近年、業務効率化の手段としてRPAの導入が注目されています。しかし、成功の裏には数々の失敗事例が隠れているのも事実です。
本記事では、RPA導入の失敗事例やその理由、そして成功のためのポイントについて詳しく解説します。
RPA導入のメリット・デメリット
RPAの導入には多くのメリットがあります。
例えば、繰り返しの業務を自動化することで、人間の作業時間を大幅に削減することができます。
一方、導入コストや維持費用、システムの不具合などのデメリットも無視できません。
これらのメリットとデメリットをしっかりと理解することが、RPA導入の成功の鍵となります。ここでは、RPA導入に係るメリット・デメリットをそれぞれ見ていきましょう。
RPA導入のメリット
ヒューマンエラー防止
RPAは決められたルールや手順で処理を行うため、ヒューマンエラーの防止にも効果的です。
作業中のミスが起こりにくく、最終チェックや修正も不要となるため、結果的にはコスト削減にもつながり、一石二鳥になります。
コアな業務への投資
RPAで定型業務を自動化することで、コストの削減が可能となります。定型業務は作業内容が単純であるものの、時間や手間がかかるものが多いです。
そこで、RPAの導入により、業務時間や人材を抑えられるためコストの削減が実現します。
人的コストの削減が可能
RPAによって定型業務を自動化することで、コア業務に割ける時間や人材を確保できます。RPA導入により、定型業務に割く時間や人材を減らせるため、その分をコア業務に投資することが可能です。
また、定型業務を自動化することにより、余分な残業時間を削減できるというメリットもあります。
デメリット
情報漏洩のリスク
RPAはさまざまなシステムや外部ツールと連携していることから、不正アクセスなどによる情報漏洩のリスクが常に存在しています。
情報漏洩を未然に防ぐため、セキュリティ性の高いツールを選択することやログイン情報の暗号化といった対応が求められます。
システム停止のリスク
ソフトウェアであるRPAは、バグやシステム障害等により突然停止する可能性があります。停止するとデータ消失等の問題が発生し、業務が滞るリスクが生じます。
また、システム停止リスクと似た問題として、業務の引き継ぎが適切に行われずに業務がブラックボックス化してしまい、結果的にシステム停止をはじめとする業務に対する支障が生じる恐れもあります。
RPAにできること・できないこと
RPAは、特定の業務プロセスを自動化するためのツールです。
しかし、すべての業務がRPAで自動化できるわけではありません。
例えば、複雑な判断を伴う業務や、人間の感覚が必要な業務はRPAでの自動化が難しい場合があります。
RPAの導入を考える際には、どの業務を自動化するかの選定が非常に重要となります。
RPA導入が失敗する5つの特徴
社内にRPAの開発スキルやリソースがない
RPAは一度も触れたことない人がいきなり使いこなせるほど簡単ではありません。そのため、RPA制作等へのリソースの確保と社内全体でバックアップ体制も整える必要があります。
RPAの導入が向いている業務やRPAの活用方法など、RPAへの理解が不足していると、適切に運用できず効果を感じられないことがあります。
ツールが自社に合っていない・選定を疎かにする
自社に合うツールを見つけ出すのは簡単なことではありません。安易に選定してしまっては失敗の原因にもなってしまいます。
RPAツールは種類が豊富で、それぞれの機能や強み・操作性が異なります。自社の目的や条件に合わせた最適なツールの選定が重要です。
運用ルールが不明瞭・工数の多い部分から開発を進める
RPAは事前にルールや手順を登録することで業務を自動化します。しかし、業務手順が変わることもあり、それに伴いRPAを修正しなければ、バグが起こり正しく動作しない問題が発生します。
そのため、長時間かかる業務から自動化してしまうと、RPA開発が全く進まず失敗に終わる可能性が高くなります。
担当者が決まっていない・管理体制が明確でない
RPAの導入だけが目的ではありません。開発、運用、保守も継続的に行う必要があり、そのためには複数人での管理体制をしっかりと構築することが大切です。
RPAをスムーズに導入し、最大限に活用するためには、RPAに関する十分な知識が求められます。導入の責任者がいない場合、トラブル発生時の迅速な対応が難しくなることも考えられます。
したがって、担当者はRPAの業務範囲を正確に理解しておくことが不可欠です。
RPA導入の目的が曖昧である
RPAを導入する際には、導入前と導入後の業務時間をしっかり計測し、変化を数値で確かめることが重要です。導入前の業務時間が不明確だと、導入の効果を正確に把握するのが難しくなります。
また、RPAの導入により新たな業務の機会が生まれるため、その将来のビジョンも考慮して目的を設定することが求められます。
RPAは意味ないと言われてしまう理由
ここで見てきたように、RPA導入で失敗してしまう例は多く、「RPAは意味がない」という声も少なくありません。
実際に、RPA導入後に期待した効果が得られなかった、または逆効果となった事例も存在します。
これらの失敗しやすい特徴や事例から学ぶことで、同じような失敗を繰り返さないようにすることが重要です。
RPA導入を成功させるためのポイント
ここまでRPA導入にまつわる失敗例を見てきましたが、ではRPA導入を成功させるにはどうすればいいのでしょうか。
ここでは、RPA導入を成功させるために意識すべきポイントを簡単にご紹介します。
適切なツールの選定
RPAツールは多種多様であり、それぞれの機能や特性が異なります。
自社の業務内容や目的に合ったツールを選定することが、導入成功の第一歩となります。
業務プロセスの最適化
RPAを導入する前に、業務プロセスを見直し最適化することが重要です。
効率的な業務フローを確立することで、RPAの効果を最大限に引き出すことができます。
RPAの業務範囲の明確化
RPAを導入する際、どの業務を自動化するのか、その範囲を明確にすることが必要です。
これにより、トラブルが発生した際の対応もスムーズに行えます。
十分なトライアルとテスト
RPAツールのトライアルやテストを十分に行うことで、実際の業務における動作を確認し、問題点や改善点を洗い出すことができます。
継続的な運用と保守
RPAの導入は一度きりではありません。
継続的な運用と保守を行い、システムのアップデートや業務内容の変更に柔軟に対応する体制を整えることが必要です。
導入の目的と効果の明確化
RPA導入の目的を明確にし、その効果を定期的に評価・確認することで、導入の方向性を正しく保つことができます。
まとめ
RPA導入の成功には、適切なツール選定、業務プロセスの最適化、継続的な運用と保守が必要です。また、導入の目的や効果を明確にし、定期的に評価することが重要です。
これらのポイントを押さえることで、RPAの効果を最大限に引き出すことができます。
この記事を参考に、RPA導入の成功を目指してください。
