イーロン・マスク氏が率いるAI企業xAIは、2024年12月6日、同社のAIチャットボット「Grok-2」をX(旧Twitter)の全ユーザーに開放したことを発表しました。これにより、月額有料のプレミアムプラン未加入者でも、制限付きながらGrokの機能を利用できるようになりました。
この無料化の背景には、xAIが掲げる「AIの民主化」という理念があります。無料ユーザーは2時間ごとに最大10回までGrokとの会話が可能で、AIモデル「Flux.1」を使用した画像生成も1日3枚まで利用できます。
なお、同社は12月7日にはプレミアムプラン向けの新機能として、より高性能な画像生成AI「Aurora」の提供も開始しました。Auroraは、既存のFlux.1と比較して、よりフォトリアリスティックな画像生成が可能とされています。ただし、リリース直後に技術的な問題が発生し、現在は一時的にサービスを停止している状態です。
xAIのエンジニアであるChris Park氏は、自身のXアカウントで「近日中にGrok-3をリリースする予定」と発表しており、さらなる機能向上が期待されています。
Grokの特徴として、他のAIチャットボットと比較して、よりユーモアのある応答が可能で、Xのリアルタイムデータにもアクセスできる点が挙げられます。ただし、無料プランではこれらの機能に一部制限が設けられています。
この動きは、Microsoft Copilot(旧Bing Chat)やAnthropicのClaude、OpenAIのChatGPTなど、主要なAIチャットボットサービスの多くが有料プランを主軸としている中で、異例の展開となっています。今後、AIチャットボット市場における競争が一層活発化することが予想されます。