AIの画像認識分野で長く“定番”として使われているのが、VGG16という深層学習モデルです。
2014年に発表された比較的古いモデルでありながら、今も教材・研究・実務現場で活用されています。
とはいえ、「VGG16って何?」「ResNetやEfficientNetとはどう違うの?」と感じる方も多いでしょう。また、「Kerasでの使い方」「前処理の注意点」「どの層を再学習すべきか」など、実践段階での疑問も多くあります。
本記事では、VGG16の構造と考え方を整理したうえで、転移学習での使い方や最新モデルとの比較までをわかりやすく解説します。AI初心者〜中級者が「VGG16の位置づけ」と「どのように実務で活かせるか」を理解できる内容です。
📖この記事のポイント
- VGG16は画像認識の“教科書モデル”2014年の登場以来ずっと定番。
- 3×3の小さい畳み込みを重ねるシンプル設計で、今のCNNの原型。
- 転移学習しやすくて再現性が高いから、実務でもまだ現役。
- ResNetやEfficientNetより重いけど、理解しやすさは抜群。
- Grad-CAMで「どこを見てるか」も見えるから学習教材にも最適。
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無料特典を今すぐ受け取るVGG16とは?画像認識の基礎を築いたモデル
VGG16の概要と誕生背景
VGG16は、オックスフォード大学の研究チーム「Visual Geometry Group(VGG)」が開発した畳み込みニューラルネットワーク(CNN)です。
2014年の論文「Very Deep Convolutional Networks for Large-Scale Image Recognition」で提案され、ILSVRC2014で高精度を記録しました。
それまでのCNNは8層前後が主流でしたが、VGG16は16層の重みを持つ深い構造を採用。
「ネットワークを深くすれば精度が上がる」という仮説をシンプルな構成で実証しました。
3×3の小さな畳み込みを積み重ねる思想
VGG16の特徴は、「3×3の小さなフィルタを複数積み重ねる」設計にあります。
大きなカーネルを1回使うより、小さな畳み込みを重ねる方が受容野を広げつつ、非線形性と表現力を高めることができます。
この思想は後のResNetやEfficientNetにも受け継がれています。
VGG16とVGG19の違い
VGG19は畳み込み層が3つ多いモデルで、性能差はごくわずかです。
計算コストの低いVGG16の方が転移学習では広く使われています。
| モデル名 | パラメータ数 | 特徴 |
|---|---|---|
| VGG16 | 約1億3,800万 | 実務・教育用に最も利用される構成 |
| VGG19 | 約1億4,400万 | わずかに深いが精度差は小さい |
VGG16の構造を簡単に整理
VGG16は13個の畳み込み層+3個の全結合層で構成されています。
入力画像サイズは224×224ピクセル、RGB3チャンネルが標準仕様です。
5つのブロックからなり、「畳み込み×2〜3 → プーリング」を繰り返し、最後にSoftmaxで1000クラス分類を行います。この規則的でシンプルな構造が、VGG16を“理解しやすいベースモデル”にしています。
VGG16の仕組みを理解する:畳み込みから分類まで
畳み込み層とプーリング層の役割
VGG16は、人間の視覚のように「画像を段階的に理解する」仕組みを持っています。
畳み込み層がエッジや色の変化などの特徴を抽出し、プーリング層が情報を圧縮して位置のズレに強くします。この繰り返しにより、浅い層は線や模様を、深い層は形や物体の構成要素を捉えます。
特徴量抽出と分類の流れ
- 入力画像を224×224にリサイズ
- 畳み込み+ReLUで非線形変換
- MaxPoolingで空間を圧縮
- 全結合層で特徴を数値化
- Softmaxで確率的に分類
前半13層が特徴抽出部、後半3層が分類部として機能します。
受容野の広がりをイメージする
VGG16の浅い層は線やエッジなどの局所的特徴を、深い層はより広い範囲の構造(顔や物体全体)を捉えます。この局所から全体へと抽象化する構造こそ、VGG16の本質です。
VGG16を実務で使う ― 転移学習の最短レシピ
Kerasでの基本コードと前処理
from tensorflow.keras.applications import VGG16
from tensorflow.keras.applications.vgg16 import preprocess_input
from tensorflow.keras.preprocessing.image import ImageDataGenerator
from tensorflow.keras import layers, models
base_model = VGG16(weights='imagenet', include_top=False, input_shape=(224,224,3))
base_model.trainable = False
model = models.Sequential([
base_model,
layers.GlobalAveragePooling2D(),
layers.Dense(128, activation='relu'),
layers.Dense(3, activation='softmax')
])
preprocess_input()はRGB→BGR変換+ImageNet平均減算を行います。
これを省略すると精度が大幅に下がるため、必ず指定します。入力サイズは224×224固定です。
PyTorchでの転移学習ステップ
import torch
import torch.nn as nn
from torchvision import models
model = models.vgg16(weights=models.VGG16_Weights.IMAGENET1K_V1)
for param in model.features.parameters():
param.requires_grad = False
num_features = model.classifier[6].in_features
model.classifier[6] = nn.Linear(num_features, 3)
全結合層を差し替え、まずは固定層で学習を安定させたあと、Block5を部分的に再学習すると効果的です。
fine-tuningの基本方針
| 再学習範囲 | 用途 | 備考 |
|---|---|---|
| 全層凍結 | 特徴抽出用 | 安定・軽量 |
| Block5のみ | 一般的な転移学習 | バランス良好 |
| 全層学習 | ドメインが大きく異なる場合 | 高コスト |
軽量化・効率化のコツ
- Data Augmentationを活用(回転・反転・明るさ)
- 学習率は1e-3〜1e-4から調整
- EarlyStoppingで過学習防止
- batch_sizeは16以下推奨
VGG16を選ぶ・選ばない判断軸
VGG16を選ぶべきシーン
- 小規模データや教育・検証用途
- 計算リソースが限られている環境
- 可視化・理解を目的とする場合
他モデルを選ぶべきシーン
- 精度と速度を両立したい → ResNet / EfficientNet
- モバイルやリアルタイム用途 → MobileNet
| モデル | 年 | パラメータ数 | 精度(ImageNet) | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| VGG16 | 2014 | 約138M | 約71% | シンプル・再現性高い |
| ResNet-50 | 2015 | 約25M | 約76% | 勾配消失を抑制・高精度 |
| EfficientNet-B0 | 2019 | 約5M | 約77% | 軽量・高効率 |
VGG16は現在も「理解・転移学習のベースモデル」として実用価値があります。
見えると腑に落ちる ― 特徴量の可視化例
層ごとの特徴マップを可視化
from tensorflow.keras.applications import VGG16
from tensorflow.keras import models
from tensorflow.keras.preprocessing import image
from tensorflow.keras.applications.vgg16 import preprocess_input
import numpy as np, matplotlib.pyplot as plt
model = VGG16(weights='imagenet', include_top=False)
img = image.load_img('sample.jpg', target_size=(224,224))
x = np.expand_dims(image.img_to_array(img), axis=0)
x = preprocess_input(x)
layer_outputs = [layer.output for layer in model.layers[:8]]
activation_model = models.Model(inputs=model.input, outputs=layer_outputs)
activations = activation_model.predict(x)
plt.matshow(activations[0][0,:,:,0], cmap='viridis')
浅い層では線や輪郭、深い層では形やパーツが抽出されます。
Grad-CAMで注目領域を可視化
Grad-CAMを使うと、VGG16が「どの部分を重視して判断しているか」をヒートマップで確認できます。
誤分類の原因分析やモデルの理解に有効です。
よくある質問(FAQ)
Q1:include_top=TrueとFalseの違いは?
→ TrueはImageNetの分類用全結合層を含める設定、Falseはそれを除いて特徴抽出部だけを使う設定です。転移学習ではinclude_top=Falseを選び、自分の分類層を上に追加します。
Q2:入力サイズは224×224固定?
→ はい。VGG16はこのサイズで学習されており、変更すると重み形状が合いません。
Q3:前処理を省略すると?
→ 精度が大幅に低下します。preprocess_input()でBGR変換+平均減算を行いましょう。
Q4:どこまで層を凍結すべき?
→ 一般的にはBlock5のみ。データが少なければ全層凍結が安定します。
Q5:学習が遅い理由は?
→ 約1.38億パラメータによる演算負荷が原因。include_top=Falseで軽量化を。
まとめ ― VGG16の理解が“AIを理解する第一歩”になる
- VGG16は2014年に登場した、画像認識の基礎を築いたモデル。
3×3の小さな畳み込みを積み重ねるというシンプルな設計で、高い表現力を実現しました。 - 構造が明快で再現性が高く、転移学習の入門に最適。
KerasやPyTorchで簡単に扱え、include_top=Falseで特徴抽出モデルとして活用できます。 - ResNetやEfficientNetより重いものの、理解のしやすさは群を抜く。
可視化(Grad-CAMなど)を通して、モデルが「何を見ているか」を直感的に学べます。 - VGG16を学ぶことは、AIモデルの仕組みを正しく理解することにつながる。
最新モデルを使いこなすためにも、その原点となる思想を押さえることが大切です。
VGG16は、ただの古いモデルではなく、 “深層学習を理解する入り口”です。
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