人手不足の解消や業務効率化を進めるためのツールとして、DX推進・ITサービスマネジメントなど、各業界でAIの導入が必至となっています。
その中でも、異常検知・予知検知に関するAIシステムは多数存在するため、「どのシステムを選んだらいいか分からない」「どの開発会社に依頼するべきか分からない」という方は多いのではないでしょうか。
この記事では、会社やシステム選びのポイント、解決できること、導入事例についてご紹介します。
AIを活用して社内の業務効率化を進めたいと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
異常検知に強いAI受託開発会社を選定する際のポイント
異常検知に強いAI受託開発会社を選定する際のポイントを2つ解説します。
ポイント①:目的や課題の解決ができるAI受託開発会社を選ぶ
単に異常検知・予知検知に関するAIソリューションといっても様々な種類があり、その中でも自社の目的や課題を解決できるソリューションを提供するAI受託開発会社を選びましょう。
例えば、何らかの問題が発生する兆候のみを検知するシステム、問題発生の兆候の検知に加え、必要に応じて改善と更新を繰り返すシステムなど、業務課題を解決するためのシステムは無数に存在しますが、目的によって向いている製品は異なります。
まずは自社の目的を明確化し、「AIを活用した異常検知」に特化した開発会社を見極め、しっかりと自社の課題を解決できる受託開発会社を選ぶ必要があります。
ポイント②:異常検知のAIシステム開発の実績を持つ会社を選ぶ
「異常検知」に特化した開発会社を見極めるには、会社の「実績」や「開発領域」を必ずチェックしましょう。
画像や音声認識の機能が備わっているのか、また数々の問題からデータ分析し、予測できる機能を有しているのかなど、それぞれの開発会社の強みがどこにあるのかという点を押さえておく必要があります。
その上で異常検知のAIシステム開発の実績やノウハウがあるAI受託開発会社に相談することができれば、自社にマッチしたAIシステム開発の実現可能性や導入の判断が進めやすくなります。
AI異常検知ソリューションとは
異常検知ソリューションとは、AIやセンサーなどを用いて異常の予兆を自動的に検知するシステムのことです。
製造や生産が行われる場面において、作業の漏れやエラーによって品質が不安定になってしまったり、全く別の製品になってしまったりすることがあります。また、作業工程の多さや作業者の負荷により、そのリスクは大きくなる傾向があり、生産性の低下、利益低下に繋がる可能性が出てきます。
異常検知ソリューションは、設備やシステムに取り付けた各種センサーで収集した情報をもとに、異常の予兆があるかを分析し、アラートしてくれる機能です。これにより人力に頼った作業から脱却でき、品質の安定化につなげることができます。
AI異常検知ソリューションの導入方法
異常検知ソリューションの導入には、個別に分析モデルを用いて、調整していく必要があります。
まずは課題や利用方法を精査し、その分析モデルを準備します。最低1〜2カ月分のデータを蓄積しAIに学習させることで、「異常である」と判断するための材料をそろえることができます。
その後テストを繰り返し、分析モデルが正しく機能しているかの確認を行います。
AI異常検知ソリューションで解決できること4選
AI異常検知ソリューションでできること①:品質の維持・改善
人間が目視で品質検査を行う場合、確認のスピードや品質には個人差や限界があることから、品質を保つには多くの人員やスキルが必要とされ、簡単ではありませんでした。
しかし、AIを活用した異常検知ソリューションを導入することにより、多くの人員を必要とせずに高品質な検査を安定して行うことができるため、品質の維持・改善が大きく進みます。
AI異常検知ソリューションでできること②:生産性の向上
製造や生産が行われる場面では、作業の漏れや少しの誤ちが命取りとなってしまいます。
そのようなヒューマンエラーを防ぎ、AIに頼ることによって、人力ではなしえないスピードを実現し、生産性の向上へとつなげることができます。
AI異常検知ソリューションでできること③:コストの削減
人の手でエラーを防ごうとすると、どうしても多大な時間が必要となり、結果として膨大な人件費がかかってしまいます。
仮に業務を習得した人材を確保できても、その人が辞めてしまった際にまた1から業務を教えないといけないなど、人を育てることと定着させることは、昨今の人手不足から見てとても大きな課題となります。
そこでAIを導入することにより、初期投資こそかかるものの、このような継続的なコストを抑えることが可能となります。
AI異常検知ソリューションでできること④:業務の属人化防止
作業の漏れや少しの誤ちが命取りとなる生産の現場において、属人化は切っても切れない問題です。
業務を行ってきた経験値や技術力から、「この人がいないと成り立たない」という状況を生んでしまうため、別途業務マニュアルの作成や、新人育成のための研修時間が必要となります。
AIを活用することによりそれらの属人化を防ぎ、膨大な時間を要することなく技術を継承していくことが可能となります。
AI異常検知ソリューションを4つのタイプに分けて解説
AI異常検知ソリューション①:システムの監視向けソリューション
システムの監視が強みのタイプです。
生産設備の監視、サーバーやネットワーク等システム機器の監視を行います。
AI異常検知ソリューション②:機械・設備監視向けソリューション
生産設備などに取り付けたセンサーのデータをもとに、異常を予測し検知するタイプです。
音声や画像・動画などのデータを収集して検知につなげます。
AI異常検知ソリューション③:異音検知型ソリューション
音で異常を検知するタイプです。
機械の音をAIが学習し、正常音との乖離を判別、異常を検知します。
AI異常検知ソリューション④:カメラ解析型ソリューション
AI画像解析を使って、カメラ映像に映っているものに異常がないかを確認するタイプです。
不信行為や破壊行為などの異常な行動を捉えた際にアラートを発したり、工場の作業者が作業ステップを誤った際に検知します。
AIを活用した異常検知の実際の利用事例3選
利用事例①:クレジットカードの不正利用の検知
クレジットカード利用者の購入履歴や住所、名前、購入商品などの個人情報をシステムで収集することで消費者の傾向を探り、不正を予測し検知します。
利用事例②:医療での診断
患者の年齢や身長・体重・血圧等のデータを収集することで、その患者に想定される病気などの情報を検知・医師に提供します。
利用事例③:スパムメールの検知や自動振り分け
機械学習により、届いたメールのうちどれがスパムメールかを識別します。それによりスパムメールが届いたら受信ボックスではなく迷惑メールフォルダーに自動的に振り分けられます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
当記事では、異常検知ソリューションやその導入方法、導入することのメリット、活用事例について解説しました。
異常検知のAIモデルは非常に優れたソリューションとなり得ますが、目的や課題に沿って念入りに導入を進めなければ、無駄なコストをかけただけで終わってしまうというケースにもなりかねません。
まずは自社の課題を洗い出し、その課題に沿った最適なAIを選択することが何よりも重要です。