顔認証システムは、そのセキュリティ性の高さから入退室管理やスマートフォンのロック解除など、様々な場面で活用されるケースが増えてきています。
そのため、社内で顔認証システムの導入を考える企業は多いですが、いざ導入しようと考えても、
- 自社にマッチするシステム開発の依頼先はどこがいいのか分からない
- どのような基準で開発会社を選べばいいのか分からない
- 顔認証システム導入にかかる費用を少しでも抑える方法はないか?
と考える方は多いのではないでしょうか。
そこで当記事では、顔認証システム開発に強いAI受託開発会社の選び方や顔認証システム導入に活用可能な補助金の紹介をはじめ、顔認証システムの導入のために知りたい情報を多数解説しています。
顔認証システムの導入を検討中の方はぜひ最後までご覧ください。
顔認証システムに強いAI受託開発会社を選ぶ際のポイントは3つ
顔認証システムに強いAI受託開発会社を選ぶポイントは3つあります。
顔認証システム選びのポイント①:顔認証システムに関する実績・ノウハウ・強みを理解する
顔認証システムに強いAI開発会社を選ぶ際に、開発会社ごとの顔認証システムの実績やノウハウを理解することが重要です。
一口に顔認証システムと言っても、開発会社ごとに実績や強みのある領域には違いがあるため、この点を把握しておく必要があります。
例えば、NECは日本を拠点とする企業で、セキュリティ分野において幅広い実績を持っていて、公共機関や企業向けに顔認証技術を提供しています。
事例として、NECはインド空港の手続きとして顔認証システムを導入し、運用コストの削減やセキュリティ強化の実現をしています。
顔認証システム選びのポイント②:目的や課題を明確にする
顔認証システムに強いAI開発会社を選ぶ際、自社のAI開発について、目的と課題を明確にしましょう。
どのような文書を処理したいのか、どの業務を効率化したいのかといった具体的な目標を設定する必要があります。
目的が明確でないと、受託開発会社との相談時や見積もり時に適切な提案を受けにくくなります。
また、課題が明確であればあるほど、受託開発会社はより具体的で効果的なソリューションを提供できます。
受託開発会社に相談する前に、内部でしっかりと目的と課題を整理し、それを伝えることで、より良い開発プロセスが期待でき、自社にとって最適な開発を実現しやすくなります。
顔認証システム選びのポイント③:複数の開発会社から相見積もりを取る
顔認証システムに強いAI開発会社を選ぶ際、複数の会社から相見積もりを取ることが重要です。
まず、顔認証システムに求める具体的な要件を明確にしましょう。セキュリティ要件、精度の目標、利用者数、システムの利用目的などを把握しておくことが重要です。
次に、信頼性のあるベンダーや開発会社をリサーチし、潜在的なパートナーのリストを作成します。これには、大手企業や専門企業、クラウドプロバイダー(IT企業)などが含まれます。
選定したベンダーや開発会社に対して、プロジェクトの詳細を共有し、相見積もりのための問い合わせを行います。提供してほしい機能や要件、予算などを伝えましょう。
各ベンダーから詳細な提案を受け取ります。提案にはシステムのアーキテクチャ、機能一覧、実施計画、価格、サポート体制などが含まれるはずです。
受け取った提案や見積もりを比較しましょう。価格だけでなく、提供される機能、セキュリティ対策、アフターサポートなども重要なポイントです。
そして、過去のプロジェクト実績や類似の事例を確認して、ベンダーの実績を確認しましょう。これによって、信頼性や提供されるサービスの品質を評価できます。
一つ以上のベンダーと交渉を行い、価格や条件について調整を行います。また、特定の要件やニーズに対応するための調整も行います。
複数のベンダーとの比較や交渉を通じて、最終的なパートナーを選定します。契約条件や納期、サポート体制なども確認し、安心してプロジェクトを進めることが重要です。
【予算削減が可能!】顔認証システム開発にも使える補助金・助成金3選
顔認証システムを導入したいと考えても、なるべくコストは抑えたいもの。
そこで、ここでは顔認証システム導入にかかる予算に対して利用可能な補助金・助成金をご紹介します。
顔認証システム開発に使える補助金①:IT導入補助金
IT導入補助金とは、中小企業や小規模事業者がITツールを導入する際の支援をする補助金で、補助額は最高450万円、補助率1/2以内となっています。
国のサイトでは、いろいろなケースが事例として紹介されています。
例えば、勘に頼った経営を改め、経営の見える化を目的に販売管理システムを導入したケースや、働き方改革に関連してタイムカードと給与管理システムを連動させた勤怠管理ツールを導入したケースなど、いろいろな場面で補助金が用いられています。
また、顔認証に関連する商品やサービスの一部も、このIT導入補助金の対象となっています。
審査に通る必要がありますが、顔認証システムの導入を検討している場合は、補助金をうまく活用することで費用負担を抑えることが可能です。
顔認証システム開発に使える補助金②:ものづくり補助金
ものづくり補助金とは、中小企業等による生産性向上に向けた取り組みを支援する補助金で、補助額は最高5,000万円、補助率は1/2もしくは1/3です。
新しい事業を創出するための設備投資やサービスの開発、試作品の開発などに関してサポートを受けられます。
同じく事例として紹介されているのは、果樹園が金柑を急速冷凍する機械を導入したケースや、寝具店が店舗販売強化のために寝心地を計測するセンサーを導入したケースなどがあります。
ものづくり補助金は応募件数が多く人気の高い補助金で、採択率は年度によって異なりますが30~40%程度です。
採択されるためには、ものづくり補助金の趣旨を踏まえて事業計画書作を作成することが求められることから、事業計画書を作る際のポイントなども紹介されています。
顔認証システム開発に使える補助金③:小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金とは、経営計画に基づく販路拡大や業務効率化を支援する補助金で、補助額は通常枠が最高50万円、その他の枠は最高200万円、ウェブサイト関連費は補助率1/4までとやや細かく定められています。
従業員の数が商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)の場合5人以下、それ以外の業種の場合は20人以下の小規模事業者が対象です。
この補助金では、店舗の改装やWebサイト作成、展示会出品などに関する費用を申請できます。
また、これまで消費税を納税していなかった免税事業者が適格請求書発行事業者(インボイス転換事業者)に転換する場合には、補助金の上限が上乗せになるので、申請を検討している事業者は確認をおすすめします。
顔認証システムとは:人の顔の特徴で個人を認識する技術
顔認証システムとは、カメラが取得した画像や映像から顔を検出して、人間の顔を認証して本人確認をする技術です。
生体認証技術のひとつとして開発され、人間の手を使わず、コンピューターが自動的に大量のデータの中から希望する特徴を発見する技術を指すディープラーニングが行われた人工知能(AI)が使われています。
動画や画像から個人の顔を読み取り、目、鼻、口などの特徴的な位置や、顔領域の大きさ等をもとに、登録された情報と本人照合を行う仕組みになっています。
また、最新の顔認証エンジンにより、マスクを装着したままでも高精度な顔認証で本人確認が行えるシステムも登場しています。
顔認証システムが持つ強みとしては、認証デバイスへのタッチ操作などが不要で、カメラに顔をかざすだけで認証が完了します。
認証の手軽さも魅力ですが、不特定多数の人物が同じデバイスに触れることに抵抗を感じる方の心理負担を無くす効果も期待できます。
顔認証システムには「1対1認証」と「1対N認証」が存在
※2種類の認証方式の対比形式でお願いいたします。
顔認証システムには、1対1認証と1対N認証の2種類が存在しています。
1対1認証では、照合する本人のテンプレートを呼び出し、実際の指との比較を行う方式です。
指定が必要になるため、1対N認証に比べて利便性は劣りますが、認証の精度やセキュリティ性という点では遥かに優れている点が魅力です。
1対N認証とは、指を置くだけで登録されている多数のテンプレートの中から合致する1人を選ぶ、という方式となっています。
認証の精度、速度では1対1認証に比べて劣りますが、何も指定せずに指を置くだけで完結するので利便性に優れているでしょう。
顔認証技術を活用したシステムの事例4選
では、顔認証システムは実際にどのような場面で活用されているのでしょうか。
ここでは、顔認証を活用したシステム事例を4つ見ていきましょう。
顔認証システムの活用事例①:店舗や自動販売機における決済
あらかじめ顔写真を登録しておくと、決済カウンターでカメラが本人を検知し、自動で決済可能にする「手ぶら決済」のシステムにも、顔認証が使われています。
顔認証を活用することにより、利用者は財布を持たずに買い物や宿泊、飲食ができるため、身軽に観光やショッピングを楽しめるようになりました。コンビニエンスストアやレストランなど、さまざまな場で利用が広がりつつあります。
顔認証システムの活用事例②:入退室管理システム
オフィスや工場での入退室管理に顔認証を活用すると、従業員がハンズフリーでスムーズに出退勤できるようになります。
カードレスであり、何も触れることがないため衛生的です。
また、顔認証システムは高度なセキュリティレベルを誇るため、オフィスでの事務所荒らしやマンションでの空き巣の防止に効果的です。
利便性の高いセキュリティ対策として、多くの建物で導入が進んでいます。
顔認証システムの活用事例③:属性解析によるマーケティングでの活用
顔認識技術はマーケティング分野でも活用されています。店舗やイベント会場での顔認識技術の活用は、これからより一層普及が進んでいくと考えられます。
近年進められているDX推進により社会全体の取り組みが加速していく中、マーケティング分野で顔認識技術が活用されることには、店舗、イベント会場などの運営側だけではなく、利用者にもメリットがあります。
イベント会場や店舗の来場者の属性分析では、入口などにカメラを設置することにより、入退場の人数をカウントします。映像から検出した属性情報やカウント数などをリアルタイムに集計し、時間別の混雑状況といった情報発信が可能になります。
運営側は時間別の混雑状況を分析し、スタッフや警備員の適切な人数配置や、属性分析からどのような年齢や性別の人が多いのかを把握することで、より効果的なプロモーションやアプローチへ活かすことができます。
利用者側もどの時間帯が比較的空いているのか、今の混雑具合はどの程度なのかを把握できるため、事前に空いている時間に来場計画を立てたり、あるいは多少の混雑具合なら待機してから入場するといった行動計画が立てやすくなるというメリットがあります。
顔認証システムの活用事例④:店舗受付の無人化
スポーツジムやホテルなどでは、来店数の多い時間帯に受付で待ち時間が発生してしまうことがあります。そこに顔認証システムを導入すれば、会員の顔を瞬時に見分けて、短時間で受付を完了できます。
顧客側も、待ち時間が短縮されるだけでなく、会員証やカードを持たずに来店できるため便利です。
また、受付を無人化にすることで従業員の負担を軽減させることができ、人件費を削減することもできます。
顔認証技術を活用・システムを導入するメリットは3つ
次に、顔認証システムを導入する3つのメリットについて解説していきます。
顔認証技術・システムのメリット①:なりすましを防止できること
他者の写真を撮影した偽造画像では、実際に人がカメラに向かって認証した時とは異なる、画像上の歪みなどの特徴があるため、この技術では認証の際にそれらを自動的に分析します。
また、環境光の角度や反射による影など、実際の環境と写真の不一致を検出し、本人がその場にいないと判定されれば認証はエラーとなるため、なりすましが防止できます。
生きた人間の顔なのかどうかという「生体検知」を行うことで、3Dマスクなどの偽造物でないことを確認できるシステムも存在します。
このシステムでは「生きているか」という部分に焦点を当てて認証しているため、例えば3Dプリントされたフェイスマスクなどを使用しても、なりすましは不可能に近くなります。
これらの技術で、国際空港や金融機関のセキュリティ強化につながります。
顔認証技術・システムのメリット②:比較的導入しやすいこと
顔認証システムは、ほかの生体認証システムのように、専門の機器が必要ありません。Webカメラ(IPカメラも含む)と、データ保存用のサーバ(クラウドでも利用可能)さえあれば利用を開始できます。
そのため、専用機器が必要な静脈認証や虹彩認証などと比べると、比較的導入しやすいシステムだといえるでしょう。
顔認証技術・システムのメリット③:非接触での情報の取り扱いが可能であること
顔認証システムでは、非接触でスピーディーな認証が可能です。カードや鍵の提示は不要で、指をかざす等の特別な動作も不要です。
両手がふさがっていても認証でき、認証までの時間も非常に短いため、新型コロナなどの感染症が流行っている昨今では触れずにできることは衛生的であり、密集することなくできる点が良いとされています。
自社の目的や課題解決に最適なAI顔認証システムの開発を依頼してみませんか?
いかがでしたでしょうか。
この記事では、顔認証システム開発に強いAI受託開発会社の選び方や顔認証システム導入に活用可能な補助金の紹介をはじめ、顔認証システムの活用例やメリットを解説しました。
顔認証システムは非常にセキュリティ性が高く、スピーディな処理が可能であり、また衛生面においても優れているため、今後ますます活用されるシーンが増えると考えられます。
顔認証システムの導入を検討中の方は、ぜひ本記事を参考にしていただき、自社にマッチした顔認証システムの導入によって業務の効率化を進めていただければ幸いです。