不動産業界におけるAI・ChatGPTの活用事例を紹介!AI導入のメリット・デメリットも詳しく解説

AI×業界

不動産業界は、技術の進化とともに、その業務内容やサービス提供の方法を大きく変えつつありますが、「DX化やAIの導入は遅れている」と言われているのが現状です。

DX化やAIの導入には不動産業界にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。また、AIはどのように活用できるのでしょうか。

この記事では、不動産業界の課題やAIの活用方法とともに、不動産業界でのAI導入事例についても紹介していきます。

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現状の不動産業界の課題とは?

DX化やAIの導入が遅れていると言われる不動産業界ですが、現在どのような課題があるのでしょうか。

課題①:少子高齢化による需要の変化を予測しにくい

日本をはじめとした多くの先進国では、少子高齢化が進行しています。これにより、不動産の需要が変化していると考えられます。

例えば、高齢者向けの住宅や、子供が少なくなったことによる学区域の変更などがあります。これらの変化の正確な予測は非常に難しく、不動産業界にとって大きな課題となっています。また、高齢者の住み替え需要が増える一方で、若い世代の住宅需要が減少しているとも言われています。

これらの要因を踏まえ、不動産業界は適切な物件の供給計画を立てる必要があります。

課題②:大量のデータを扱いきれていない

近年、不動産取引に関する大量のデータが生成されていますが、これを十分に活用できていないのが現状です。

データを分析し、市場の動向を把握することは非常に重要ですが、多くの不動産会社は旧態依然とした方法に頼っており、データの分析や活用が不十分です。

これにより、市場の変化に対応するスピードが遅くなり、ビジネスチャンスを逃すリスクがあります

課題③:賃貸・不動産の非効率なマッチング

現在の不動産市場では、物件と借りたい人とのマッチングが非効率な場合が多いです。これは、情報の非対称性や仲介業者を通じた取引が主流であるためです。

借り手は自分に合った物件を探し出すのが困難であり、貸し手もまた、適切な借り手を見つけるのが難しい状況です。

この問題を解決するためには、物件情報の透明性を高め、直接取引を促進する仕組みが必要です。

課題④:明瞭な賃貸・不動産の価格設定や査定ができていない

不動産の価格設定や査定は非常に複雑であり、多くの要因が影響します。しかし、現在の不動産市場では、明瞭な価格設定や査定が行われていない場合が多いです。

不動産の適正な価格を設定し、公正な取引を促進するためには、価格設定や査定の透明性を高め、最新の評価方法を採用する必要があります。

不動産業界でAIを活用するメリットとは?

では、不動産業界でAIを活用するメリットはどのような点にあるのでしょうか。

メリット①:不動産業務の効率化ができる

AI技術を利用することで、不動産業務の多くの業務が自動化・効率化される可能性があります。

例えば、書類作成やデータ入力、顧客からの問い合わせ対応などの単純作業をAIが担うことで、人間の業務負荷を軽減し、より重要な業務に集中することが可能になります。

これにより、業務のスピードが上がり、コスト削減にも寄与するでしょう。

メリット②:データ管理の精度を向上させる

大量の不動産関連データを正確かつ迅速に処理する能力を持つAIを導入することで、データ管理の精度を大幅に向上させることができます。これによって、市場分析や価格設定、物件情報の更新などがより正確かつ迅速に行えるようになります。

さらに、土地の価値は公示地価や基準地価に基づいていますが、実際の価格は建物の年数、交通アクセス、周辺環境といった多くの要因に左右されます。AIを活用してこれらのデータを分析することで、地域や物件固有の条件を考慮した正確な価格を導き出すことが可能になります。

メリット③:顧客満足度を向上させる

AIを利用して顧客のニーズを正確に把握し、最適な物件を提案することで、顧客満足度の向上が期待できます。具体的には、AIチャットボットを導入することで、24時間365日の対応が可能となり、顧客からの問い合わせに迅速に対応することが可能になります。

さらに、多くの顧客からの繰り返し質問に対応するため、人の手を介さずにチャットボットや音声アシスタントを活用することでコスト削減と効率化も実現可能です。

メリット④:人材不足の解消

AIがルーチンワークを担うことで、人材不足の問題を解消することができます。特に、業務のピーク時や繁忙期において、AIが効率的に作業をこなすことで、人手不足を補うことが可能です。

メリット⑤:新規事業・新規サービスを提供できる可能性がある

AIを活用することで、不動産業界に新たなビジネスチャンスが生まれる可能性があります。例えば、AIを利用した市場分析ツールの提供や、AIを使った物件評価サービスなど、新しい事業を展開することが可能です。

メリット⑥:不動産投資を始めるハードルが下がる

AIを利用した投資分析ツールを提供することで、初心者でも簡単に不動産投資を始めることができるようになります。不動産投資のハードルが下がり、より多くの人々が投資市場に参入することが可能になれば、市場規模も拡大しビジネスチャンスが広がります

メリット⑦:不動産のリスク回避

AIを利用して市場の動向を分析し、価格の変動や需要の予測を行うことで、不動産投資におけるリスクを回避することができます。

また、AIを利用した物件評価が可能となることで、不動産の適正価格を把握しやすくなり、不当な価格での取引を回避できるかもしれません。

メリット⑧:BtoB向けに投資物件の分析結果を提供できる

法人客に投資物件を提供することで、BtoB市場に対応します。高精度の分析を用いることで多様なニーズに応え、IT導入により個人だけでなく法人へのサービス展開が可能になり、業界内での競争力を高める重要な戦略となります。

不動産業界でAIを導入するデメリットや注意点

では、不動産業界でAIを活用するデメリットにはどのような点があるのでしょうか。

デメリット・注意点①:自動化によって必要な人員が減る

AIを導入することで業務効率は向上しますが、それと同時に人員削減の可能性があります。特に、繰り返し行う単純作業を中心に人の手が必要なくなる可能性が高いです。そのため、企業はAI導入にあたって、従業員への教育や再配置をする必要があります。

デメリット・注意点②:AIをうまく活用・利用できる人材が必要不可欠

AIを導入するといっても、それを運用し、最適な結果を出すためには専門知識を持つ人材が必要です。企業はAIを活用できるスキルを持つ人材を採用するか、既存の従業員を教育する必要があり、時間とコストがかかってしまいます

デメリット・注意点③:顧客対応や属人的な作業はAIに任せることはできない

AIはデータに基づいて判断を下しますが、人の感情や状況を性格に理解することはやはり困難です。特に、顧客とのコミュニケーションや交渉、個別の事情に基づく判断が必要な作業は、人間にしかできません。

AIを導入することで効率化を図る一方で、人間の判断が必要な場面では適切に人材を配置する必要があります。これにより、顧客満足度を保ちつつ、業務の効率化を図ることができます。

デメリット・注意点④:AIの導入にコストがかかる

AI導入は多くの利点がありますが、初期投資や維持費用、プログラムのトラブル対応にコストが必要です。技術の急速な進化に伴い、導入後も最新状態を維持するための更新が必要となります。

不動産業界での具体的なAIの活用方法7選!

実際に不動産業界のどういった場面でAIは活躍しているのかを以下で解説していきます。

活用方法①:売却希望物件の売却額査定

AIを活用すると、物件の条件に合わせた査定額を算出することができ、複数の不動産会社に訪問査定を依頼する必要がありません。

AIは機械学習を用いて不動産に関する情報と売却価格を学習し、自動で売却額査定を算出します。ただし、学習するための基本データの少なさが課題です。

活用方法②:AIによる利用者に最適な不動産を仲介

AIを利用すると、不動産仲介の多くの業務を代行させ、双方に対する窓口を集約することが可能になります。これにより、ユーザーが素早く気軽に利用でき、強固なセキュリティ下で取り引きが行うことができます。

活用方法③:顔認証による内見の自動化

AIの顔認証システムを利用すると、内見の自動化が可能になります。顔認証を鍵の解錠や建物の入場管理に利用することで、担当者が現場に足を運ばずに内見を実施できます。

活用方法④:顧客管理業務の自動化

AIを利用すると、顧客情報の管理を自動で行うことが可能になり、企業内の情報シェアが容易になります。これにより、別担当者への引き継ぎなどの効率化が図れます。

活用方法⑤:不動産投資におけるAIの予測

不動産投資において、AIは市場の動向や価格の変動を予測するのに役立ちます。例えば、過去の取引データ、経済指標、地域情報などを分析して、将来の物件価値やレンタル収入を予測することができます。

投資家はより情報に基づいた判断を下すことが可能となり、リスクを抑えながら利益を最大化することができます。

活用方法⑥:チャットボットを活用した顧客対応

不動産業界では、チャットボットを利用して24時間体制での顧客対応を実現しています。チャットボットは、顧客からの問い合わせに対して瞬時に応答することができ、物件情報の提供や見学の予約などの業務を自動化することで顧客満足度の向上と業務効率の向上が図られています。

活用方法⑦:不動産や賃貸のデザインやレポートの自動生成

AIを活用することで、不動産や賃貸物件に関するデザインやレポートの作成が自動化できます。例えば、物件の間取り図や内装デザインの提案、市場分析レポートの作成などが挙げられます。これらの作業をAIが担うことで、設計士やアナリストの時間を大幅に節約し、よりクリエイティブな業務に時間を使うことができます。

不動産業界でのAI活用の導入事例16選!

以下で不動産業界で活用されているAIを紹介していきます。

活用事例①:AI査定(三井のリハウス)

引用:三井のリハウス
導入企業名三井不動産リアルティ株式会社
事業内容不動産売買、仲介、カーシェア事業
従業員数4,516名(単体)、5,196名(連結)(2023年3月31日現在)
AI導入前の課題ウェブサイトで提供していたサービスの精度向上
AI導入成果膨大なデータをもとにしたAIにより、より高い精度での推定成約価格算出が可能に。
参考:三井不動産リアルティ

三井のリハウスの運営元である三井不動産リアルティは、マンションの所有者が売却や住み替えをスムーズに行えるように、2016年11月からウェブサイトで推定成約価格を把握できるサービスを提供していました。

しかし、より精度の高い情報提供を目指すため、エクサウィザーズと共同で「リハウスAI査定」を開発しました。

このシステムは、三井不動産リアルティの膨大な成約事例を基にしたAIによる学習を通じて、首都圏でのMER(誤差率中央値)4.89%、全国では5.34%という高い精度で推定成約価格を算出します。

これにより、顧客はインターネットを通じて、いつでも最新の不動産価格を確認することができ、売却の最適なタイミングを逃すことなく効率的に不動産取引を進めることができます

活用事例②:AEMS(三井不動産)

引用:三井不動産
導入企業名三井不動産株式会社
事業内容賃貸事業、分譲事業、マネジメント事業、施設営業事業
従業員数1,973名(2023年3月31日現在)
AI導入前の課題エネルギー需要予測の精度向上と効率的なエネルギー利用
AI導入成果AIの高精度な予測によるピーク抑制計画の立案や環境負荷の低減、管理コストの削減
参考:三井不動産

三井不動産では、大規模な街の複雑なエネルギー管理に対応するため、AI-AEMSを導入して電力需要の予測と管理を効率化しています。

AI-AEMS導入前の課題として、エネルギー需要予測の精度向上と効率的なエネルギー利用が挙げられました。

しかし、このツールを導入することにより、電力需要予測AIを用いたより高精度な予測が可能となり、ピーク抑制計画の立案や環境負荷の低減、管理コストの削減が期待されています。

この取り組みで、住宅棟23棟5,632戸と商業施設を含む大規模街区のエネルギー効率を最大化し、スマートシティの構築に貢献することを目指しています。

また、エネルギー使用のデータをリアルタイムでネット上で提供することで、個人個人がエネルギー使用に対する意識を高め、エコフレンドリーな行動を促進しています。

活用事例③:AI温度検知ソリューション(住友不動産エスフォルタ)

引用:住友不動産
導入企業名住友不動産エスフォルタ
事業内容・スポーツ施設の運営、受託運営、指定管理者業務
・スポーツイベントの企画、実施
従業員数757名(2023年3月31日現在)
AI導入前の課題施設利用者の健康チェックがスムーズにできていなかった。
AI導入成果マスク着用状態でも素早く体温を検知できるようになり、感染症の蔓延防止に貢献。
参考:エスフォルタ

住友不動産エスフォルタでは、新型コロナウイルス対策として、葛飾区の体育施設3カ所にAI温度検知システム「SenseThunder」を導入しました。

このシステムは、マスクを着用した状態でも0.5秒で高温を検知できる技術を活用しており、施設を利用する顧客が安心してスポーツ活動を楽しめるようにすることを目的としています。

このシステムの導入により、施設内でのウイルス持ち込み防止とクラスター防止の強化に貢献し、コロナ禍でも健康習慣を維持するための安全な環境を提供しています。

活用事例④:AI相性診(東急リバブル)

引用:東急リバブル
導入企業名東急リバブル株式会社
事業内容不動産仲介業、新築販売受託業、不動産販売業
従業員数3,863名(連結3,977名)(2023年9月末現在)
AI導入前の課題ユーザーにとって最適な物件選びに多くの時間を必要としていた。
AI導入成果AI活用によりユーザー一人ひとりに最適な物件を短時間で効率的に提案可能となった。
参考:東急リバブル

東急リバブルは、インターネット経由の不動産探しの需要増加に対応し、効率的かつ快適な物件探しを実現するために、「AI相性診断」機能を導入しました。

この機能は、チームラボとの共同開発により、購入希望者の条件と20,000件以上の販売物件をAIが照合し、相性の高い物件を提案することが可能になりました。

導入に至った背景として、月間200万人以上のホームページ訪問者とインターネット経由のお問い合わせが8割以上を占める現状がありましたが、この新機能により、ユーザーにとって最適な物件により効率的に出会えるようになることが期待されています

活用事例⑤:AI ANSWER(野村不動産)

引用:野村不動産
導入企業名野村不動産ソリューションズ株式会社
事業内容個人向け不動産仲介事業・法人向け不動産仲介事業・
保険代理店事業・銀行代理業・不動産情報サイト運営事業
従業員数1,866名(2023年4月1日現在)
AI導入前の課題従来はチャット型Q&A形式を採用しており、顧客とのコミュニケーションが十分に円滑とは言えなかった。
AI導入成果AI技術の進化に合わせたチャット型コミュニケーションを可能にすることで、顧客との対話をよりスムーズにすることができた。
参考:野村不動産ソリューションズ

野村不動産ソリューションズは、不動産売買に関する相談が個人情報を明かさずに24時間可能な「住まいのAI ANSWER」を2016年から提供していましたが、2023年11月からはAI技術の進化に合わせて自然言語でのチャット型コミュニケーションが可能な「AI ANSWER Plus(ベータ版)」にリニューアルしました。

このツールは同社が運営する不動産情報サイトである「ノムコム」にて提供されています。

このツールのAIは不動産の購入、売却、仲介、相場価格など、多岐にわたる質問に対応可能で、顧客はいつでも気軽に不動産に関する情報を得ることができます。

これにより、お客様が求める情報をダイレクトに提供することができるようになり、不動産売買のプロセスを簡素化することで、顧客サービスの向上と業務効率化を実現しています。

活用事例⑥:AI・RPA技術による業務効率化(オープンハウス)

引用:オープンハウス
導入企業名株式会社オープンハウス
事業内容不動産売買の代理・仲介事業
新築戸建分譲事業
マンション・ディベロップメント事業
不動産投資事業
不動産金融事業
前各号に付帯関連する事業
従業員数249人
AI導入前の課題膨大な数の資料を人の手で検索・編集・結合しており、リソース不足が顕著であった。
AI導入成果AI・RPAによる工数削減により、大幅な業務の効率化による作業時間の削減が実現。
参考:オープンハウス

オープンハウスでは、不動産業務を手作業で行うことによるリソース不足を解消するため、AI・RPA技術の導入を進めました。

従来、社員は膨大な数の資料を人手で検索・編集・結合しており、工数を削減する必要性が高まっていました。

そこで、AI・RPAツール導入を導入することにより、AIを活用した物件資料の自動作成やRPAによる資料取得自動化を実現し、年間25,700時間の工数削減に成功しました。

特に、資料編集・加工の自動化システムでは年間20,000時間、物件資料自動取得RPAにより1,920時間の削減が達成されました。

活用事例⑦:マンション管理システムAI INFOを導入(大京グループ)

導入企業名株式会社大京(英文名:DAIKYO INCORPORATED)
事業内容不動産開発、不動産販売、都市開発
従業員数473名(2022年3月現在)
AI導入前の課題・重要基幹システムの再更新とともに、信頼性向上と運用コスト削減に向けたインフラと運用の最適化が課題となっていた。
・ヘルプデスク機能をアウトソーシングしているにもかかわらず、情報システム部の社員に問い合わせが入り、時間を取られているという課題があった。
AI導入成果・AIチャットボット「hitTO」の導入により、情報システム部の社員が問い合わせに対応する時間が大幅に削減された。
・マンション管理業務において、AIを活用した「AI管理員」、「AIコンシェルジュ」の二つのサービスの実証実験を開始した。これにより、居住者の方々から「問い合わせや相談がしづらい」といった声に対応し、居住者の満足度を高めるきめ細やかな対応が可能になった。
参考:https://www.daikyo.co.jp/index.html

大京グループは、マンションの共用スペース向けにAIを駆使した管理システム「AI INFO」を導入しています。このシステムは、共有エリアのディスプレイや専用アプリを通じて、ゴミ分別方法、理事会の通知など生活に必要な情報を提供します。

住民は必要な情報を容易に、いつでもアクセス可能で、その整理された内容は使いやすさで好評を得ています。また、共用ディスプレイは音声対話機能や多言語サポートを備え、利用者の多様なニーズに応える設計になっています。このAI活用により、ストレスフリーで快適な居住環境の提供に貢献しています。

活用事例⑧:不動産査定システム「Gate.IP」の導入(明豊エンタープライズ)

導入企業名株式会社明豊エンタープライズ
事業内容不動産開発・販売事業 / 不動産賃貸事業 / 不動産仲介事業
従業員数133名(2023年7月31日現在 連結) 
43名(2023年7月31日現在 単体)
AI導入前の課題・スマートホーム家電で課題に感じる点として、「設定が面倒、難しい」が27.6%と番多い結果となり、また多くの方が購入後の初期段階でお悩みを抱いていることが分かった。
AI導入成果・本社会議室に、IoT機器を導入して実証実験を行う研究ラボ「Smart Office Well」を開設。
・人工知能の「Chat GPT Plus」や音声認識システム「AmiVoice」を導入し、会議の記録・要約・議事録の自動生成等、業務効率化を目指した。
・CO2・温度・湿度・照度を感知するIoT機器(「環境センサー」、「Nature Remo3」)の導入により、室内環境を自動最適化し、会議の生産性を高め、社員のパフォーマンス向上を促進した。
・また、室内環境の自動最適化により、エネルギー消費の削減効果も期待できることから、持続可能な社会の実現に向けて積極的に取り組んでいる。
参考:https://meiho-est.com/

明豊エンタープライズは、賃料設定に際して開発部門と管理部門間で基準の相違が問題となっていました。この課題に対応するため、リーウェイズ株式会社が開発した不動産評価システム「Gate.IP」を採用しました。

Gate.IPでは、2億件を超える不動産関連の大量データをAIが分析し、賃料や利回り、価格、そして空室率を精密に評価します。このシステムの導入によって、客観的な「第三者の視点」に基づいた提案が可能になり、統一された査定基準を確立することができました。

活用事例⑨:Intelligent OCR技術の導入(レオパレス21)

導入企業名株式会社レオパレス21
事業内容アパート・マンション・住宅等の建築・賃貸管理及び販売
リゾート施設の開発・運営
ブロードバンド通信事業
介護事業、他
従業員数連結3,904名、単体2,733名(2023年12月31日現在)
AI導入前の課題・コールセンターにおける課題として、新人教育に時間がかかること、高い離職率・人手不足、コストの不足、応対品質のバラつき、SNS上での悪評拡散などが挙げられた。
・レオパレス21のコンタクトセンターでは、繁忙期である3月に問い合わせが集中する傾向があり、迅速な回答が困難な状況にあった。
AI導入成果・レオパレス21は、入居者様からの問い合わせ対応において、AI音声対話エンジン「PKSHA Voicebot」とAIチャットボット「KARAKURI chatbot」を導入。
・入居者からの問い合わせに対して、24時間365日、迅速かつ正確に回答することが可能となり、応答率は70%弱から約90%に改善された。
参考:レオパレス21


Intelligent OCRは、紙の文書に書かれた文字を認識してデジタルデータに変換する技術です。この技術は、手書きの文字でもデータ化が可能で、業務の自動化による効率化が期待されます。

従来、顧客データや申し込み書類、社内文書の入力作業は手動で行われていましたが、Intelligent OCRを利用することで、これらの作業が自動化され、人的資源の削減とコストダウンに貢献しています。

活用事例⑩:AIチャットボット「EXA AI SmartQA」の導入(桧家ホールディングス)

導入企業名株式会社ヒノキヤグループ
事業内容住宅事業、断熱材事業、不動産投資事業、リフォーム事業
従業員数連結 2,544名 単体 1,937名 (2023年7月1日現在)
AI導入前の課題・営業社員のスキル向上のために作成した1400件のQ&Aを含むマニュアルがあったが、これらの情報が点在しており、営業社員が必要な情報を探すのに手間がかかっていた。
・新しく入った社員が不明点を解消しようにも必要な情報を探すのに手間がかかったり、いろいろな人に聞かなければ分からなかったりすることがあった。
AI導入成果・AIチャットボット「ひのくまコンシェルジュ」の導入により、営業社員がいつでも気兼ねなく質問できる環境が整った。
・応酬話法マニュアルの活用度が格段に上がり、営業の平準化に非常に役立っている。
参考:https://www.hinokiya-group.jp/profile/outline.html

桧家ホールディングスでは、営業情報が分散し、マニュアルの利用が難しいという問題に直面していました。さらに、営業の効率化と能力強化が求められていた状況でした。これを解決するために、同社はソフトバンクの「EXA AI SmartQA」、AI搭載のチャットボットを採用しました。

EXA AI SmartQAには多岐にわたるデータが事前に入力され、必要な情報を一元化して簡単にアクセスできるようになりました。このシステムが営業スタッフの質問に即座に答えることができるようになったことで、作業効率が向上し、知識の充実が見られました。 実際に導入後1ヶ月で、営業スタッフの約50%がこのツールを利用し始め、そのうちの半数が業務において有益であると評価しています。

活用事例⑪:ChatGPT向けプラグインの提供(LIFULL)

導入企業名株式会社LIFULL
事業内容不動産情報サービス事業
従業員数1,696 名(2023年9月30日現在、内、臨時雇用者数187名、海外子会社761名)
AI導入前の課題・住まい探しの情報取得がリアルタイムで行えず、情報の更新にタイムラグやヒューマンエラーが発生していた。
・これにより、募集が終了した物件が継続して広告掲載され、「おとり物件」になってしまうという課題があった。
AI導入成果・生成AIを活用した一般ユーザー向けの不動産取引相談AIサービス「AI ANSWER Plus(ベータ版)」を共同開発し、提供を開始。
・また、「おとり物件」の検知精度が月あたり平均87%まで向上し、2023年3月単月では特定の学習モデルでの検知精度が99%になるなど、非常に高い結果が出ている。これにより、ユーザーの住まい探しや不動産会社の業務効率化に貢献している。
参考:https://lifull.com/company/about/

株式会社LIFULLが展開する「LIFULL HOME’S」は、2023年6月10日からChatGPT用のプラグインをスタートしました。これは国内の不動産・住宅情報サービス分野では初の試みです。

この新しいサービス、「AIホームズくんBETA LINE版」を通じて、LIFULL HOME’Sは国内の不動産ポータルサイトとしては先駆けて、LINE上で住み替え相談が可能な機能を提供しています。

このLINEチャットボット機能では、ユーザーが求める条件を入力することで、AIがマッチする物件を選んで提案します。さらに、ユーザーが特定の物件に興味を示すと、AIがその物件の詳細を説明し、見学の予約や不動産会社への問い合わせを手助けします。

活用事例⑫:AIで空調を制御するシステムを開発(東京建物)

導入企業名東京建物株式会社
事業内容オフィスビル・商業施設等の開発、賃貸及び管理
マンション・戸建住宅の開発、販売、賃貸及び管理
不動産の売買、仲介及びコンサルティング、駐車場の開発・運営
リゾート事業、物流施設開発事業、資産運用事業、海外事業、不動産鑑定業
従業員数760名(2022年12月31日現在)
AI導入前の課題・新卒採用の録画選考における評価の属人化と、数千人分の動画の閲覧、評価にかかる膨大な業務量と負担。
・オフィスの空調制御における消費電力の問題。
・社内のセキュリティシステムの更新に伴い、以前のIDカードによる入室をすべて顔認証に変える必要があった。
AI導入成果・新卒採用の録画選考において、『harutaka EF(エントリーファインダー)』を導入し、評価基準の定量化に成功。これまでの50%の労力で自己PR動画の視聴から評価までを実現し、初期選考における採用システムの一元化により、人事・面接担当者の業務が効率化された。
・AIを用いて空調を制御する実証実験を実施し、フロアの温度ムラを解消したほか、消費電力を約5割削減した。
・顔認証システムを導入し、社内のセキュリティを強化。
参考:https://tatemono.com/company/outline.html

東京建物は、AI技術を活用したオフィスの空調管理システムを開発しました。このシステムでは、フロア全体に配置された無線センサーからの情報をもとに、AIが空調を自動で調整します。

この結果、季節による室温の不均一を解消し、電力消費を大幅に削減することに成功しました。特に秋の期間には、電力使用量を50%削減する成果を上げました。

従来は人の手による温度調整でフロア間の温度差が生じ、空調機間の不必要な負荷増加を招いていましたが、AIによる制御導入でこれらの問題を解決し、効率的な運用とコスト削減を実現しています。

活用事例⑬:AIツール「ノマドクラウド」の導入(ライフデザイン)

導入企業名株式会社 ライフデザイン
事業内容不動産の売買、交換及びその仲介
不動産の賃貸、管理及びその仲介
新築分譲マンションの分譲及び受託販売など
従業員数7 人(2021年度)
AI導入前の課題・担当する営業スタッフや月ごとに来店客の数にばらつきがある
AI導入成果AIベースの「ノマドクラウド」というツールを採用しました。この導入により、来店率が以前の40%から50%へと顕著に上昇
参考:https://life-design.tokyo/

ライフデザイン社は、担当する営業スタッフや月ごとに来店客の数にばらつきがあるという問題を抱えていました。この問題に対処するために、イタンジ株式会社が開発したAIベースの「ノマドクラウド」というツールを採用しました。この導入により、来店率が以前の40%から50%へと顕著に上昇しました。

この成果の背景には、チャット形式で顧客とのコミュニケーションがスムーズになり、返信スピードが向上したこと、加えて顧客の管理とフォローアップが容易になったことがあります。

活用事例⑭:賃料査定サービス(不動産AIチャット「ポルティ」)

導入企業名株式会社RealtyBank
事業内容不動産広告マーティング事業
従業員数不明
AI導入前の課題・米国の不動産業界で学んだ知識と経験を活かし、日本の不動産業界がAIとテクノロジーをより積極的に活用すべきだと感じていた。
・特に、物件の魅力を最大限に引き立てる「デジタルステージング」は、1枚1万円が相場で、不動産会社が気軽に導入できるレベルではなかった。
AI導入成果「デジタルステージング」を導入し、物件の魅力を最大限に引き立てることができるようになった。
・デジタルステージングは時間とコストを大幅に削減し、一枚あたりの加工費用が低価格であるため、多くの物件にステージングを行うことが可能に。
・これにより、ステージングを用いて物件を売り出すことが容易になり、生産性が向上。
参考:https://realtybank.jp/

2023年5月17日から、LINE上でChatGPTを活用した不動産AIチャットサービスにおいて、「ポルティ賃料査定」機能が導入されました。

この連携により、ユーザーはLINEを介して、駅名や駅からの距離、部屋のサイズ、建築年、階層、そして間取りなどの情報を入力することで、ポルティ賃料査定から得られる評価を直接AIチャットから受け取ることができるようになります。

活用事例⑮:スマートな買い物が可能なAIカメラを導入(イオンリテール)

導入企業名イオンリテール株式会社
事業内容総合小売業
従業員数72,859人(2023年2月末現在)
AI導入前の課題・デジタル・AI 競争の必須条件となっていたが、新店偏重の投資配分は変わらず、IT・デジタル・物流への投資配分が不十分だった。
・また、成長領域への投資など、グループ横断的な取組みの進捗が遅れ、収益性の改善に課題を残していた。
AI導入成果「AIカメラ」を導入し、店内カメラの映像を分析し、接客や判断業務、より良い売場レイアウトの実現につなげることができるようになった。これにより、接客を必要とする顧客を店員に知らせたり、店内での行動を分析することで、レイアウトの改善などにも役立つようになった。
「AIカカク」を導入し、販売実績や天候・客数などの環境条件をAIが学習し、割引時に適切な価格を提示することができるようになった。これにより、食品ロス削減の取り組みにもつながり、値下げや売り切り業務に関わる教育時間も軽減できた。
参考:https://www.aeonretail.jp/

イオンリテールは、顧客のショッピング体験を向上させるためにAI技術を活用しています。この取り組みの一環として、店舗内にAI搭載カメラを設置し、これにより買い物中の顧客の行動を分析し、接客が必要な人を即座に特定できるようになりました。

このシステムはまた、顧客の滞在時間や動線を把握することで、売り場の配置を最適化し、店舗ごとの特徴を理解するのにも利用されています。AIカメラから得られる情報により、人気商品の特定が容易になり、商品の供給を効率化することに成功しています。

活用事例⑯:AI返信アシスタント(β版)の実装(GMO賃貸DX)

導入企業名GMOインターネットグループ株式会社
事業内容インターネットインフラ事業
インターネット広告・メディア事業
インターネット金融事業
暗号資産(仮想通貨)事業
従業員数7,393名(社員 6,249名 / 臨時従業員 1,144名)
2023年6月末日時点 企業グループ合計数
AI導入前の課題・問い合わせへの即時対応や作業時間の短縮を求める声が多く挙がっていた。
AI導入成果時間とコストの節約:AIの活用により、業務効率化を図り、時間とコストを節約している。
既存サービスの質向上:生成AIによる文章や画像の生成など、既存サービスにAIを組み込むことにより、お客様にこれまで以上に利便性の高いサービスを提供している。
AI産業への新サービス提供:AI産業をさらに拡大するための支援を進めている。
参考:https://chintaidx.com/

GMO賃貸DXでは、従来、不動産管理の担当者がオーナーや入居者へのメッセージを手動で作成していましたが、問い合わせへの即時対応や作業時間の短縮を求める声が多く挙がっていました。これに応える形で、GMO賃貸DXは「AI返信アシスタント(β版)」を導入しました。

このツールを使用することで、オーナーや入居者からのチャットメッセージに対して、AIが自動で回答文を作成し、担当者はこれを編集・調整後に送信できます。この流れにより、コミュニケーションの迅速化と効率向上が図られ、ユーザーの満足度の向上が期待されます

まとめ:不動産業界におけるAIの活用

多くの大手不動産会社がAIを積極的に導入しています。これらの企業は、AIを用いて不動産価格の査定、エネルギー管理、顧客サービスの向上、業務効率化など、さまざまな面で革新を遂げています。

AI技術の進化により、不動産査定もより正確で迅速に行われるようになり、顧客はリアルタイムで価格情報を得ることができるようになっています。

また、AIはエネルギー管理や顧客サービスの向上、業務効率化など、不動産業界のさまざまな面で大きな効果を発揮しています。