスケア、小売、教育まで、多様な業界でのAIとChatGPTの導入事例を紹介します。
AI技術が業務効率化、顧客サービスの向上、新ビジネスモデルの創出にどのように貢献しているかを示し、企業がAIを導入する必要性を解説していきます!
【業界別】日本企業におけるAI活用事例
では早速、業界別にAIの活用事例を紹介していきます!
AI活用事例①:製造業
製品の外観検査や設備の監視など、手間のかかる作業をAIで自動化することができます。
カメラで製品の画像を撮影して、AIが傷や汚れを発見してくれます。これによって従来の目視検査よりも不良品の見逃しを削減され、作業効率も大幅に改善されました。
実際にトヨタ自動車では「磁気探検査」をAIによって自動化し、人的リソースを1/2に削減できたという事例があります。
作業効率の大幅な向上を実現し、現場作業者の負担軽減にもつながっています。
AI活用事例②:飲食・サービス業
飲食業では予約受付や注文、質問対応などをAIチャットボットで自動化が進められています。
AIチャットボットでは24時間365日お客様対応ができるので、営業時間外や定休日でも予約を受け付けることができます。
それだけでなく、AIを活用したセルフレジや、自動配膳ロボットの導入など、多くの作業を自動化することによって人件費削減にもつながります。
大手ファミレスの「ガスト」ではAIを搭載した自動配膳ロボットを導入しており、従業員の負担を大幅に削減することに成功しています。
AI活用事例③:人材・HR
人材探しや、採用面接など多くの労力がかかる業務がAIによって効率化されています。
これによって、人材採用の効率化、従業員満足度の向上、個別の能力開発支援が実現し、組織全体の生産性向上につながります。
また、AI-OCR技術を用いて履歴書や職務経歴書の内容を自動で読み取り、データベース化することで、データ入力の手間を省き、応募者情報の分析を効率化できます。
AI活用事例④:アパレル・ファッション
AIに顧客の過去の購入データや体型データなどを学習させることで、ユーザーごとに最適な商品を提案することができます。
ユーザーのニーズに合致した商品を提案できるため、顧客満足度の向上が期待されています。
さらに、AIチャットボットを導入して、お客様の質問対応を自動化する事例が増えています。
国内外に27社のグループ会社を持つアパレル企業グループ「TSIホールディングス」では、AI-FAQボットを導入することで、電話質問の件数を大幅に削減することに成功しています。
AI活用事例⑤:金融・投資・保険
三井住友銀行ではAIを活用してサイバーセキュリティを向上させる取り組みを実施しています。
サイバー攻撃情報の分析やセキュリティ監視データの検索を自動化し、サイバーリスクへの対応を正確かつ迅速することを目指しています。
また、「ロボアドバイザー」と呼ばれるAIを使って投資に関するアドバイスや運用を行うサービスも注目されています。
AIに全自動で投資をお任せできたり、投資に関するアドバイスをしてもらえたりと、投資初心者には人気のサービスです。
AI活用事例⑥:旅行・観光・訪日
AIチャットボットを活用して、AIがユーザーに最適なプランを提案してくれるようになっています。
旅行のスケジュール管理や、ホテルまでの道順までAIが提案など、旅行中に必要な情報をまとめて提案してくれるようになります。
これによってユーザーに合わせたサービスを提供できるようになるため、効率的な運用が可能になり、顧客満足度の向上にもつながります。
2021年にリリースされた「AVA Travel」という旅行サービスは、ユーザーの希望や条件をもとにAIが自動的に旅行の情報を提案してくれます。
AI活用事例⑦:不動産・住宅
AIが過去の取引データをや周辺環境などの情報を分析して、物件価格を自動で査定することができます。
従来の査定方法は、担当者によって査定額にばらつきが生じることがありましたが、AI査定では客観的視点から査定するので、公平な査定額を提示できます。
また、AI-RPAという技術を導入することによって、書類作成やデータ入力などの単純作業を自動化することができます。
これによって担当者は別の作業に集中できるので、業務効率化と生産性向上につながります。
AI活用事例⑧:IT・情報・通信
ソフトバンクはAIを活用して携帯電話のネットワークの状態をリアルタイムで監視しています。
ネットワークの膨大なデータを分析し、異常をいち早く察知して問題を解決します。また、混雑状況を予測して自動的に調整することで、スムーズな通信を実現しています。
また、ソフトバンクではAzure OpenAI Serviceを活用したサービスも行っており、企業や自治体が生成AIを導入するのを支援しています。
「Azure OpenAI Service」とはMicrosoft Azure 上で提供される、OpenAI が開発した最先端の AI モデルを利用できるサービスのことです。
日本企業におけるAI(人工知能)の導入状況
2023年に日本・アメリカ国内在住の就労者向けに行われたインターネット調査によると、職場でAIが導入され、実際に活用されている企業の割合は、日本は13.3%、アメリカは30.2%となっています。
欧米諸国と比較すると、日本でのAI導入率はまだまだ低いと言えるでしょう。
- AIに関する知識不足
- 導入コスト
- 経営層のAIに対する理解
- 倫理的な問題
これらの課題を解決することで、日本企業におけるAI導入は、今後さらに勢いを増していくことが期待されています。
日本企業がAIを導入するメリット
日本企業がAIを導入することによって次のようなメリットがあります。
- 作業効率の向上
- 労働力不足の解決
- 新しいビジネスモデルの創出
一つずつ詳しく解説していきます。
メリット①:作業効率の向上
今まで人間が行ってきた作業をAIに任せることができるので、作業効率が大幅に上昇します。
データ入力、顧客対応、書類作成などの単純作業を自動化することで、別の重要な業務に集中することができます。
業務が効率化されるので労働時間が短縮され、不要なコストを削減することも可能です。
メリット②:労働力不足の解決
日本では労働力不足が年々深刻化していますが、AIを導入することで人材不足を解決できる可能性があります。
誰でもできるような単純作業はAIに任せることができるので、人件費の削減にもなります。
メリット③:新しいビジネスモデルの創出
AIの登場によってこれまで不可能だったビジネスができるようになります。
例えばAIを活用した自動運転などが考えられますね。
他にも「Kore.ai」や「CAT.AI」など、AIチャットボットを作成するサービスのような、新しいビジネスモデルもすでに生まれています。
日本企業がAIを導入する注意点・デメリット
企業がAIを導入する際には、以下の点に注意する必要があります。
- 導入目的を明確にする
- 運用・管理体制を整える必要がある
- AIは万能ではないということを理解しておく
ここから詳しく解説していきます。
デメリット・注意点①:導入目的を明確にする
AIを導入する前に、どのような目的で導入するのかをはっきりさせておく必要があります。
「流行っているからなんとなく導入したい」というような曖昧な目的ではなく、
- どのような業務を効率化させたいのか
- どこにかかっているコストを削減したいのか
など、より具体的な目標を設定しましょう。
目的が明確になっていないと、適切なAIツールを選定することができず、導入後に思ったような成果は得られません。
デメリット・注意点②:運用・管理体制を整える必要がある
AIはただ導入するだけではなく、その後の管理体制も考える必要があります。
AIシステムの知識を持つ人材の確保・セキュリティ対策の強化などに力を入れることが重要です。
また、「AIの維持管理コスト」のような、従来まではなかったコストがかかってくる可能性もあるので、事前に確認しておきましょう。
デメリット・注意点③:AIは万能ではないということを理解しておく
AIは確かに使いこなせれば便利ですが、決して万能ではないということを理解しておきましょう。
偏ったデータを出力する可能性もあるので導入前に十分な検討を行う必要があります。
AIはあくまでもツールであり、人間が適切な判断と倫理観を持って活用することが大切です。AIに頼りすぎることなく、AIを使いこなせる人材を育成していくことも忘れてはいけません。
企業におけるAI導入までの流れ
企業がAIを導入するためのステップは以下の通りです。
- AI導入の目的を決める
- AIに任せる業務範囲を決める
- 導入するツール・サービスを決める
- 実際に導入して試験運用を行う
- 本格運用を開始
AIは万能ではないので、事前に導入の目的をはっきりと決めておく必要があります。
導入目的を明確にし、適切なツールを選び、運用方法を工夫しなければ、期待通りの成果を得ることはできません。
逆に事前準備さえしっかりやっておけば、企業の大きな味方になることは間違いありません。
まとめ:身近で活用されるAIをぜひ導入・活用しよう!
この記事では業界別のAI導入事例と、AIを導入するメリット・デメリットをメインに解説していきました。
AIを導入することで、業務効率化や新たなビジネスの誕生、人件費削減など、多くのメリットをもたらす可能性があります。
しかしAIに関する予備知識もなく、考えなしにAIを導入しても期待通りの成果は得られません。
事前に導入目的を明確にすることで、AIを最大限に活用することができるでしょう。