ディープフェイクとは?「Deepfake Web」での作り方や悪用問題について詳しく解説! | romptn Magazine

ディープフェイクとは?「Deepfake Web」での作り方や悪用問題について詳しく解説!

AI活用

巷で話題の「ディープフェイク」というAI技術をご存知でしょうか?

まるで本当の人間が動いたり喋ったりしているかのような画像・動画を生成してくれるAIなのですが、本記事ではそんな「ディープフェイク」の作り方について詳しく解説していきます!

また、「ディープフェイク」による悪用問題も話題になっていますので、その対策についても徹底的に解説します。

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「ディープフェイク」とは?

ディープフェイクは、AI(人工知能)を利用して、人間の顔や声を非常にリアルに模倣・合成する技術のことを指します。

名前の由来は「Deep Learning(深層学習)」と「Fake(偽物)」の2つの単語を組み合わせたものです。

この技術は、大量の映像や音声データから人間の動きや表情、話し方などを学習し、それを基に新たな映像や音声を生成し、これにより、特定の人物が実際には行っていない行動を行っているかのような映像や音声を作り出すことが可能になります。

以下の画像をご覧ください。左側の元画像を使ってディープフェイクの技術で作った、トランプ元大統領にそっくりな画像が右側に表示されていますね。

このぐらいリアルに作ることができる技術なんです!

毎日新聞より

ただし、ディープフェイクという技術は、悪意ある目的に利用される危険性も孕んでいます

偽の映像や音声が拡散されることで、人々の間に混乱を引き起こしたり、特定の人物の名誉を傷つける可能性があります。

そのため、ディープフェイク技術の扱いには十分な配慮が必要とされています。この問題については、後ほど詳しく解説しますね。

ディープフェイクの仕組み

ディープフェイクの生成には主にAIの一種である「ニューラルネットワーク」が用いられます。

ニューラルネットワークは人間の脳の神経細胞を模した計算モデルで、大量のデータからパターンを学習することができます。

これにより、ディープフェイク技術は特定の人物の顔の特徴や声の特徴を捉え、それを別の映像や音声に適用することができます。

GAN(Generative Adversarial Networks)とは

ディープフェイクでは、GAN(Generative Adversarial Networks)という機械学習が用いられています。

GANは「生成ネットワーク」(Generator)と「判別ネットワーク」(Discriminator)の2つの部分から構成されます。

「生成ネットワーク」は、実際のデータを模倣する新しいデータを作成します。一方で、「判別ネットワーク」は、生成ネットワークが作成したデータが本物(実際のデータ)か偽物(生成されたデータ)かを判別します。

これら2つのネットワークは相互に競争し合いうことで、学習が進みます。この競争的な学習過程により、生成ネットワークは非常にリアルなデータを生成する能力を獲得し、これがディープフェイク動画の作成に活用されます。

「ディープフェイク」の悪用問題

ディープフェイクの最大の懸念点は、悪用される可能性が大いにあることです。

その技術が高度化するにつれ、誰もが手軽にディープフェイク動画を生成できるようになり、その結果、多くの問題が生じています。

ディープフェイクによる悪用の例

ディープフェイクによる悪用の例として、以下のようなものが挙げられます。

  • 「フェイクポルノ」…有名人や一般人の顔を合法的なアダルト映像に無断で合成し、それが実際にその人物がアダルト映像に出演したかのように見せる事例が増えている。
  • 「演説動画の加工」…特定の政治家や有名人が発言したことのない事柄を発言したかのように加工されることがある。

例えば、政治家のなりすまし問題だと、以下のような動画が物議をかもしています。

一見、オバマ元大統領が普通に話しているかのように思えますが、動画の後半を見ると、アメリカの俳優であるジョーダン・ピールさんがオバマ元大統領の声を模倣し、唇の動きをピールさんの言葉と合わせたディープフェイクだということが分かりますね。

このように政治家などのディープフェイク動画が急速に拡散されてしまうと、それを見た人々が本物だ!と信じた場合は、投票や政治活動を左右してしまうなどの社会的な悪影響につながってしまうという可能性が出てきます。

悪用問題の対処法

これらの問題を防ぐためには、ディープフェイクの検出技術の開発や法律による規制が急務となっています。また、情報の信憑性を確認するリテラシーを一般の人々に広めることも重要です。

我々がすぐできる対応としては、ディープフェイク動画を作る際には、「自分の顔を使う」または「他人の顔を使用する場合は、本人の許可を得て」から作ることを、徹底すると良いでしょう!

「ディープフェイク」の作り方

現在では、特殊なスキルや知識がなくても、スマホアプリやPCソフトを使って簡単にディープフェイク動画を作成することができます。

しかし、これらのツールの利用には十分な配慮と適切な理解が必要なため、先程ご紹介した悪用の危険性について理解したうえで作っていきましょう!

本記事では、WEB上で「ディープフェイク」を作る方法について解説していきます。

スマホアプリでの作り方は、別記事で詳しくまとめる予定です。

アプリ『Deepfakes web』の概要・料金設定

『Deepfakes web』(公式サイト:https://deepfakesweb.com/?locale=ja)は、PCを使用してディープフェイク動画を作成するためのWebアプリケーションです。

このアプリでは、自分の顔を別の人物の顔に置き換えるディープフェイク動画を簡単にに作成することができます。

クラウド使用料として、5時間ごとに20ドル(約2,800円)がかかりますのでご注意ください。

①アカウント登録orログイン

まず、トップ画面の「動画を作成する」ボタンを押すと、以下のような画面が開きますので、アカウント登録してログインをしましょう!

②元写真と置き換えたい人物の写真をアップロード

そして、「動画を作成する」ボタンをクリックしてください!

左側に顔を置き換えたい人物の写真・動画、右側に顔を使いたい人物の写真・動画をアップロードします。

この際に、先程も少しご紹介しましたが、クラウド使用料として、5時間ごとに20ドル(約2,800円)払う必要がありますので、ご注意ください!

②学習スタート

動画or画像の挿入が完了したら、1番下にある「動画の作成を開始する」をクリックしてディープフェイクを生成しましょう。

およそ4~6時間ほどかかるそうです。生成が完了したらメールでお知らせしてくれますので、気軽に待ちましょう!

以上がDeepfake Webの簡単な使い方になります!

公式がチュートリアル動画も公開してくれていますので、以下の動画も合わせて見ると分かりやすいですよ。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

「ディープフェイク」の概要や使い方について解説してきました。

今回のポイントをまとめると、以下のようになります。

  • ディープフェイクは、AI(人工知能)を利用して、人間の顔や声を非常にリアルに模倣・合成する技術のことを指す。
  • ディープフェイクという技術は、悪意ある目的に利用される危険性も孕んでいるので十分な注意が必要。
  • 「フェイクポルノ」「演説動画の加工」などの悪用問題が話題になっているため、ディープフェイク動画を作る際には、「自分の顔を使う」または「他人の顔を使用する場合は、本人の許可を得て」から作る
  • 『Deepfakes web』は、PCを使用してディープフェイク動画を作成するためのWebアプリケーションである。
  • 『Deepfakes web』は1つのディープフェイクを生成するのに約3,000円、4~6時間ほどの時間がかかる。

他にも「ディープフェイク」を作れるスマホアプリもたくさん公開されていますので、別記事にてご紹介しますね!

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